南総里見八犬伝

句読点、記号等抜いてます
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歌詞(問題文)
(えどじだいこうきにきょくていばきんによってかかれたちょうへんしょうせつ)
「江戸時代後期に曲亭馬琴によって書かれた長編小説......」
(なんそうさとみはっけんでん)
『南総里見八犬伝』
(むかしむかしみのりゆたかなあわのとちをねらうひとりのまじょがおりました)
「昔々、実り豊かな安房の土地を狙う一人の魔女がおりました」
(そのなはたまずさ)
その名は玉梓
(さとみよしざねがおさめるこのくにをわがものにしようとたくらんだたまずさでしたが)
「里見義実が治めるこの国を我がものにしようと企んだ玉梓でしたが、
(とらえられてしまいます)
捕らえられてしまいます。
(しょけいされんとするまさにそのとき)
処刑されんとするまさにその時......」
(なみだにぬれたうつくしきまじょ)
涙に濡れた美しき魔女
(かぜひとつふけばちらされそうな)
「『風ひとつ吹けば散らされそうな、
(かよわきこのみでいったいなにができましょう)
か弱きこの身で一体何ができましょう?
(さとみのとのよ)
里見の殿よ。
(ほんとうにわらわがくにをのっとろうとしたとおおもいですか)
本当に妾が国を乗っ取ろうとしたとお思いですか...?』」
(なみだにぬれたうつくしきひとみ)
涙に濡れた美しき瞳
(いきをのむよしざね)
「息を呑む義実」
(これほどうつくしいものがむほんのつみをおかすものだろうか)
「『...これほど美しい者が、謀反の罪を犯すものだろうか...』」
(こころをうばわれたよしざねはしょけいをとりやめようとしました)
「心を奪われた義実は、処刑を取りやめようとしました」
(かよわきものをころすのはどうかとおもういのちだけはゆるそう)
「『か弱き者を殺すのは、どうかと思う。...命だけは許そう』」
(ああありがとうございますさとみのとの)
「『...嗚呼!ありがとうございます...。里見の殿』」
(だが)
「だが...」
(だまされてはなりませぬたまずさはあしきまじょ)
騙されてはなりませぬ!玉梓は悪しき魔女
(けらいのいっせいでわれにかえったよしざね)
「家来の一声で我に返った義実」
(そうであったこのものはこころあやつるあしきまじょいますぐしけいにせよ)
「『そうであった。...この者は心操る悪しき魔女。今すぐ死刑にせよ!』」
(とたんにうつくしきかおはゆがみくずれた)
途端に美しき顔は 歪み崩れた
(そのくちからひとたびこぼれおちたゆるしのことばが)
「『その口から一度こぼれ落ちた赦しの言葉が、
(まだわらわのみみにのこっているうちに)
まだ妾の耳に残っている内に、
(ふたたびおなじくちからはきだされたようしゃなきせんこく)
再び同じ口から吐き出された容赦なき宣告...。
(わらわのいのちをもてあそぶとはおのれさとみよしざねゆるすまじ)
妾の命をもてあそぶとは......おのれ里見義実、許すまじ...!』」
(ええいだまれ)
「『ええい黙れ!』」
(まて)
「『待て!』」
(まて)
「『待て!』」
(かくご)
「『覚悟!』」
(のろってやろうさとみにかかわるものみな)
呪ってやろう 里見に関わる者みな
(ほろびよいぬになれ)
滅びよ 犬になれ
(ほろびよいぬになれ)
滅びよ 犬になれ
(のろいのことばをのこしたまずさのくびはどこへときえてゆきました)
「......呪いの言葉を残し、玉梓の首は何処へと消えてゆきました」
(よくとしのなつにうまれたよしざねのむすめは)
「......翌年の夏に生まれた義実の娘は、
(それはそれはうつくしいひめぎみにそだちました)
それはそれは美しい姫君に育ちました」
(そのなはふせひめ)
その名は伏姫
(ふせひめのくびにはやっつのおおきなたまがついたじゅずがかけられておりました)
「伏姫の首には、八つの大きな珠がついた数珠が掛けられておりました。
(それはおさなきころにふしぎなろうじんからゆずりうけたもの)
それは、幼き頃に不思議な老人から譲り受けたもの」
