影踏み

(きづけばどれだけにげてきただろう)

気づけばどれだけ　逃げてきただろう

(ないなないな)

ないな　ないな

(もうみえやしないな)

もう見えやしないな

(きずつきそうになったらはしりだしてた)

傷つきそうになったら　走り出してた

(ないなないな)

ないな　ないな

(にげたかったんじゃないな)

逃げたかったんじゃないな

(ずるさもぶきようさも)

ずるさも不器用さも

(ぷらいどもじゅんすいなよわさも)

プライドも純粋な弱さも

(のぞかれたくないのにどこかで)

覗かれたくないのに　どこかで

(わかってほしくて)

わかってほしくて

(おいつけないんだそのせなかに)

追いつけないんだその背中に

(きみはとおくさきをいく)

君は遠く先を行く

(たりないところをみつけては)

足りないところを見つけては

(いつのまにまためをそらし)

いつの間にまた眼を逸らし

(はしりつづける)

走り続ける

(みにくいほんねでもいってしまえなんて)

醜い本音でも　言ってしまえなんて

(ないなないな)

ないな　ないな

(でもありなのかもな)

でもありなのかもな

(やさしさもおせじも)

やさしさもお世辞も

(おだてるのもしゃこうじれいも)

おだてるのも社交辞令も

(いつだってじょうぜつでいられるのに)

いつだって饒舌でいられるのに

(あたまのなかでは)

頭の中では

(おいつけないんだそのせなかに)

追いつけないんだ　その背中に

(きみはまぶしくひかる)

君は眩しく光る

(ひかげをえらんではしっても)

日陰を選んで　走っても

(おいつけるはずないとしっても・・・)

追いつけるはずないと知っても…

(そのうしろすがたをおいかけるうちにきづいた)

その後姿を追いかけるうちに気づいた

(きみはまるでさかさまのぼく)

きみはまるで逆さまの僕

(りそうのかげだって)

理想の影だって

(どこへいったんだそのせなかは)

どこへ行ったんだその背中は

(きみはきえてしまった)

君は消えてしまった

(ぼくはひとりきりたちどまる)

僕は一人きり　立ち止まる

(おいかけるものなくなって)

追いかけるものなくなって

(にげるばしょさえなくなって)

逃げる場所さえなくなって

(やっとあるきだす)

やっと歩き出す

(ここからとおくむこうへ．．．)

ここから遠く向こうへ...