おいしい給食 5話のセリフ
タイトル「酢豚は大人の証」
果物の入った給食メニューで検索したら、「ひじきと缶詰ミカンとピーナッツの和え物」や「りんご入りポテトサラダ」というのがでてきました。
ちなみに私が思い出すのは「パイナップルに鶏肉を乗せて焼いたもの」です。
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問題文
(わたしは、このふたりがにがてだ。)
私は、この二人が苦手だ。
(このくらすはひとくせもふたくせもあるせいとばかりだ。)
このクラスは一癖も二癖もある生徒ばかりだ。
(げんいんはたんにんか?)
原因は担任か?
(ずばりおききします。かれ、どういうせいとなんですか?)
ズバリお聞きします。彼、どういう生徒なんですか?
(しゅーるれありずむのしゅーる、ですか?)
シュールレアリズムのシュール、ですか?
(しゅーるれありずむとは、なんですか?)
シュールレアリズムとは、何ですか?
(りょうりがとくいでえにくわしいこくごきょうし。)
料理が得意で絵に詳しい国語教師。
(なんでまとめたんですか?)
何でまとめたんですか?
(どくしん。)
独身。
(それはよけいです!)
それは余計です!
(あ。あとおせっかい。)
あ。あとおせっかい。
(おおきなおせわです!)
大きなお世話です!
(きょうのめいんはすぶただ。)
今日のメインは酢豚だ。
(やはり、あつあつのおかずはうれしい。)
やはり、アツアツのおかずは嬉しい。
(だがすぐにめいんにとびついたりはしない。)
だがすぐにメインに飛びついたりはしない。
(まずはこの2ひん。)
まずはこの2品。
(もやしのちゅうかさらだ。)
もやしの中華サラダ。
(そして、ちゅうかすーぷ。)
そして、中華スープ。
(しんぷるいずべすと。)
シンプルイズベスト。
(ちゅうかには、ちゅうか。このすーぷにこのもやし。)
中華には、中華。このスープにこのもやし。
(すずきなにやってんだよ。)
鈴木何やってんだよ。
(こうしたほうがいっせきにちょうでしょ。)
こうした方が一石二鳥でしょ。
(ああぁ、やっぱりやるやつがいた。)
ああぁ、やっぱりやる奴がいた。
(これのどこがいっせきにちょうだ!)
これのどこが一石二鳥だ!
(いっせきにちょうとは、ひとつのこういからふたつのりえきをえることだろう。)
一石二鳥とは、一つの行為から二つの利益を得ることだろう。
(あいつのやってることはふたつのりょうりをむだにひとつにまとめただけで、)
アイツのやってる事は二つの料理を無駄に一つにまとめただけで、
(ふりえきしかうんでない。)
不利益しか生んでない。
(すっぱいすぶたにすっぱいすーぷで、だぶるすっぱいきゅうしょくになりさがっただけだ。)
酸っぱい酢豚に酸っぱいスープで、ダブル酸っぱい給食に成り下がっただけだ。
(ごしゅうしょうさま。)
ご愁傷さま。
(いよいよ、すぶたにとりか・・・ぱいなっぷる。)
いよいよ、酢豚にとりか・・・パイナップル。
(うちのきゅうしょくのすぶたはしんおうちょうほうしきだった。)
うちの給食の酢豚は清王朝方式だった。
(いっせつによると、とうじぱいなっぷるは)
一説によると、当時パイナップルは
(いまではかんがえられないくらいきしょうで、ねだんもばかだかかったらしい。)
今では考えられない位希少で、値段も馬鹿高かったらしい。
(それをすぶたにいれればこうきゅうかんがでるだろうと、れしぴにどうにゅうされたとか。)
それを酢豚に入れれば高級感が出るだろうと、レシピに導入されたとか。
(わたしだってこいつらくらいのころは、このくみあわせがふかかいでならなかった。)
私だってこいつらくらいの頃は、この組み合わせが不可解でならなかった。
(あまいんだかすっぱいんだかおかずくってんだかでざーとくってんだか)
甘いんだか酸っぱいんだかおかず食ってんだかデザート食ってんだか
(わけがわからなくなり、くちのなかがぱにっくになったものだ。)
訳が分からなくなり、口の中がパニックになったものだ。
(しんおうちょうからつづいたしょくしゅうかんのやめどきをうしなったとしかいいようがない。)
清王朝から続いた食習慣の止め時を失ったとしか言いようがない。
(うまい・・・とおもう。)
うまい・・・とおもう。
(そう!これはうまい!・・・はず。)
そう!これはうまい!・・・はず。
(ぱいなっぷるがふかけつとまではいかないが、)
パイナップルが不可欠とまではいかないが、
(くったらくったでとってもうまい!・・・・・・きがする。)
