心霊写真 -40-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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1 berry 7801 7.9 98.6% 338.4 2676 36 59 2026/08/12
2 HAKU 7657 7.8 97.5% 347.0 2725 68 59 2026/08/12

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問題文

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(「ひーちゃん、だっけ。なつお、みえるか」) 「ひーちゃん、だっけ。夏雄、見えるか」 (とわれたなつおも、くびをさゆうにふる。) 問われた夏雄も、首を左右に振る。 (あきちゃんには、むすうにみえるれいのなかでも) アキちゃんには、無数に見える例の中でも (ひーちゃんというなかのよいともだちがいるそうだ。) ひーちゃんという中の良い友達がいるそうだ。 (もっともほんにんは、にんげんとれいとをあまりくべつしていないようだったが。) もっとも本人は、人間と霊とをあまり区別していないようだったが。 (そのひーちゃんはなつおにも、ししょうにもみえないので) そのひーちゃんは夏雄にも、師匠にも見えないので (そうとうそんざいのきはくなれいのはずだが、さっきのように) 相当存在の希薄な霊のはずだが、さっきのように (げんじつにぶっしつてきなえいきょうをおよぼすことがあるのでふしぎなのだそうだ。) 現実に物質的な影響を及ぼすことがあるので不思議なのだそうだ。 (そんなことができるちからのつよいれいなら、) そんなことが出来る力の強い霊なら、 (すくなくともししょうにはみえてしかるべきなのに。) 少なくとも師匠には見えてしかるべきなのに。 (「あー、まあいいや。) 「あー、まあいいや。 (ひーちゃんに、きょうはもういたずらしちゃだめだっていっといて」) ひーちゃんに、今日はもうイタズラしちゃだめだって言っといて」 (あきちゃんはうなずいて、かおをよこにむけてなにごとかささやいた。) アキちゃんは頷いて、顔を横に向けて何ごとか囁いた。 (ついさっき、あれほどししょうをきらっているようなたいどをとっていたのに、) ついさっき、あれほど師匠を嫌っているような態度を取っていたのに、 (いまはやけにすなおだ。) 今はやけに素直だ。 (あとからきいたのだが、ぼくというしらないにんげんがいっしょにやってきていたので、) 後から聞いたのだが、僕という知らない人間が一緒にやって来ていたので、 (こうふんしていたらしい。) 興奮していたらしい。 (ふだんししょうだけできたときはほとんどしゃべってくれないこともあるのだそうだ。) 普段師匠だけで来た時はほとんど喋ってくれないこともあるのだそうだ。 (「さて、ほんだいだ」) 「さて、本題だ」 (ししょうはそんなあきちゃんのようすをうかがいながら、) 師匠はそんなアキちゃんの様子を伺いながら、
など
(りゅっくさっくからふうとうをとりだした。) リュックサックから封筒を取り出した。 (そしてなかにはいっていたごまいのしゃしんをてーぶるのうえにならべる。) そして中に入っていた五枚の写真をテーブルの上に並べる。 (たむらにおしつけられたいちまいと、まつうらからおしつけられたよんまい。) 田村に押し付けられた一枚と、松浦から押し付けられた四枚。 (いずれも、すうじかんまえにしゃしんのせんもんかから) いずれも、数時間前に写真の専門家から (しんれいしゃしんではないというけつろんをくだされたしゃしんだった。) 心霊写真ではないという結論を下された写真だった。 (なつおとあきちゃんがふたりしてみをのりだすようにしゃしんをながめる。) 夏雄とアキちゃんが二人して身を乗り出すように写真を眺める。 (「ええと、これはですね」) 「ええと、これはですね」 (しせんでせつめいをもとめられているのに、) 視線で説明を求められているのに、 (なにもしゃべろうとしないししょうにかわってぼくがくちをひらきかける。) 