夢遊病者は此岸にて

歌詞(問題文)
(くらいよじょうはんのすみでおなじあやまちをおかしつづけている)
暗い四畳半の隅で同じ過ちを犯し続けている
(くちからはいたけむりのかずだけみにくいじぶんをわすれてしまえた)
口から吐いた煙の数だけ醜い自分を忘れてしまえた
(よるがきょうもこのへやをくらいつくしてしまうから)
夜が今日もこの部屋を喰らい尽くしてしまうから
(こうふくなゆめのせかいににげこむのさ)
幸福な夢の世界に逃げ込むのさ
(まっしろのひとがたがぼくにひかりをあたえた)
真っ白の「ひとがた」が僕に光を与えた
(もうにどとてばなせないなこのいたみは)
もう二度と手放せないな この痛みは
(きみをころしてしまったきょうでさえもあすとかわらないきょうで)
「君を殺してしまった今日」でさえも 「明日と変わらない今日」で
(ぼくはいましってしまった)
僕は今知ってしまった
(どうしてぼくがだれもあいせないでいたのか)
どうして僕が誰も愛せないでいたのか
(ももいろのぼうれいがはいずっているへや)
桃色の亡霊が這いずっている部屋
(げんちょうはこまくをうった)
幻聴は鼓膜を打った
(しぬまでとけないのろいにつかりきったぼくはもうすくえないな)
死ぬまで解けない呪いに浸かりきった僕はもう救えないな
(くらいよじょうはんのすみでおなじあやまちをおかしつづけている)
暗い四畳半の隅で同じ過ちを犯し続けている
(けむりをすってみるゆめのなかでは)
煙を吸って見る夢の中では
(あすのふあんさえもなくなった)
明日の不安さえもなくなった
(いつかぼくはこのへやでこどくをだいてきえるから)
いつか僕はこの部屋で孤独を抱いて消えるから
(せめていまだけみらいをわすれたいのさ)
せめて今だけ未来を忘れたいのさ
(まっしろのひとがたがぼくにあたえたひかりを)
真っ白の「ひとがた」が僕に与えた光を
(もうにどとてばなさないおわりのときまで)
もう二度と手放さない 終わりの時まで
(きみをころしてしまったきょうでさえも)
「君を殺してしまった今日」でさえも
(にくたいのかてになって)
肉体の糧になって
(たったいましってしまった)
たった今知ってしまった
(どうしてぼくのがんきゅうはにごっているのか)
どうして僕の眼球は濁っているのか
(ももいろのぼうれいがはいずっているへや)
桃色の亡霊が這いずっている部屋
(ぜんしんがうみになっていく)
全身が海になっていく
(しぬまでとけないのろいがぼんようなぼくにすくいをあたえるんだ)
死ぬまで解けない呪いが凡庸な僕に救いを与えるんだ
(すいぎんでみちたよくそう)
水銀で満ちた浴槽
(つかってしまったぼくのきょうこつさを)
浸かってしまった僕の軽忽さを
(そうだれもかれもがわらっている)
そう、誰も彼もが笑っている
(ぬけだせないんだずっと)
抜け出せないんだ ずっと
(このじんせいはもうおしまいにしよう)
この人生はもうお終いにしよう
(ぼくがぼくをゆるしてしまうまえにさ)
僕が僕を許してしまう前にさ
(きょだいなふあんがくろいかーてんのようにめのまえをさえぎっている)
巨大な不安が黒いカーテンのように目の前を遮っている
(どこかでくるってしまったぼくのせいはあまりにちせつなひげきだ)
どこかで狂ってしまった僕の生は、あまりに稚拙な悲劇だ
(いまごろてんじょうでわらっているだろう)
今頃天井で笑っているだろう
(このにんぎょうのしゅうまくを)
この人形の終幕を
(しぬまでとけないのろいを)
死ぬまで解けない呪いを
(ここでいまおわらせてしまおうか)
ここで今終わらせてしまおうか