テールランプと金魚鉢

(ねえぼくのことをきみのこととおもうきみはどこにいるの)

ねえ 僕の事を　君の事と　想う君は　何処にいるの

(かんがえてもきりがないとおもうのがもうおもうつぼね)

考えても　キリがないと　思うのが　もう　思う壷ね

(てんめつとうわすれたまままがるあとをおえなかった)

点滅灯　忘れたまま　迂る後を　追えなかった

(こころなしかわかってたよもうそこにあいはないこと)

心做しか　解ってたよ　もうそこに　愛はないこと

(どうせなんどもきづけないことばかりだったから)

どうせ何度も　気付けないこと　ばかり　だったから

(どうせなんどもあどけないしぐさでさかたってる)

どうせ何度も　あどけない仕草　でさ　騙ってる

(どうせなんどもながせないうみをまぶたにとどめては)

どうせ何度も　流せない　膿を　瞼に　留めては

(どうせなんどもくるはずもないあのひをねまってたよ)

どうせ何度も　来るはずもない　あの日をね　待ってたよ

(ねえいつかのおけでおよいでいたあったかくてあかいいろも)

ねえ いつかの槽　で泳いでいた　温かくて　明い色も

(がらすごしじゃわからないよこどうはたしかにあるのにな)

硝子越しじゃ　解らないよ　鼓動は　確かに　あるのにな

(うみがもれてからになればぼくらはもういきもできない)

膿が漏れて　空になれば　僕らは　もう 呼吸も出来ない

(ただそこにはいろがあるだけつめたくしらんだわがみ)

ただそこには　色があるだけ　冷たく　白んだ無機物

(どうせなんどもたえきれないことばかりだったから)

どうせ何度も　耐え切れない　こと　ばかりだったから

(どうせなんどもあいたままのうつわだけみつめてるんだ)

どうせ何度も　空いたままの　器だけ　見つめてるんだ

(うたうたいのふかいばしょからのりついできたんだろな)

歌唄いの　深い場所から　乗り継いで　きたんだろな

(てばなしたらせんもあいそもくさりもおもりもねなくても)

手放した螺旋も　愛想も　鎖も　錘もね　無くても

(とおくにいけないぼくらはしたいになったってかわれない)

遠くに行けない　僕らは死体になったって　変われない

(もういいよなにもないから)

もういいよ　何もないから

(どうせなんどもきずつけてしまうことばかりだったから)

どうせ何度も　傷付けてしまう　こと　ばかりだったから

(どうせなんどもあどけないえがおでまたかたってる)

どうせ何度も　あどけない　笑顔で　また語ってる

(どうせさいごはままごとみたいなあいのひをそらんじるさ)

どうせ最期は　ままごとみたいな　愛の日を　諳んじるさ

(どうせさいごはまぶたにうかんだふうけいにそっとふたをするよ)

どうせ最期は　瞼に浮かんだ　風景に　そっと蓋をするよ