長文練習27!
ストーリー系ですっ!
関連タイピング
-
プレイ回数167 長文かな1143打
-
まあ、長押しけっこうするから、頑張って!
プレイ回数11万 135打 -
初心者の方におすすめ
プレイ回数18万 331打 -
キャラ名を入力!
プレイ回数4950 短文515打 -
少子化系です!ちょっと難しめですっ!
プレイ回数343 長文かな996打 -
M!LKさんのアイドルパワーサビだけですっ!
プレイ回数817 歌詞かな197打 -
1%の人が1位だよー 1位の人は1%の人間
プレイ回数1.5万 127打 -
Mrs.GREEN APPLEさんの風と町サビだけですっ!
プレイ回数880 歌詞かな180打
問題文
ふりがな非表示
ふりがな表示
(あめのひのとしょかんは、すこしだけじかんのながれがおそい。)
雨の日の図書館は、少しだけ時間の流れが遅い。
(まどをうつあまおとも、ぺーじをめくるおとも、すべてがとおくきこえる。)
窓を打つ雨音も、ページをめくる音も、すべてが遠く聞こえる。
(わたしはそんなしずけさがすきだった。)
私はそんな静けさが好きだった。
(がっこうがおわると、きまってえきまえのとしょかんへむかう。)
学校が終わると、決まって駅前の図書館へ向かう。
(とくべつにほんがすきだったわけではない。)
特別に本が好きだったわけではない。
(ただ、そこにいるとこころがおちついた。)
ただ、そこにいると心が落ち着いた。
(そのひも、わたしはいつものおくのせきにすわっていた。)
その日も、私はいつもの奥の席に座っていた。
(ふるいきのつくえにはこまかなきずがいくつものこっている。)
古い木の机には細かな傷がいくつも残っている。
(だれかがながいじかんをここですごしてきたあかしのようだった。)
誰かが長い時間をここで過ごしてきた証のようだった。
(しばらくほんをよんでいると、むかいのせきにひとりのじょせいがすわった。)
しばらく本を読んでいると、向かいの席に一人の女性が座った。
(ねんれいはにじゅうだいくらいだろうか。)
年齢は二十代くらいだろうか。
(ながいくろかみがすこしだけあめにぬれていた。)
長い黒髪が少しだけ雨に濡れていた。
(かのじょはしずかにぶんこぼんをひらき、そのままうごかなくなる。)
彼女は静かに文庫本を開き、そのまま動かなくなる。
(ぺーじをめくるすがたがみょうにきれいで、わたしはおもわずめをうばわれた。)
ページをめくる姿が妙にきれいで、私は思わず目を奪われた。
(そとではあめがつよくなっていた。)
外では雨が強くなっていた。
(としょかんのとけいが、ごごろくじをつげる。)
図書館の時計が、午後六時を告げる。
(へいかんがちかづき、ひとはすこしずつかえっていった。)
閉館が近づき、人は少しずつ帰っていった。
(けれどかのじょはせきをたたない。)
けれど彼女は席を立たない。
(わたしもなぜかかえるきになれず、そのままほんをよみつづけていた。)
私もなぜか帰る気になれず、そのまま本を読み続けていた。
(やがてへいかんのほうそうがながれる。)
やがて閉館の放送が流れる。
など
(わたしはほんをとじ、たちあがろうとした。)
私は本を閉じ、立ち上がろうとした。
(そのとき、ふいにかのじょがこちらをみた。)
そのとき、不意に彼女がこちらを見た。
(「あめ、やみませんね」)
「雨、やみませんね」
(しずかなこえだった。)
静かな声だった。
(わたしはすこしおどろきながらうなずく。)
私は少し驚きながら頷く。
(「そうですね」)
「そうですね」
(それだけのみじかいかいわだった。)
それだけの短い会話だった。
(けれど、ふしぎとそのことばはながくみみにのこった。)
けれど、不思議とその言葉は長く耳に残った。
(としょかんをでると、そとはまだあめだった。)
図書館を出ると、外はまだ雨だった。
(はいいろのそら。)
灰色の空。
(ぬれたあすふぁると。)
濡れたアスファルト。
(がいとうのひかりが、みずたまりにゆれている。)
街灯の光が、水たまりに揺れている。
(わたしはのきしたであまやどりをしながら、ぼんやりそらをみあげた。)
私は軒下で雨宿りをしながら、ぼんやり空を見上げた。
(するととなりに、あのじょせいがたっていた。)
すると隣に、あの女性が立っていた。
(かのじょはそらをみたまま、ちいさくわらう。)
彼女は空を見たまま、小さく笑う。
(「あめのひって、むかしをおもいだしませんか」)
「雨の日って、昔を思い出しませんか」
(わたしはこたえにこまった。)
私は答えに困った。
(むかしといわれても、とくべつなきおくなどおもいうかばなかったからだ。)
昔と言われても、特別な記憶など思い浮かばなかったからだ。
(しかしかのじょは、ひとりごとのようにつづけた。)
しかし彼女は、独り言のように続けた。
(「わすれたとおもっていたことが、きゅうにもどってくるんです」)
「忘れたと思っていたことが、急に戻ってくるんです」
(そのことばをきいたしゅんかん、わたしはふいにこどものころをおもいだした。)
その言葉を聞いた瞬間、私はふいに子どものころを思い出した。
(あめのひ、ははにてをひかれてあるいたかえりみち。)
雨の日、母に手を引かれて歩いた帰り道。
(みずたまりをわざとふんでおこられたこと。)
水たまりをわざと踏んで怒られたこと。
(ぬれたかさのにおい。)
濡れた傘の匂い。
(ふだんはおもいだしもしないきおくだった。)
普段は思い出しもしない記憶だった。
(わたしはすこしだけわらった。)
私は少しだけ笑った。
(「たしかに、そうかもしれません」)
「たしかに、そうかもしれません」
(かのじょはあんしんしたようにうなずいた。)
彼女は安心したように頷いた。
(やがてあめがすこしよわくなる。)
やがて雨が少し弱くなる。
(かのじょはかさをひらき、しずかにあるきだした。)
彼女は傘を開き、静かに歩き出した。
(すうほすすんだあと、ふとふりかえる。)
数歩進んだあと、ふと振り返る。
(「おもいでって、ふしぎですよね。)
「思い出って、不思議ですよね。
(なくなったわけじゃなくて、しずかにねむっているだけなのかもしれません」)
なくなったわけじゃなくて、静かに眠っているだけなのかもしれません」
(そういって、かのじょはあめのむこうへきえていった。)
そう言って、彼女は雨の向こうへ消えていった。
(わたしはしばらくそのばにたちつくしていた。)
私はしばらくその場に立ち尽くしていた。
(まちのおと。あめのにおい。とおくをはしるでんしゃのおと。)
街の音。雨の匂い。遠くを走る電車の音。
(せかいはなにもかわっていないはずなのに、)
世界は何も変わっていないはずなのに、
(なぜかすこしだけちがってみえた。)
なぜか少しだけ違って見えた。
(わたしはゆっくりとそらをみあげる。)
私はゆっくりと空を見上げる。
(あめはまだふっていた。)
雨はまだ降っていた。
(けれどそのおとは、どこかやさしくきこえた。)
けれどその音は、どこか優しく聞こえた。