正義の鐘よ

(ひびけかねよせめていま)

響け　鐘よ　せめて今

(このくににせいぎを)

この国に　正義を

(いまさばかれる まさにくにじゅうゆるがすくびかざりじけん)

今　裁かれる 正に国中揺るがす　首飾り事件

(せめるべきはおうひだ)

責めるべきは　王妃だ

(あばくべきはしんそう)

暴くべきは真相

(わなにかかっただいしきょう)

罠にかかった大司教

(そのなはろあんろあんだ)

その名はロアン　ロアンだ

(あわれかれはぎせいしゃ)

哀れ彼は　犠牲者

(はでなかねづかいかくすため)

派手な金遣い隠すため

(だいしきょうをおとしめるため)

大司教を貶めるため

(しくまれたいんぼう)

仕組まれた陰謀

(せいぎはどこにある)

正義は何処にある

(ひびけかねよせめていま)

響け　鐘よ　せめて今

(このくににせいぎを)

この国に　正義を

(とうぜんのことだ)

当然のことだ！

(これはだいしきょう)

これは大司教

(ろあんろあん)

ロアン！　ロアン！

(はれてじゆうなのね)

晴れて自由なのね

(これはおどろきだ)

これは驚きだ

(こうとうほういんのきぞくたちは じぶんたちのもっともそんけいするじんぶつのとうごくをきょひしたわけだ)

高等法院の貴族たちは 自分たちの最も尊敬する人物の投獄を拒否したわけだ

(しんじつのしょうりだわたしはむざいほうめん)

真実の勝利だ　私は無罪放免

(なにひとつはじることはない)

何ひとつ恥じることはない！

(ろあんろあん)

ロアン！　ロアン！

(すべてをこのわたしにおしつけた ぬれぎぬだったのだ)

すべてをこの私に押し付けた 濡れ衣だったのだ

(かれのむじつはおうひにたいする たしかないしひょうじでもある)

彼の無実は　王妃に対する 確かな意思表示でもある

(ろあんろあん)

ロアン！　ロアン！

(しょうめいされたけっぱく)

証明された潔白

(つみをきせたじんぶつはめいはくいまこそ)

罪を着せた人物は明白　今こそ

(つぐなわせろおうひに)

償わせろ　王妃に

(そうだ)

そうだ！

(ただおろかだった)

ただ愚かだった

(こころからのはからいがうらぎられるとは)

心からの計らいが裏切られるとは

(そうしょせんはあばずれ)

そう　所詮は　あばずれ

(そうだ)

そうだ！

(まるぐりっとまるぐりっと どこでしょうかのじょは)

マルグリット　マルグリット 何処でしょう？　彼女は

(あのこはどうしたどこにいる)

あの子はどうした　何処にいる

(ただしいさばきなら)

正しい裁きなら

(もちろんむざいだ)

もちろん　無罪だ

(けっかは)

結果は

(まるぐりっとよかった)

マルグリット　良かった！

(まるぐりっとまるぐりっと)

マルグリット！　マルグリット！

(むざいほうめんよ)

無罪放免よ！

(こうしきのばでのさばきをつよくしゅちょうしたのは おうひほんにんであったはずだ)

公式の場での裁きを強く主張したのは 王妃本人であったはずだ

(あすのぱんもないあたしたち みごろしでぜいたくなくらし)

明日のパンもない　あたしたち 見殺しで贅沢な暮らし

(たおすべきはおうひよ)

倒すべきは　王妃よ

(そうだ)

そうだ！

(おうひのおうぼうをゆるすな)

王妃の横暴を許すな！

(そうだ)

そうだ！

(こくおうとおうひをたおせ)

国王と王妃を倒せ！

(そうだ)

そうだ！

(もううえもおそれもないせいかつを)

もう飢えも恐れもない生活を！

(そうだ)

そうだ！

(おーすとりあのばいしゅんふを おうしつからたたきだせ)

オーストリアの売春婦を 王室から叩き出せ！

(そうだ)

そうだ！

(あすのぱんもないわれら みごろしできょうもぜいたくなくらし)

明日のパンもない　我ら 見殺しで今日も贅沢な暮らし

(たおすべきはおうひだ)

倒すべきは　王妃だ

(あすのぱんもないわれら そしてさばかれたくびかざりじけん)

明日のパンもない　我ら そして　裁かれた首飾り事件

(たおすべきはおうひだ)

倒すべきは　王妃だ

(さあ)

さあ！

(まるぐりっとしゃくほうされてほんとうによかったわ かみはいのりにこたえてくださったのね)

マルグリット　釈放されて本当に良かったわ 神は祈りに答えてくださったのね

(いまはしょうりをいわうときあたしはむざい まりーあんとわねっとのほうこそひこくよ)

今は勝利を祝う時　あたしは無罪 マリー・アントワネットの方こそ被告よ！

(あのひとにつみはないわわかってるわね)

あの人に罪はないわ　分かってるわね？

(ええこのじけんではねでも)

ええ　この事件ではね　でも...

(しゃくほうされたのに なぜそれでよしとしないの)

釈放されたのに なぜそれで良しとしないの？

(これいじょうあのひとへの にくしみをあおるのはやめて)

これ以上あの人への 憎しみを煽るのはやめて

(それだけのことをしたせいよ なぜかばうの)

それだけのことをしたせいよ なぜ庇うの？

(まだむらぱんはころされたのよ)

マダム・ラパンは殺されたのよ

(よのなかをよくしたいのなら まずにんげんをそんちょうするべきよきずつけるのではなくて)

世の中を良くしたいのなら まず人間を尊重するべきよ　傷つけるのではなくて

(おせっきょうはやめて)

お説教はやめて

(あたしもうせいとじゃない)

あたしもう生徒じゃない

(まるぐりっと)

マルグリット！

(まちがってるわ)

間違ってるわ...