長文練習27!

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投稿者投稿者まりとっつぉ🎐いいね0お気に入り登録
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ストーリー系ですっ!

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問題文

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(あめのひのとしょかんは、すこしだけじかんのながれがおそい。) 雨の日の図書館は、少しだけ時間の流れが遅い。 (まどをうつあまおとも、ぺーじをめくるおとも、すべてがとおくきこえる。) 窓を打つ雨音も、ページをめくる音も、すべてが遠く聞こえる。 (わたしはそんなしずけさがすきだった。) 私はそんな静けさが好きだった。 (がっこうがおわると、きまってえきまえのとしょかんへむかう。) 学校が終わると、決まって駅前の図書館へ向かう。 (とくべつにほんがすきだったわけではない。) 特別に本が好きだったわけではない。 (ただ、そこにいるとこころがおちついた。) ただ、そこにいると心が落ち着いた。 (そのひも、わたしはいつものおくのせきにすわっていた。) その日も、私はいつもの奥の席に座っていた。 (ふるいきのつくえにはこまかなきずがいくつものこっている。) 古い木の机には細かな傷がいくつも残っている。 (だれかがながいじかんをここですごしてきたあかしのようだった。) 誰かが長い時間をここで過ごしてきた証のようだった。 (しばらくほんをよんでいると、むかいのせきにひとりのじょせいがすわった。) しばらく本を読んでいると、向かいの席に一人の女性が座った。
(ねんれいはにじゅうだいくらいだろうか。) 年齢は二十代くらいだろうか。 (ながいくろかみがすこしだけあめにぬれていた。) 長い黒髪が少しだけ雨に濡れていた。 (かのじょはしずかにぶんこぼんをひらき、そのままうごかなくなる。) 彼女は静かに文庫本を開き、そのまま動かなくなる。 (ぺーじをめくるすがたがみょうにきれいで、わたしはおもわずめをうばわれた。) ページをめくる姿が妙にきれいで、私は思わず目を奪われた。 (そとではあめがつよくなっていた。) 外では雨が強くなっていた。 (としょかんのとけいが、ごごろくじをつげる。) 図書館の時計が、午後六時を告げる。 (へいかんがちかづき、ひとはすこしずつかえっていった。) 閉館が近づき、人は少しずつ帰っていった。 (けれどかのじょはせきをたたない。) けれど彼女は席を立たない。 (わたしもなぜかかえるきになれず、そのままほんをよみつづけていた。) 私もなぜか帰る気になれず、そのまま本を読み続けていた。 (やがてへいかんのほうそうがながれる。) やがて閉館の放送が流れる。
など
(わたしはほんをとじ、たちあがろうとした。) 私は本を閉じ、立ち上がろうとした。 (そのとき、ふいにかのじょがこちらをみた。) そのとき、不意に彼女がこちらを見た。 (「あめ、やみませんね」) 「雨、やみませんね」 (しずかなこえだった。) 静かな声だった。 (わたしはすこしおどろきながらうなずく。) 私は少し驚きながら頷く。 (「そうですね」) 「そうですね」 (それだけのみじかいかいわだった。) それだけの短い会話だった。 (けれど、ふしぎとそのことばはながくみみにのこった。) けれど、不思議とその言葉は長く耳に残った。 (としょかんをでると、そとはまだあめだった。) 図書館を出ると、外はまだ雨だった。 (はいいろのそら。) 灰色の空。 (ぬれたあすふぁると。) 濡れたアスファルト。 (がいとうのひかりが、みずたまりにゆれている。) 街灯の光が、水たまりに揺れている。 (わたしはのきしたであまやどりをしながら、ぼんやりそらをみあげた。) 私は軒下で雨宿りをしながら、ぼんやり空を見上げた。 (するととなりに、あのじょせいがたっていた。) すると隣に、あの女性が立っていた。 (かのじょはそらをみたまま、ちいさくわらう。) 彼女は空を見たまま、小さく笑う。 (「あめのひって、むかしをおもいだしませんか」) 「雨の日って、昔を思い出しませんか」 (わたしはこたえにこまった。) 私は答えに困った。 (むかしといわれても、とくべつなきおくなどおもいうかばなかったからだ。) 昔と言われても、特別な記憶など思い浮かばなかったからだ。 (しかしかのじょは、ひとりごとのようにつづけた。) しかし彼女は、独り言のように続けた。 (「わすれたとおもっていたことが、きゅうにもどってくるんです」) 「忘れたと思っていたことが、急に戻ってくるんです」 (そのことばをきいたしゅんかん、わたしはふいにこどものころをおもいだした。) その言葉を聞いた瞬間、私はふいに子どものころを思い出した。 (あめのひ、ははにてをひかれてあるいたかえりみち。) 雨の日、母に手を引かれて歩いた帰り道。 (みずたまりをわざとふんでおこられたこと。) 水たまりをわざと踏んで怒られたこと。 (ぬれたかさのにおい。) 濡れた傘の匂い。 (ふだんはおもいだしもしないきおくだった。) 普段は思い出しもしない記憶だった。 (わたしはすこしだけわらった。) 私は少しだけ笑った。 (「たしかに、そうかもしれません」) 「たしかに、そうかもしれません」 (かのじょはあんしんしたようにうなずいた。) 彼女は安心したように頷いた。 (やがてあめがすこしよわくなる。) やがて雨が少し弱くなる。 (かのじょはかさをひらき、しずかにあるきだした。) 彼女は傘を開き、静かに歩き出した。 (すうほすすんだあと、ふとふりかえる。) 数歩進んだあと、ふと振り返る。 (「おもいでって、ふしぎですよね。) 「思い出って、不思議ですよね。 (なくなったわけじゃなくて、しずかにねむっているだけなのかもしれません」) なくなったわけじゃなくて、静かに眠っているだけなのかもしれません」 (そういって、かのじょはあめのむこうへきえていった。) そう言って、彼女は雨の向こうへ消えていった。 (わたしはしばらくそのばにたちつくしていた。) 私はしばらくその場に立ち尽くしていた。 (まちのおと。あめのにおい。とおくをはしるでんしゃのおと。) 街の音。雨の匂い。遠くを走る電車の音。 (せかいはなにもかわっていないはずなのに、) 世界は何も変わっていないはずなのに、 (なぜかすこしだけちがってみえた。) なぜか少しだけ違って見えた。 (わたしはゆっくりとそらをみあげる。) 私はゆっくりと空を見上げる。 (あめはまだふっていた。) 雨はまだ降っていた。 (けれどそのおとは、どこかやさしくきこえた。) けれどその音は、どこか優しく聞こえた。
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