中国と日本～アジアの明日

(わたしたちうまれたくにはちがうけれど きょうからふたりはきょうだい)

私達　生まれた国は違うけれど 今日から二人は姉妹

(ゆうりんあなたはわたしのいいなずけ だからきょうからこうらんはあなたのいもうとでもあるのよ)

玉林　あなたは私の許嫁 だから今日から香蘭は貴方の妹でもあるのよ

(それにすぎもとさんはわたしのだいすきなひとおにいさん)

それに杉本さんは私の大好きな人　お兄さん

(よにんのこころとふたつのくにの くろいかみくろいひとみわたしたちはきょうだい)

四人の心と　二つの国の 黒い髪　黒い瞳　私達は兄弟

(ちゅうごくとにほんにほんとちゅうごく あじあのあすはわたしたちふたつのくにがにぎる)

中国と日本　日本と中国 アジアの明日は私達　二つの国が握る

(せいようのていこくしゅぎしゃどものてをしりぞけ にっぽんがちゅうごくとむすびまもりあじあをみちびく)

西洋の帝国主義者共の手を退け 日本が中国と結び　守り　アジアを導く

(すぎもとさん いつもいうようにそれがにほんじんのおもいあがりです)

杉本さん いつも言うようにそれが日本人の思い上がりです

(なぜにほんはあじあのみんぞくをしはいしたがるのですか)

なぜ日本はアジアの民族を支配したがるのですか

(しはいそれはちがう にっぽんはあじあのみんぞくにたりなかったものをおぎなおうとしている)

支配　それは違う 日本はアジアの民族に足りなかったものを補おうとしている

(にっぽんはめいじいしんいごのきんだいかによってたくわえてきた)

日本は明治維新以後の近代化によって蓄えてきた

(ちからやぎじゅつをあじあのはんえいのためにささげるけついだ)

力や技術をアジアの繁栄のために捧げる決意だ

(にほんがわれわれのせわをやくということですか)

日本が我々の世話を焼くということですか

(それがいまひつようなのだ)

それが今必要なのだ

(このちゅうごくとうほくぶのさんしょう こくりゅうこうしょうきつりんしょうほうてんしょうには)

この中国東北部の三省 黒龍江省　吉林省　奉天省には

(まんしゅうぞくもうこぞくかんみんぞくちょうせんみんぞくのひとびとがすむ ここにわれわれにっぽんじんがくわわり)

満州族　蒙古族　漢民族　朝鮮民族の人々が住む ここに我々日本人が加わり

(いつつのみんぞくがてをたずさえゆたかなくにをつくる これがりそうなのだ)

五つの民族が手を携え　豊かな国を作る これが理想なのだ

(とくにわれわれはまんしゅうともうこ このまんもうのとちのみらいにおおくのゆめをいだいている)

特に我々は満州と蒙古 この満蒙の土地の未来に多くの夢を抱いている

(にっぽんのどりょくによってこのとちのしげんをよみがえらせる)

日本の努力によってこの土地の資源を蘇らせる

(きみのようににっぽんのたましいをりかいしてくれる ゆうじんにはこのきもちがわかるはずだ)

君のように日本の魂を理解してくれる 友人にはこの気持ちが分かるはずだ

(われわれはまずしくともこのちでしあわせにくらしている これでじゅうぶんです)

我々は貧しくともこの地で幸せに暮らしている これで充分です

(とおくからにほんじんがやってきてくちだしするのはめいわくしごく)

遠くから日本人がやってきて口出しするのは迷惑至極

(それにいまにほんのかいたくのうみんはわれわれのとちをうばいつつある)

それに今　日本の開拓農民は我々の土地を奪いつつある

(わたしはさいきんだんだん にほんじんのかんがえていることがわからなくなってきました)

私は最近だんだん 日本人の考えていることが分からなくなってきました

(ゆうりんくんにっぽんじんのぜんいをうたがうな このちゅうごくとうほくぶをみのりあるゆたかなとちにかえよう)

玉林君日本人の善意を疑うな この中国東北部を実りある豊かな土地に変えよう

(あれくるうかわをおさめのうぎょうをしんこうさせる はつでんしょをつくりこうぎょうをおこし)

荒れ狂う河を治め農業を振興させる 発電所を作り工業を起こし

(きょういくをじゅうじつさせほうりつをせいびする ごぞくきょうわしここまんしゅうにおうどうらくどをつくろう)

教育を充実させ法律を整備する 五属協和しここ満州に王道楽土をつくろう

(ともにきずこうごぞくきょうわあじあのあす)

共に築こう五属協和　アジアの明日