何も喋ろうとしない師匠に代わって僕が口を開きかける。 (しかし、こづかれてそれをとめられた。) しかし、小突かれてそれを止められた。 (「こまかいことはいいよ」) 「細かいことはいいよ」 (ししょうがそういうと、なつおもうなずいた。) 師匠がそう言うと、夏雄も頷いた。 (「ああ。こっちもくだらねえこときいて、むだにかかわりたくねえ」) 「ああ。こっちもくだらねえこと聞いて、無駄に関わりたくねえ」 (「そういうとおもったよ。あきちゃん。たのみがあるんだ。) 「そう言うと思ったよ。アキちゃん。頼みがあるんだ。 (あれやってくれないかな。あれ」) あれやってくれないかな。あれ」 (ししょうはそういって、みぎてをしゃしんのうえにかざし、なでるようなしぐさをみせた。) 師匠はそう言って、右手を写真の上にかざし、撫でるような仕草を見せた。 (あきちゃんはししょうとしゃしんをこうごにみたあとで、なつおのかおをうかがう。) アキちゃんは師匠と写真を交互に見た後で、夏生の顔を伺う。 (「おい。あれはあとからつかれがでるんだよ。かんたんにいうな」) 「おい。あれは後から疲れが出るんだよ。簡単に言うな」 (なつおがつよいくちょうでそういうと、ししょうはかおのまえでりょうてをすりあわせる。) 夏雄が強い口調でそう言うと、師匠は顔の前で両手を擦り合わせる。 (「ごまいだけ。ごまいだけだから。な、あきちゃん」) 「五枚だけ。五枚だけだから。な、アキちゃん」 (そうふられて、あきちゃんはしんちょうにうなずいた。) そう振られて、アキちゃんは慎重に頷いた。 (なつおはしたうちをしたあと、きびしいかおをして、「ほんとうにだいじょうぶか」といもうとにたずねる。) 夏雄は舌打ちをした後、厳しい顔をして、「本当に大丈夫か」と妹に訊ねる。 (「さいきん、げんきだし」) 「最近、元気だし」 (くろかみのしょうじょはにっこりわらってそういった。) 黒髪の少女はにっこり笑ってそう言った。 (そうしてちらりとぼくのほうをみて、てれたようなひょうじょうをうかべる。) そうしてちらりと僕の方を見て、照れたような表情を浮かべる。 (なにをするのだろう。) なにをするのだろう。 (ぼくはきょうみしんしんで、めのまえのてんかいをみまもった。) 僕は興味津々で、目の前の展開を見守った。 (なつおはたちあがり、まどのあまどをしめはじめた。) 夏雄は立ち上がり、窓の雨戸を締め始めた。 (ししょうはたんすのうえにあったろうそくをもってきて、まっちでひをつける。) 師匠は箪笥の上にあった蝋燭を持って来て、マッチで火をつける。 (そとのあかりをしめだして、へやのでんきをけすと、ろうそくのひかりがおおきくなった。) 外の明かりを閉め出して、部屋の電気を消すと、蝋燭の光が大きくなった。 (おもそうなしょくだいにろうそくをさし、それをてーぶるのまんなかにいどうさせる。) 重そうな燭台に蝋燭を刺し、それをテーブルの真ん中に移動させる。 (ふすまからかすかなすきまかぜにひがあおられて、) 襖から微かなすきま風に火が煽られて、 (てらされているしゃしんたちがまたたくようにゆれる。) 照らされている写真たちが瞬くように揺れる。 (なんだかぞくぞくしてきた。) なんだかゾクゾクしてきた。 (ごくふつうのしゃしんでも、こんなふうなしちゅえーしょんでみせられたら、) ごく普通の写真でも、こんな風なシチュエーションで見せられたら、 (なんともいえずぶきみなかんじになるだろう。) なんとも言えず不気味な感じになるだろう。 (「じゃあそっちのはしから」) 「じゃあそっちの端から」 (ちょうど「しゃしんや」にみせたときのじゅんに、しゃしんはならべられている。) ちょうど「写真屋」に見せた時の順に、写真は並べられている。 (ししょうのことばにあきちゃんはうなずき、すこしきんちょうぎみにみぎてをしゃしんのうえにかざした。) 師匠の言葉にアキちゃんは頷き、少し緊張気味に右手を写真の上にかざした。
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