夕焼通り探検隊

(とあるなつのひほうかごのこと)

とある夏の日 放課後のこと

(ぼくよりすこしせがたかいきみと)

僕より少し背が高い君と

(だれもしらないひみつきちへむかった)

誰も知らない秘密基地へ向かった

(おやにないしょのぼくらだけのいばしょ)

親に内緒の僕らだけの居場所

(ちいさなころはまいにちのように)

小さな頃は毎日のように

(くらくなるまであそんでいたっけ)

暗くなるまで遊んでいたっけ

(どろでよごれたぼくらは)

泥で汚れた僕らは

(おこられずにすむかいけつさくを)

怒られずに済む解決策を

(いつまでたってもひねりだせずにいた)

いつまでたっても捻り出せずにいた

(たいせつにしてたものだって)

大切にしてたものだって

(いつかなくしてしまうから)

いつかなくしてしまうから

(せめていまはわすれないように)

せめて、今は忘れないように

(きみとやくそくしたんだよ)

君と約束したんだよ

(おとなになったらいつかまた)

大人になったらいつかまた

(ふたりでひみつきちへゆこう)

二人で秘密基地へ行こう

(そのときはどっちがせがたかいかな)

その時はどっちが背が高いかな

(おいかけてもかけてもいつもとどかない)

追いかけても駆けてもいつも届かない

(きみはずっとずっとずっとぼくのさきにいるから)

君はずっとずっとずっと僕の先にいるから

(あのまるいやまがふたつならぶひろばまできょうそうしよう)

あの丸い山が二つ並ぶ広場まで競争しよう

(まけたほうがこーらおごるやくそくな)

負けた方がコーラおごる約束な

(いつかはぼくもきみのなまえをわすれて)

いつかは僕も君の名前を忘れて

(おもいでのなかなのじゅうにんになるから)

思い出の中の住人になるから

(きえないようにきょうのことを)

消えないように 今日のことを

(ふかくきざんでおこう)

深く刻んでおこう

(しちがつむいかほうかごのこと)

七月六日 放課後のこと

(にどとあえないともだちができた)

二度と会えない友達ができた

(それはあまりにとつぜん)

それはあまりに突然

(ふりかかったあめのようで)

降りかかった雨のようで

(いつまでたってもしんじられずにいた)

いつまで経っても信じられずにいた

(ごむふうせんばくだんごっこ)

ゴム風船 爆弾ごっこ

(みずびたしにしたすなのしろ)

水びたしにした 砂の城

(みんなであつまってはかくれんぼ)

みんなで集まってはかくれんぼ

(きみはひとりどこへゆくのかな)

君はひとり 何処へ行くのかな

(いつだってぼくらにんげんはわがままだ)

いつだって僕ら人間はわがままだ

(ああすればこうすればとか)

ああすれば こうすれば とか

(こうかいばかりで)

後悔ばかりで

(あのとききみをとめられていたら)

あの時君を止められていたら

(なんてかんがえていた)

なんて、考えていた

(おいかけてもかけてもいつもとどかない)

追いかけても 駆けてもいつも届かない

(きみはずっとずっとずっと)

君は ずっと ずっと ずっと

(ぼくのまえにいたのに)

僕の前にいたのに

(あのひきみとやくそくした)

あの日君と約束した

(ひろばでまっているよ)

広場で待っているよ

(まけたほうがこーらおごるやくそくだろ)

負けた方がコーラおごる約束だろ

(あしたはきっときみのなまえをわすれて)

"明日"はきっと君の名前を忘れて

(おもいでのなかでえいえんになるけど)

思い出の中で永遠になるけど

(きえないようにぼくのなかで)

消えないように 僕の中で

(ふかくきざんでおこう)

深く刻んでおこう

(わすれないようにきょうのことを)

忘れないように 今日のことを

(ふかくきざんでおこう)

深く刻んでおこう