垂直落下

(あなたはいうんだ)

あなたは言うんだ

(「ひとりでいたいんだ」)

「ひとりでいたいんだ」

(ばかみたいになきながら)

馬鹿みたいに泣きながら

(そういうんだ)

そう言うんだ

(ほうっておいたら)

放っておいたら

(こわれてしまうでしょう？)

壊れてしまうでしょう？

(あなたをいかすためだけに)

あなたを生かすためだけに

(わたしはいるんだよ)

私はいるんだよ

(ほうりなげられたひかりをつかんで)

放り投げられた光を掴んで

(あなたのしんぞうにもどすから)

あなたの心臓に戻すから

(ほしぼしのあいだをきようにもぬって)

星々の間を器用にも縫って

(まっすぐおちていかないで)

真っ直ぐ落ちていかないで

(はなびらをかさねて)

花びらを重ねて

(あなたをうけとめようとする)

あなたを受け止めようとする

(わたしのうではなんどもおれていたの)

私の腕は何度も折れていたの

(あなたのこころのもろいいとが)

あなたの心の脆い糸が

(みさんがだったらしあわせかな)

ミサンガだったら幸せかな

(あなたはいうんだ)

あなたは言うんだ

(「ふたりでいたいんだ」)

「二人でいたいんだ」

(ばかみたいになきながら)

馬鹿みたいに泣きながら

(そういうんだ)

そう言うんだ

(ほうっておいたら)

放っておいたら

(こわれてしまうだろう？)

壊れてしまうだろう？

(あなたをいかすためだけに)

あなたを生かすためだけに

(ぼくはいるんだよ)

僕はいるんだよ

(あつめそこなったひかりをひろって)

集め損なった光を拾って

(あなたのしんぞうにもどすから)

あなたの心臓に戻すから

(ほしぼしのあいだをきようにもぬって)

星々の間を器用にも縫って

(まっすぐおちてることにきづいて)

真っ直ぐ落ちてることに気付いて

(はなびらをよけて)

花びらを避けて

(あなたをひきよせようとする)

あなたを引き寄せようとする

(ぼくのからだはなんどもくだけている)

僕の身体は何度も砕けている

(あなたのこころのもろいいとは)

あなたの心の脆い糸は

(きれてもねがいなんてかなわない)

切れても願いなんて叶わない

(（おちていく）)

(落ちていく)

(のばすてはそらをつかむ)

伸ばす 手は 空を掴む

(（おちていく）)

(落ちていく)

(すくむあしはくうをける)

竦む 足は 空を蹴る

(（あなたはどこ）)

(あなたはどこ)

(こえはきこえてなにもみえない)

声は聞こえて 何も見えない

(たらされているいとにきづく)

垂らされている 糸に気づく

(「あなたがつかんで」)

「あなたが掴んで」

(わたし（ぼく）はおちる)

私(僕)は落ちる

(はなびらのすきまを)

花びらの隙間を

(ふたりはおちていく)

二人は落ちていく

(こころはなんどもくずれている)

心は何度も崩れている

(やっとつなげたてをはなすくらいなら)

やっと繋げた手を離すくらいなら

(ねがいなんてかなわなくてかまわない)

願いなんて叶わなくて構わない

(あなたがそこにいれば、ぼくらは)

あなたがそこに居れば、僕らは