ヴァニッシュ

(あさいねむりぼけためごぜん２じ)

浅い眠り呆けた眼午前2時

(ぽつりくらいへやひとりないた)

ぽつり　暗い部屋独り泣いた

(ひざかかえたいすのうえかじるつめ)

膝抱えた椅子の上　齧る爪

(ささくれてあれたゆびをきった)

ささくれて荒れた指を切った

(まどのそとふとてまねいているあくま)

窓の外　ふと手招いている悪魔

(「おにさんこちらてのなるほうへ」)

「オニサンコチラ テノナルホウヘ」

(ここちよいこえにのせられたらさいご)

心地よい声に乗せられたら最期

(「もうにどとかえることはできないぞ」)

「もう二度と還ることはできないぞ」

(「しらぬぞんぜぬなどつうようしない」)

「知らぬ存ぜぬなど通用しない」

(「みらいもないすくいもない」)

「未来もない　救いもない」

(「ここにいみなんてないさ」)

「此処に意味なんてないさ」

(ところでそこのきみはだれ？)

ところでそこの君は誰？

(じりじりどくじりじりどく)

ジリジリドク　ジリジリドク

(むねのこどうとざつおんにうもれゆくせかいで)

胸の鼓動と雑音に埋もれゆく世界で

(おぼれしずむのうとかげ)

溺れ沈む 脳と影

(じくじくどくじくじくどく)

ジクジクドク　ジクジクドク

(どくどくとみゃくをうつゆめのはなはさいた)

毒々と脈を打つ　夢の花は咲いた

(そこにはなにものこらないように)

底には何も残らないように

(すいつくしたい)

吸い尽くしたい

(まどのそとほくそえんでいるあくま)

窓の外　ほくそ笑んでいる悪魔

(「おにさんこちらてのなるほうへ」)

「オニサンコチラ テノナルホウヘ」

(ひとのくるしむすがた)

人の苦しむ姿

(あざわらうようなかおをしてなにをきたいしているの)

嘲笑うような顔をして何を期待しているの

(そんなことはしったことじゃないが)

そんなことは知ったことじゃないが

(もうなにもかもがどうでもいいこれでしまいさ)

もう何もかもがどうでもいい　これで終いさ

(じりじりどくじりじりどく)

ジリジリドク　ジリジリドク

(むねのこどうとざつおんにうもれゆくせかいで)

胸の鼓動と雑音に埋もれゆく世界で

(おぼれしずむのうとかげ)

溺れ沈む 脳と影

(じくじくどくじくじくどく)

ジクジクドク　ジクジクドク

(どくどくとみゃくをうつゆめのはなはさいた)

毒々と脈を打つ　夢の花は咲いた

(そこにはなにものこらないように)

底には何も残らないように

(さぁどろどろにとけあって)

さぁドロドロに溶け合って

(まざりあってひとつになりましょう)

混ざり合ってひとつになりましょう

(のうずいからつたうけしきが)

脳髄から伝う景色が

(あしのさきまですべてをみたすのさ)

足の先まで全てを満たすのさ

(ちくちくたくちくちくたく)

チクチクタク　チクチクタク

(すすみゆくときのなかゆめのはなはかれていた)

進みゆく時間の中　夢の花は枯れていた

(ちくちくたくちくちくたく)

チクチクタク　チクチクタク

(ひとりだけどこにもすすめないここまでみたいだ)

一人だけ何処にも進めない　ここまでみたいだ

(ちくちくたく　ちくちくたく)

「ばいばい」

(じりじりどくじりじりどく)

ジリジリドク　ジリジリドク

(むねのこどうとざつおんにうもれゆくせかいで)

胸の鼓動と雑音に埋もれゆく世界で

(おぼれしずむのうとかげ)

溺れ沈む 脳と影

(じくじくどくじくじくどく)

ジクジクドク　ジクジクドク

(どくどくとみゃくをうつくびのすじをさいた)

毒々と脈を打つ　首の筋を裂いた

(まどべにいちりんはながさいていた)

窓辺に一輪　花が咲いていた

(さぁどろどろにとけあって)

さぁドロドロに溶け合って

(まざりあってひとつになりましょう)

混ざり合ってひとつになりましょう

(のうずいからつたうけしきで)

脳髄から伝う景色で

(みたされたさかずきをのみほすのさ)

満たされた杯を飲み乾すのさ

(すいつくしたいあいしつくしたい)

吸い尽くしたい　愛し尽くしたい

(すいつくしたいあいしつくしたい)

吸い尽くしたい　愛し尽くしたい