メーベル

(わらえないわ)

笑えないわ

(「ふこうになった」って)

「不幸になった」って

(どのくちがいうのだろう)

どの口が言うのだろう

(もうなんかいごまかしている)

もう何回誤魔化している

(そのゆびであそんでる)

その指で遊んでる

(ふざけないで)

ふざけないで

(ひがいしゃぶったって)

被害者ぶったって

(なにもかわりはしないのに)

何も変わりはしないのに

(こうやってよるはふけてく)

こうやって夜は更けてく

(おやすみ)

おやすみ

(だから)

だから

(あいたいになるのはよがあけてから)

相対になるのは夜が明けてから

(ほらね)

ほらね

(きょうはねむるのさ)

今日は眠るのさ

(そして)

そして

(こんなことばにいみなどはないから)

こんな言葉に意味などはないから

(きにしないでめをとじて)

気にしないで目を閉じて

(きずがついてかわっていったていどのものというのでしょう)

傷が付いて変わっていった程度のものと言うのでしょう

(もうなんかいくりかえしている)

もう何回繰り返している

(そのむねでねむってる)

その胸で眠ってる

(ふいにはいた)

不意に吐いた

(「きらいじゃないよ」って)

「嫌いじゃないよ」って

(そのことばでゆれるのに)

その言葉で揺れるのに

(そうやってめをふせるのはなぜ)

そうやって目を伏せるのは何故

(あいまいになるのはうそにおびえるから)

曖昧になるのは嘘に怯えるから

(またね)

またね

(とおくひがゆれる)

遠く灯が揺れる

(ここで)

ここで

(あいじょうをとうにはあまりにおそいから)

愛情を問うにはあまりに遅いから

(きかなかったことにしよう)

聞かなかったことにしよう

(あおになってうれるような)

青になって熟れる様な

(あかになってかれるような)

赤になって枯れる様な

(つたないおもいだけ)

拙い想いだけ

(つのってしまってしかたがないんだよ)

募ってしまって仕方がないんだよ

(だから)

だから

(あいたいにになるのはよがあけてから)

相対にになるのは夜が明けてから

(ほらねきょうはねむるのさ)

ほらね今日は眠るのさ

(そして)

そして

(あんなことばもやさしさというから)

あんな言葉も優しさというから

(ふれるようなむなしさがのこる)

触れる様な虚しさが残る