死滅回遊 -1-

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プレイ回数127難易度(4.2) 2843打 長文 長文モードのみ
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
cicciさんのアカウント
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全部手打ちのため、読みなどによく間違いがあります。いつも修正ありがとうございます。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8031 8.1 99.1% 345.4 2799 25 62 2026/09/05
2 HAKU 7555 7.6 98.4% 369.8 2840 46 62 2026/09/07
3 kaa 6729 S+ 7.1 94.0% 396.3 2846 179 62 2026/09/04
4 りく 6532 S+ 6.7 97.0% 427.7 2882 88 62 2026/09/09
5 Jyo 6084 A++ 6.2 97.3% 447.5 2800 77 62 2026/09/07

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問題文

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(ししょうからきいたはなしだ。) 師匠から聞いた話だ。 (だいがくにかいせいのはるのことだった。) 大学二回生の春のことだった。 (ぼくはおかるとどうのししょうからたのまれて、げんぞうされたしゃしんをうけとりにいった。) 僕はオカルト道の師匠から頼まれて、現像された写真を受け取りに行った。 (てんぽにではない。ふつうのまんしょんのいっしつにだ。) 店舗にではない。普通のマンションの一室にだ。 (ひょうさつもないそのへやのどあをのっくすると、しばらくしてなかからへんとうがあった。) 表札もないその部屋のドアをノックすると、しばらくして中から返答があった。 (「なんだ」) 「なんだ」 (わずかにひらいたどあのすきまからちぇーんごしに、いんきなひまんおとこのめがのぞく。) わずかに開いたドアの隙間からチェーン越しに、陰気な肥満男の目が覗く。 (「しゃしんや」とよばれるおとこだった。) 「写真屋」と呼ばれる男だった。 (ししょうからのことづてをつげると、めんどくさそうにいちどどあをしめ、) 師匠からのことづてを告げると、めんどくさそうに一度ドアを閉め、 (またひらいたときにはかみぶくろをもっていた。) また開いた時には紙袋を持っていた。 (「ん」というので、うけとる。) 「ん」と言うので、受け取る。 (じつにつめたいたいどだった。ししょうといっしょにたずねてきたときとはずいぶんちがう。) 実に冷たい態度だった。師匠と一緒に訊ねて来た時とは随分違う。 (いつもししょうにたいしてにくまれぐちをたたいているが、) いつも師匠に対して憎まれ口を叩いているが、 (たずねてきてくれたことじたいはうれしそうだった。) 訊ねて来てくれたこと自体は嬉しそうだった。 (けっきょくのところししょうがすきなのだろう。) 結局のところ師匠が好きなのだろう。 (どういうゆがんだ「すき」なのかはしりたくもないが。) どういう歪んだ「好き」なのかは知りたくもないが。 (「かね」といってのばされた、えいようかじょうないもむしのようなゆびをみつめて、) 「カネ」と言って伸ばされた、栄養過剰な芋虫のような指を見つめて、 (ぼくはよういしてあったせりふをはく。) 僕は用意してあったセリフを吐く。 (「はらわなくていいときいてます」) 「払わなくていいと聞いてます」 (すると「しゃしんや」はむごんでうでをのばし、かみぶくろをうばいかえそうとする。) すると「写真屋」は無言で腕を伸ばし、紙袋を奪い返そうとする。
など