(このやっつのたまはさとみのくにをまもるであろう)
「『この八つの珠は、里見の国を守るであろう』」
(そしてふせひめのそばにはいつもやつふさというなのおおきないぬがおりました)
「そして、伏姫のそばにはいつも、八房という名の大きな犬がおりました」
(わん)
「『ワン!』」
(そのからだのあちこちには)
そのからだのあちこちには
(ぼたんがらのぶちやっつ)
牡丹柄のぶち 八つ
(りんこくとのはげしいたたかいがつづき)
「......隣国との激しい戦いが続き、
(さとみのくにはきゅうちにたたされておりました)
里見の国は窮地に立たされておりました。
(そんなおりよしざねはやつふさにじょうだんをこぼします)
そんな折、義実は八房に冗談をこぼします」
(なあやつふさおまえがてきしょうをくいころせばみながたすかるぞ)
「『なあ八房。......お前が敵将を食い殺せば、皆が助かるぞ。
(ほうびにさかなのにくでもやろう)
褒美に魚の肉でもやろう』」
(くぅーん)
「『くぅーん』......」
(はははさかなのにくではふふくとみえるならばなにをあたえようか)
「『ははは。魚の肉では不服と見える。ならば何を与えようか。
(みぶんもりょうちもほしがるようにはおもえぬ)
身分も領地も欲しがるようには思えぬ。
(そうじゃおまえのだいすきなふせひめをやろう)
...そうじゃ。お前の大好きな伏姫をやろう』」
(それはまことにわるいじょうだんでございました)
「......それは、誠に悪い冗談でございました」
(わおぉぉーーーん)
「『わおぉぉーーーん』......」
(そのよるてきじんがなぜかそうくずれ)
その夜 敵陣が何故か 総崩れ
(やつふさがくわえてきたなまくび)
八房が咥えてきた生首......
(それはまさしくてきしょうのくびだったのです)
「それはまさしく、敵将の首だったのです。
(やくそくどおりふせひめはやつふさのよめとなりました)
......約束通り、伏姫は八房の嫁となりました」
(やまのおくでやつふさとともにひっそりとくらすふせひめ)
「山の奥で八房と共にひっそりと暮らす伏姫。
(そこにひとりのぶしがやってきました)
...そこに一人の武士がやってきました」
(あのいぬがいるかぎりふせひめはさとみのくににもどってこられぬ)
「『あの犬がいる限り、伏姫は里見の国に戻ってこられぬ...』」
(なんとしてもふせひめさまを)
『なんとしても伏姫様を』
(とりもどす)
『とり戻す!』
(かくご)
「『覚悟ー!』」
(はなたれただんがんは)
放たれた弾丸は
(みごとやつふさをとらえた)
見事八房を捉えた
(しかし)
「しかし...」
(ああ)
嗚呼...
(ああ)
嗚呼...
(だんがんはやつふさをかんつうしふせひめのみぎむねにあたってしまったのです)
「弾丸は八房を貫通し、伏姫の右胸に当たってしまったのです」
(たおれるふせひめ)
倒れる伏姫
(ひめさま)
「『姫様!』」
(かけよったぶしのうでのなかでふせひめはもうむしのいき)
「駆け寄った武士の腕の中で、伏姫はもう虫の息」
(しっかりしてくださいふせひめさま)
「『しっかりしてください!伏姫様!』」
(じつはそのぶしはふせひめのあいしたいいなずけでございました)
「実はその武士は、伏姫の愛した許嫁でございました」
(たちこめるくろいきり)
立ちこめる 黒い霧
(うかびあがるちばしっため)
浮かび上がる 血走った目
(まっかにさけたくち)
真っ赤に 裂けた口
(そのくちがかたる)
その口が語る
(ほろびよいぬになれ)
『滅びよ 犬になれ』
(のろいはまだつづく)
『呪いはまだ続く』
(さいごのちからをふりしぼってふせひめはさけびました)
「最期の力を振り絞って、伏姫は叫びました」
(けっしてのろいにまけませんはっけんしよきたれ)
「『決して呪いに負けません。......八犬士よ、来たれ!!』」
(きりさくようなひかり)
切り裂くような光
(ふせひめのじゅずからはじかれた)
伏姫の数珠から弾かれた
(やっつのたま)
八つの珠
(くろいきりをけしてゆく)
黒い霧を消してゆく