緑眼の獣

(さびついたこころきしませ)

寂び付いた心 軋ませ

(だれとしらずにしらされずにあしあとのこす)

誰と知らずに 知らされずに 足跡残す

(こころまでもどこかへすて)

心までも何処かへ捨て

(ただうらまずただねたまず)

ただ【恨まず】ただ【妬まず】

(あいしたいのあいする)

愛したいの【愛する】

(しんでれらのはなをはいかむりのひめ)

シンデレラの花を【灰かむりの姫】

(ゆめにみていつかいつかはなをさかす)

夢に見て【いつか いつか 花を咲かす】

(こおりつくこえにつきささるこえに)

凍りつく声に【突き刺さる声に】

(ひとはにくしみをしるのでしょうか？)

人は憎しみを知るのでしょうか？

(だれのこえもとどいてはこない)

【誰の 声も 届いては来ない】

(みどりいろのうらみのはないつか)

緑色の恨みの花【いつか】

(こころをにえにしてさくはなさく)

心を贄にして咲く【花咲く】

(あかくさびついたてのひらをそれはそれはむかしに)

赤く寂び付いた 掌を【それは それは 昔に】

(きれいだとつげてくれたわすれたもの)

綺麗だと告げてくれた【忘れたモノ】

(さぁいきましょうふたりだけで)

さぁ行きましょう【二人だけで】

(なくしたものをもとめ)

無くしたモノを求め

(つながれたこころむしばむうらみ)

繋がれた心 蝕む【恨み】

(ひとをあいしてきょうふ)

人を愛して【恐怖】

(あいされずにつもり)

愛されずに【積もり】

(こわされてゆくゆく)

壊されてゆく【ゆく】

(こころまでもくろくそまり)

心までも 黒く染まり

(ただしずかに)

ただ【静かに】

(ただやさしく)

ただ【優しく】

(わらいたいのいきたい)

笑いたいの【生きたい】

(そらをとびまわるそらとぶせいちょう)

空を飛びまわる【空飛ぶ青鳥】

(とりみちをゆめみやがていつかはねをちらす)

鳥達を夢み【やがて いつか 羽を散らす】

(つながれたゆびにもうはなさないと)

繋がれた指に【もう離さないと】

(ひとはいとおしさをしるのでしょうか？)

人は愛しさを知るのでしょうか？

(むすぶゆびのぬくもりにちかう)

【結ぶ 指の 温もりに誓う】

(そらをあおぐねたみのはなやがて)

空を仰ぐ妬みの花【やがて】

(なみだをかてにしてさくはなさく)

涙を糧にして咲く【花咲く】

(しろくこおりつくゆびさきはそれはそれはむかしに)

白く凍りつく指先は【それは それは 昔に】

(やさしさのいみをしらずしってたもの)

優しさの意味を知らず【知ってたモノ】

(さぁいきましょうふたりだけで)

さぁ行きましょう【二人だけで】

(ちりいくはなのしたへ)

散り逝く花の下へ

(にびいろのちれいこわれた)

鈍色の地霊【壊れた】

(あしおとひとつせかいで)

足音一つ【世界で】

(あなたのすべてがわたしのすべてが)

あなたの全てが【私の全てが】

(にくらしくみんな)

憎らしく【みんな】

(ねたましくみんな)

妬ましく【みんな】

(どれもいとおしくてひどくいびついびつで)

どれも愛おしくて【酷く歪いびつで】

(ゆきのようなななしのなもないはなまるで)

雪の様な名無しの名も無い花【まるで】

(おもいをのせてはなさくあなたね)

想いを乗せて花咲く【あなたね】

(みどりいろのめでそらをみるうらみねたみすべてが)

緑色の眼で空を見る【恨み 妬み 全てが】

(とざされたそらをゆきのようにふる)

閉ざされた空を【雪の様に降る】

(だれもいないちれいのそこひとり)

誰も居ない地霊の底【一人】

(またひとりでそでをぬらして)

また一人で【袖を濡らして】

(かれたはなびらをつむようにいつか)

枯れた花びらを摘む様に【いつか】

(みどりめのけものわらいあう)

緑眼の獣【笑いあう】

(かなしみをすてそのために)

悲しみを捨て【その為に】

(やみにのまれる)

闇に飲まれる