先生の怖い話「赤い影」

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投稿者投稿者ななっしーいいね3お気に入り登録
プレイ回数1734難易度(5.0) 2654打 長文

問題文

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(しごとがら、いえにつくのはしんや、ふろにはいるのもとうぜんまよなかになる。)

仕事柄、家に着くのは深夜、風呂に入るのも当然真夜中になる。

(ぼくはじたくのいっかい、ふろにつづくろうかをあるいていた。)

僕は自宅の一階、風呂に続く廊下を歩いていた。

(するととつぜん、げんかんをどん!どん!とにど、つよくたたかれたおとにぼくはきもをひやした。)

すると突然、玄関をドン!ドン!と二度、強く叩かれた音に僕は肝を冷やした。

(きがえをろうかにおとし、げんかんのほうをみたままぼくのじかんがとまる。)

着替えを廊下に落とし、玄関の方を見たまま僕の時間が止まる。

(・・・なんだ?なにがおこった?)

・・・なんだ?何が起こった?

(しんや、まよなか、よっぱらい?どろぼう?あまりのおどろきにぼくのあたまはこんらんした。)

深夜、真夜中、酔っ払い?泥棒?あまりの驚きに僕の頭は混乱した。

(とりあえずおちつくために、ぼくはだいどころにむかいのみものをくちにした。)

とりあえず落ち着く為に、僕は台所に向かい飲み物を口にした。

(れいせいにかんがえて、どろぼうならわざわざおとをたてないだろう。)

冷静に考えて、泥棒ならわざわざ音を立てないだろう。

(よっぱらいのかのうせいがたかいかな・・・。へんしつしゃもあるかも・・・。)

酔っ払いの可能性が高いかな・・・。変質者もあるかも・・・。

(だが、もうおとがきこえないということは、いってしまったのだろう・・・。)

だが、もう音が聞こえないということは、行ってしまったのだろう・・・。

(となっとくしてふたたびふろにはいることにした。)

と納得して再び風呂に入ることにした。

(さきほどおとしてしまっていたきがえをひろっているとまた)

先程落としてしまっていた着替えを拾っているとまた

(どん!とこんどはいちど、げんかんがなった。)

ドン!と今度は一度、玄関が鳴った。

(にどもおどろかされたぼくは、こんどははらがたって)

二度も驚かされた僕は、今度は腹が立って

(ちょくせつもんくをいってやろうといきようようとげんかんにむかった。)

直接文句を言ってやろうと意気揚々と玄関に向かった。

(げんかんわきにおかれているばっとをにぎり、げんかんをあけていえのまえにでた。)

玄関脇に置かれているバットを握り、玄関を開けて家の前に出た。

(とりあえずひとかげはみえなかった。)

とりあえず人影は見えなかった。

(ひだりをむくとだれかがみちをまがったようなかげがみえた。)

左を向くと誰かが道を曲がったような影が見えた。

(ぼくはおいかけた。とりあえずどんなやつかかくにんだけはしておきたくて・・・。)

僕は追いかけた。とりあえずどんな奴か確認だけはしておきたくて・・・。

(かげがまがったほうのみちをみた・・・が、なにもかくにんできなかった。)

影が曲がった方の道を見た・・・が、何も確認できなかった。

など

(ながめのいっぽんみちなのに、でんしんばしらしかみえなかった。)

長めの一本道なのに、電信柱しか見えなかった。

(と、そのでんしんばしらのわきになにかがみえた。ばっとをもつてにちからがはいる。)

と、その電信柱の脇に何かが見えた。バットを持つ手に力が入る。

(ゆっくりそれにちかづくと、そのなにかもゆっくりとぼくからとおざかった。)

ゆっくりそれに近づくと、その何かもゆっくりと僕から遠ざかった。

(・・・やっぱりこいつか!とおもったがなにかおかしい。)

・・・やっぱりこいつか!と思ったが何かおかしい。

(そのかげはちいさくて、しょうがっこうていがくねんほどのこどもぐらいのおおきさにみえた。)

その影は小さくて、小学校低学年ほどの子供ぐらいの大きさに見えた。

(それがゆっくりとおともなくはなれていく。)

それがゆっくりと音もなく離れていく。

(きょり20めーとるはあっただろうからみまちがいかもしれないが、)

距離20メートルはあっただろうから見間違いかもしれないが、

(ぼくのあたまとせなかはきゅうそくにひえきった・・・。)

僕の頭と背中は急速に冷え切った・・・。

(あ、これ・・・まずいやつかも・・・。ぼくのあしはとまった。)

あ、これ・・・マズいヤツかも・・・。僕の足は止まった。

(するとすべるようにぼくからはなれてうごいていたそのかげもとまった。)

すると滑るように僕から離れて動いていたその影も止まった。

(いっていのきょりはかわらない。ぼくはきびすをかえしていえにもどりはじめた。)

一定の距離は変わらない。僕は踵を返して家に戻り始めた。

(とちゅう、ふりかえるとそのかげはちかくのでんしんばしらのわきにいた。)

途中、振り返るとその影は近くの電信柱の脇にいた。

(・・・おいかけてくる!)

・・・追いかけてくる!

(ぼくははしりはじめた。さいわいいえからはそれほどはなれてはいなかったので、)

僕は走り始めた。幸い家からはそれほど離れてはいなかったので、

(ぶじにいえにたどりつき、うしろででげんかんをしめた。)

無事に家にたどり着き、後ろ手で玄関を閉めた。

(そのしゅんかん、とびらがまたどん!となった。)

その瞬間、扉がまたドン!と鳴った。

(ふりかえると、そこにはすりがらすごしにまっかなかげがあった。)

振り返ると、そこにはすりガラス越しに真っ赤な影があった。

(そいつはじょしといれのまーくとひょうげんするのがちかいとおもう。)

そいつは女子トイレのマークと表現するのが近いと思う。

(ぼくはおどろいてうしろにとびのいた。)

僕は驚いて後ろに飛び退いた。

(またどん!どうやらこいつはげんかんのとびらにたいあたりしているらしい。)

またドン!どうやらこいつは玄関の扉に体当たりしているらしい。

(ぶきみなのはうごきかただ。ぶつかってきているのにかたちはいっていのまま・・・、)

不気味なのは動き方だ。ぶつかってきているのに形は一定のまま・・・、

(ひょうげんがむずかしいのだが、ふくまでぷらすちっくでつくられたにんぎょうが)

表現が難しいのだが、服までプラスチックで作られた人形が

(むぞうさにぶつかってきているような・・・。)

無造作にぶつかってきているような・・・。

(きっとだれしもがおもうことだろう・・・とびらがこわれたらどうしよう・・・と。)

きっと誰しもが思う事だろう・・・扉が壊れたらどうしよう・・・と。

(どんどんなるげんかんをしりめに、ぼくはじぶんのへやににげあがった。)

ドンドン鳴る玄関を尻目に、僕は自分の部屋に逃げ上がった。

(さいわいなことにぼくはそのままふとんでねむってしまったようだ。)

幸いなことに僕はそのまま布団で眠ってしまったようだ。

(めがさめたとき、ぼくはまたわるいゆめをみたとおもった。)

目が覚めた時、僕はまた悪い夢を見たと思った。

(しかしげんじつはそれがゆめではないことをぼくにつきつけてきた。)

しかし現実はそれが夢ではないことを僕に突き付けてきた。

(へやにころがるばっとと、いっかいのろうかにわすれさられていたきがえが・・・。)

部屋に転がるバットと、一階の廊下に忘れ去られていた着替えが・・・。

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