食ったら食ったでとってもうまい!・・・・・・気がする。
(せけんはごかいをしている。)
世間は誤解をしている。
(ぱいなっぷるはにくをやわらかくするためにどうにゅうされたわけではない。)
パイナップルは肉を柔らかくするために導入された訳ではない。
(たしかに、ぱいなっぷるにふくまれているこうそには、)
確かに、パイナップルに含まれている酵素には、
(にくをやわらかくするこうかがある。)
肉を柔らかくする効果がある。
(だが、そのこうかは60どいじょうでちょうりするときえてしまう。)
だが、その効果は60℃以上で調理すると消えてしまう。
(しかし、すぶたにぱいなっぷるのよしあしではないんだ。)
しかし、酢豚にパイナップルの良し悪しではないんだ。
(すぶたのぱいなっぷるをよゆうでたべるおとなでなければならない。)
酢豚のパイナップルを余裕で食べる大人でなければならない。
(そこがこどもとはちがうのだよ。こどもとは。)
そこが子供とは違うのだよ。子供とは。
(あっあいつ!まさかのすききらい。)
あっアイツ!まさかの好き嫌い。
(どういうことだ!?やつはいつでもそうぞうのななめまえをはしっていた。)
どういうことだ!?奴はいつでも想像の斜め前を走っていた。
(ごちそうさまでした。)
ごちそうさまでした。
(そうか、あれは、あのえは、ぱいなっぷるにたいするしょくざいだったのか。)
そうか、あれは、あの絵は、パイナップルに対する贖罪だったのか。
(やつはきょうのこんだてがすぶたであることをにんしきしていた。)
奴は今日の献立が酢豚であることを認識していた。
(そして、そのなかにぱいなっぷるがはいってることもよけんしていた。)
そして、その中にパイナップルが入ってることも予見していた。
(やつは、どうしてもうけいれられなかった。)
奴は、どうしても受け入れられなかった。
(そのことがさいしょからわかっていた。)
その事が最初から分かっていた。
(やつはきゅうしょくにぜんしんぜんれいをかけている。)
奴は給食に全身全霊をかけている。
(これまでだって、にがてなめにゅーはあっただろう。)
これまでだって、苦手なメニューはあっただろう。
(でも、やつはやつなりのほうほうろんで、そのなんだいをくりあしてきた。)
でも、奴は奴なりの方法論で、その難題をクリアしてきた。
(しかし、すぶたに、ぱいなっぷるだけはなんこうふらくだった。)
しかし、酢豚に、パイナップルだけは難攻不落だった。
(あのえは、のこすことがけっていしているぱいなっぷるへのしょくざいだ。)
あの絵は、残すことが決定しているパイナップルへの贖罪だ。
(まさに、しょくざいへのしょくざい。)
まさに、食材への贖罪。
(あそこにえがいてあったじんぶつは、やつほんにんにほかならない。)
あそこに描いてあった人物は、奴本人に他ならない。
(あのぱいなっぷるのうらで、あのじんぶつは・・・ぁいや、やつはないているのだ。)
あのパイナップルの裏で、あの人物は・・・ぁいや、奴は泣いているのだ。
(きゅうしょくは、わたしややつにとってがっこうせいかつにおいてもっともかがやきをはなつひかりだ。)
給食は、私や奴にとって学校生活において最も輝きを放つ光だ。
(そのひかりから、やつははじめてせをむけた。)
その光から、奴は初めて背を向けた。
(だが、なきがおをみせるわけにはいかない。)
だが、泣き顔を見せる訳にはいかない。
(みがってなつごうでぎせいになったものたちにあわせるかおなど、あるはずがない。)
身勝手な都合で犠牲になった者たちに合わせる顔など、あるはずがない。
(なんというすさまじいきゅうしょくあいだ。)
何という凄まじい給食愛だ。
(てきながらあっぱれといわざるおえない。)
敵ながらあっぱれと言わざるおえない。
(きょう、わたしはやつにかったんだろうか。)
今日、私は奴に勝ったんだろうか。
(すぶたにぱいなっぷるをかるがるくりあするのがおとなといきまいて)
酢豚にパイナップルを軽々クリアするのが大人と息巻いて
(おいしさとはべつのちへいでしょうぶしていたのではないか。)
おいしさとは別の地平で勝負していたのではないか。
(だとしたら、それは、きゅうしょくどうにはんするこういだったのかもしれない。)
だとしたら、それは、給食道に反する行為だったのかもしれない。
(このえだが、・・・わたしはきらいではない。)
この絵だが、・・・私は嫌いではない。
(そんなわたしとおなじふうけいをみるおとこ、かみのごう。)
そんな私と同じ風景を見る男、神野ゴウ。