雲になったら

(なかないでさきになくなんてずるいよ)

泣かないで　先に泣くなんてズルいよ

(かなしみははんぶんにわったはずでしょ)

悲しみは半分に割ったはずでしょ

(はじめからこんなひがやってくること)

はじめから　こんな日がやってくること

(なんとなくわかってたよ)

なんとなくわかってたよ

(いらないよごめんもありがとうも)

いらないよ　「ゴメン」も「ありがとう」も

(これいじょうりょうてにもちきれない)

これ以上両手に持ちきれない

(ひとつだけわがままがいえるなら)

ひとつだけわがままが言えるなら

(もういちどだきしめて)

もう一度　抱きしめて

(すぎたきせつにあなたをさがす)

過ぎた季節にあなたを探す

(もどらないじかんのかたすみで)

戻らない時間の片隅で

(わたしがいつかきえてなくなって)

私がいつか消えてなくなって

(このからだそらにかえるなら)

この体　空に還るなら

(ひかりをそっとすいこんで)

光をそっと吸い込んで

(しろいくもになりたい)

白い雲になりたい

(なつかしいかぜにふかれて)

懐かしい風に吹かれて

(こぼれたなみだのとおりあめが)

零れた涙の通り雨が

(あすふぁるとをぬらしたとき)

アスファルトを濡らしたとき

(おもいだしてくれますか)

思い出してくれますか

(あまやどりくちびるかさねあった)

雨宿り　唇重ね合った

(このせかいがふたりのものにみえた)

この世界が二人のものに見えた

(ごふんだけえいえんをゆめみる)

五分だけ永遠を夢見る

(それくらいゆるしてね)

それくらい許してね

(あなたはきっときづいていたでしょ)

あなたはきっと気づいていたでしょ

(あまつぶみたいなひとしずく)

雨粒みたいなひと雫

(わたしはいつもつよがってばかりで)

私はいつもつよがってばかりで

(でもそれはぜんぶみぬかれてて)

でもそれは全部見抜かれてて

(あなたはそっとわらいながら)

あなたはそっと笑いながら

(やさしくてをにぎってくれた)

優しく手を握ってくれた

(つないだてがほどけてく)

つないだ手がほどけてく

(きりのようににじのように)

霧のように　虹のように

(もういちどもういちど)

もう一度　もう一度

(あのひにかえりたい)

あの日に帰りたい

(わたしがいつかきえてなくなって)

私がいつか消えてなくなって

(このからだそらにかえるなら)

この体　空に還るなら

(ひかりをそっとすいこんで)

光をそっと吸い込んで

(しろいくもになりたい)

白い雲になりたい

(ゆくあてもなくかぜにのって)

行くあてもなく風にのって

(なんじゅうねんさまよいつづけて)

何十年　さまよい続けて

(あなたにたどりついたとき)

あなたにたどり着いたとき

(おもいだしてくれますか)

思い出してくれますか

(そのひがきたら)

その日がきたら

(またすきになっていいですか)

また好きになっていいですか