少女フランドール

(ふりるからのびるかぼそいてあし)

フリルから伸びるか細い手足

(ばらのこうちゃかおるあまいといきで)

薔薇の紅茶薫る甘い吐息で

(「わたしのかみにはまっかなりぼんが)

「わたしの髪には真っ赤なリボンが

(にあうにきまっているわ。そうでしょう？」)

似合うに決まっているわ。そうでしょう？」

(さいたきずちしぶきあびて)

咲いた傷　血飛沫浴びて

(ほほえむしょうじょふらんどーる)

微笑む少女フランドール

(「けいやくのしるしなの」と)

「契約の印なの」と

(くちびるかみきるきす)

唇噛み切るキス

(なにもおそれるものはなく)

何も恐れるものはなく

(こわれたしょうじょふらんどーる)

壊れた少女フランドール

(なんまんかいでもきざむみかえりないあいのきず)

何万回でも刻む見返りない愛の傷

(だれもがこいするあかいひとみにちゅうせいちかう)

誰もが恋する紅い瞳に忠誠誓う

(けがれあるてんし)

穢れある天使

(「しろいながいくつしたは)

「白い長い靴下は

(きちんとがーたーでとめなきゃきがすまないの」)

きちんとガーターで留めなきゃ気が済まないの」

(ひざまずきみあげゆるしこう)

跪き見上げ許し乞う

(かれんしょうじょふらんどーる)

可憐少女フランドール

(「いくらでもあいがほしいの」)

「いくらでも愛が欲しいの」

(よくぼうみたされない)

欲望満たされない

(はなちらすようにいっしゅんこわす)

花散らすように一瞬　壊す

(あくましょうじょふらんどーる)

悪魔少女フランドール

(じごくがここだとしたらそれでもかまわない)

地獄がここだとしたらそれでも構わない

(ちぎったはーとのはへん)

千切ったハートの破片

(ちぎられたはねすて)

千切られた羽捨て

(てのなかにぎりしめて)

手の中握りしめて

(そのてにとらわれたら)

その手に捕らわれたら

(「ねぇげーむをしましょうか」)

「ねぇゲームをしましょうか」

(ささげさいごのときまで)

捧げ　最期の時まで

(「こわれるそのときまで」)

「壊れるその時まで」

(きゃしゃなつばさそっとひろげて)

華奢な翼そっと広げて

(ゆめみるしょうじょふらんどーる)

夢見る少女フランドール

(うっとりとてをさしのべて)

うっとりと手を差し伸べて

(はじけるまっかなはなび)

弾ける真っ赤な花火

(さいたきずちしぶきあびて)

咲いた傷　血飛沫浴びて

(ほほえむしょうじょふらんどーる)

微笑む少女フランドール

(「けいやくのしるしなの」と)

「契約の印なの」と

(くちびるかみきるきす)

唇噛み切るキス

(つみ・とが・しはい・りせい)

罪・咎・支配・理性

(とまどわないしょうじょふらんどーる)

躊躇（とまど）わない少女フランドール

(「ばつをあたえてあげる」)

「罰を与えてあげる」

(よあけはもうにどとこない)

夜明けはもう二度と来ない