(ぼくはかみぶくろをせなかがわにまわして、それをふせぐ。) 僕は紙袋を背中側に回して、それを防ぐ。 (ちぇーんをがいそうとした「しゃしんや」に、) チェーンを外そうとした「写真屋」に、 (ぽけっとからとりだしたてぃっしゅぺーぱーをつきつける。) ポケットから取り出したティッシュペーパーを突きつける。 (「なんだこれは」) 「なんだこれは」 (てぃっしゅぺーぱーからはおかしのこながぱらぱらとおちている。) ティッシュペーパーからはお菓子の粉がパラパラと落ちている。 (「すこーんだそうです。かなこさんのてづくりの」) 「スコーンだそうです。加奈子さんの手作りの」 (それをきくと、「しゃしんや」は「ふん」といっててぃっしゅぺーぱーに) それを聞くと、「写真屋」は「ふん」と言ってティッシュペーパーに (つつまれたものをうけとり、なにもいわずにどあをしめた。) 包まれたものを受け取り、何も言わずにドアを閉めた。 (ししょうはこのところ、しゃしんにこっているのだ。) 師匠はこのところ、写真に凝っているのだ。 (さつえいによくつきあわされるぼくは、なにがうつっているのかしっているのだが、) 撮影に良く付き合わされる僕は、何が写っているのか知っているのだが、 (わざわざあのあんぐらしゃかいごようたしの「しゃしんや」にげんぞうされたという) わざわざあのアングラ社会ご用達の「写真屋」に現像されたという (じじつとのあいだのぎゃっぷに、へんなきぶんになるのだった。) 事実との間のギャップに、変な気分になるのだった。 (もっとも、ししょうはただあの「しゃしんや」をただでしゃしんをげんぞうしてくれるべんりなひと、) もっとも、師匠はただあの「写真屋」をタダで写真を現像してくれる便利な人、 (ていどにしかおもっていないのにちがいないのだが。) 程度にしか思っていないのに違いないのだが。 (ししょうのへやのまえにつくと、ししょうはげんかんのまえにかがんで、) 師匠の部屋の前に着くと、師匠は玄関の前に屈んで、 (のらねこののどをなでていた。) 野良猫の喉を撫でていた。 (「のどがなってはいくさはできぬ。のどがなってはいくさはできぬ」) 「喉が鳴ってはいくさはできぬ。喉が鳴ってはいくさはできぬ」 (そんなことをいいながら。) そんなことを言いながら。 (「お、ごくろう」) 「お、ご苦労」 (ししょうはかおをあげ、へやのなかにはいる。) 師匠は顔を上げ、部屋の中に入る。 (それからかみぶくろからたいりょうのしゃしんをとりだし、ふたりでへやちゅうにひろげた。) それから紙袋から大量の写真を取り出し、二人で部屋中に広げた。 (「これいいな」) 「これいいな」 (ししょうがゆびさしたのは、こうさてんのほこうしゃようのはくせんのうえに) 師匠が指さしたのは、交差点の歩行者用の白線の上に (はんばーがーがおかれていて、そこにむかいのびるのおくじょうごしに) ハンバーガーが置かれていて、そこに向かいのビルの屋上越しに (ゆうひがさしこんでいるしゃしんだった。) 夕日が差し込んでいる写真だった。 (「はあ」) 「はあ」 (「はんのうのうすいぼくをしりめに、ししょうはうれしそうにそのしゃしんをてにとり、) 「反応の薄い僕を尻目に、師匠は嬉しそうにその写真を手に取り、 (うなずきながらじっくりとみつめている。) 頷きながらじっくりと見つめている。 (「こっちもすてがたい」) 「こっちも捨てがたい」 (つぎにてにしたしゃしんも、やはりはんばーがーがふぃーちゃーされたしゃしんだった。) 次に手にした写真も、やはりハンバーガーがフィーチャーされた写真だった。 (さんぱつや(びよういんではなく)でかみをきるししょうのよこ、) 散髪屋(美容院ではなく)で髪を切る師匠の横、 (どらいやーがいくつかおいてあるだいのうえのはんばーがーがひとつまざっている。) ドライヤーがいくつか置いてある台の上のハンバーガーが一つ混ざっている。 (ぜんぶこんなちょうしなのだ。) 全部こんな調子なのだ。 (「ばーがーのあるふうけい」) 「バーガーのある風景」 (ししょうはこのこんせぷとで、ひたすらはんばーがーにちじょうせいかつのいちぶに) 師匠はこのコンセプトで、ひたすらハンバーガー日常生活の一部に (とけこんでいるしゃしんをとりまくっていた。) 溶け込んでいる写真を撮りまくっていた。 (しょうじきいったいどこがよいのかわからない。) 正直いったいどこが良いのか分からない。 (たしかにぱっとみ、おもしろいしゃしんではあるが、しょせんいっぱつねたであり、) 確かにぱっと見、面白い写真ではあるが、しょせん一発ネタであり、 (それをくりかえしとりつづけるというのは、よほどほんにんがきにいっているのだろう。) それを繰り返し撮り続けるというのは、よほど本人が気に入っているのだろう。 (さつえいにじかんがかかり、はみでたれたすがしなびてくると、) 撮影に時間が掛かり、はみ出たレタスがしなびてくると、 (つぎのばーがーにかえるのだが、もちろんふるいほうをはいきしょぶんなどするわけはない。) 次のバーガーに替えるのだが、もちろん古い方を廃棄処分などするわけはない。 (つちやほこりをはらってたべるのだ。てわけして。) 土や埃を払って食べるのだ。手分けして。
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