カーテンコール/藤原ハガネ

(もうすぎさってしまったような)

もう過ぎ去ってしまったような

(せいしゅんのふとうしきを)

青春の不等式を

(くやしそうにまだかんでいる)

口惜しそうにまだ噛んでいる

(まあつぎはぎもあったよな)

まあツギハギもあったよな

(ていくうのひこうしきも)

低空の飛行式も

(からまわったままでおわったもの)

空回ったままで終わったもの

(かきあつめて)

掻き集めて

(もうまくひきがちかいような)

もう幕引きが近いような

(せいきゅうのよかんがして)

請求の予感がして

(てんじょうとまどにおびえている)

天井と窓に怯えている

(こぼれおちたらとまれないまま)

こぼれ落ちたら止まれないまま

(どうしてまだたたかっている)

どうしてまだ戦っている

(えっ)

えっ？

(たりないものぜんぶがほしいんだよ)

足りないもの全部が欲しいんだよ

(まだほしいんだよって)

まだ欲しいんだよって

(それだけはしっていて)

それだけ疾っていて

(かんじょうゆうじょうあいじょうぜんぶきえさっても)

感情友情愛情全部消え去っても

(まだおこなけんだろって)

まだ行けんだろって

(いのちをかぞえている)

残機を数えている

(てんけいも)

天恵も

(しょうらいも)

将来も

(かれはてた)

枯れ果てた

(ここにあるのはじごくだよ)

ここにあるのは地獄だよ

(もういっかい)

もう一回！

(もうわすれてしまったかな)

もう忘れてしまったかな

(めいきゅうのじぼうじきを)

迷宮の自暴自棄を

(かきむしったそのては)

掻きむしったその手は

(ながくつよくなったけれど)

長く強くなったけれど

(もうだれもしらないような)

もう誰も知らないような

(えいきゅうのきこうしきを)

永久の機工史記を

(かたりつぐくちはつぐんでいる)

語り継ぐ口はつぐんでいる

(さいしょはみんなおなじきもちで)

「最初はみんな同じ気持ちで」

(おもいだしたらしてみようか)

思い出したらしてみようか

(かがやくものぜんぶがみたいんだよ)

輝くもの全部が見たいんだよ

(まだみたいんだよって)

まだ見たいんだよって

(それだけいだいていけ)

それだけ抱いていけ

(かさねたてはぜんぶつめたいけど)

重ねた手は全部冷たいけど

(うそいつわりないばいなりの)

嘘偽りない#0#1の

(えくすまきな)

機械仕掛

(まんかいの)

満開の

(ちょうあいを)

寵愛を

(まちわびた)

待ち侘びた

(そこからはじまるじかんですよ)

そこから始まる時間ですよ

(ああいえばこういう)

ああ言えばこう言う

(ぼくのいじっぱりだよ)

僕の意地っ張りだよ

(ただころんでいきて)

ただ転んで生きて

(ここまであるいてきた)

ここまで歩いてきた

(もういっかい)

もう一回！

(つらねたかこぜんぶがいたいけど)

連ねた過去全部がイタいけど

(ただいたいだけだ)

ただイタいだけだ

(まだいけんだろって)

まだ行けんだろって

(たりないものぜんぶなくなっても)

足りないもの全部なくなっても

(まだいたいんだよって)

まだいたいんだよって

(いのちをはずんでいけ)

生命を弾んでいけ

(なにものでもないとしりたいから)

何者でもないと知りたいから

(さあならしたいぶきの)

さあ鳴らした息吹(鳴らしたい武器)の

(おとをかぞえていけ)

音を数えていけ

(てんけいも)

天恵も

(しょうらいも)

将来も

(ぼくのもの)

僕のもの

(ここにあるのがじごくだろうと)

ここにあるのが地獄だろうと

(はなさくぼくらのぶたいだよ)

花咲く僕らの舞台だよ