fractale

(くずれかけたしろのにわだれのためにまだあるの)

崩れかけた城の庭誰のためにまだあるの

(ひめられしはげんそうかなでるようにさきみだれる)

秘められしは幻想奏でるように咲き乱れる

(あまいかおりさそいだすしょうじょのなかねむるきょうき)

甘い香り誘い出す少女の中眠る狂気

(ふらくたるなせかいのなかながれてくひいろのこい)

フラクタルな世界の中流れてく緋色の恋

(からめあうゆびさきはなにをみてどこへゆく)

絡めあう指先は何を見て何処へ行く

(おとぎばなしよりもはかないゆめものがたり)

御伽噺よりも儚い夢物語

(けなげにさくしろいはなをつみとらんとてのばす)

健気に咲く白い花を摘み取らんと手伸ばす

(けんろうゆえもろくきえるいのちとともにいきるの)

堅牢故脆く消える命と共に生きるの

(いくせんものけがれかさねたらあいにそまるでしょう)

幾千もの穢れ重ねたら愛に染まるでしょう

(まざりあういたみともないながらじゅんけつちらせて)

混ざりあう痛み伴いながら純潔散らせて

(とざしたどあくらやみにかくしたままうまれくる)

閉ざしたドア暗闇に隠したまま生まれくる

(だんぜつされたきおくだけこぼれおちうしなってゆく)

断絶された記憶だけ零れ落ち失ってゆく

(つるみあうつたさきはまきついてくちはてる)

蔓みあう蔦先は巻きついて朽ち果てる

(いばらのみちよりもたやすくもえるまぼろし)

茨の道よりも容易く燃える幻

(おとろえゆくしろいはなをまもらんとうでかざす)

衰えゆく白い花を護らんと腕かざす

(せんぼうゆえますにくしみむくでありたいとねがう)

羨望故増す憎しみ無垢でありたいと願う

(いくせんものときをかさねたらまきもどるでしょう)

幾千もの時を重ねたら巻き戻るでしょう

(しんじたいひとみみつめあったらじゅんけつさかせて)

信じたい瞳見つめ合ったら純潔咲かせて