おいしい給食 10話(最終話)のセリフ
タイトル「二人だけのカレーライス」
「おいしい給食」、終わってしまいましたね。
給食のカレーにはいつもグリーンピースがのっていました。
『潮騒(しおさい)』三島由紀夫の作品。純愛物語。御園先生が授業で取り上げてた。
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問題文
(かいこう100ねんにあわせこんでくるとは、こうちょうもいきなまねをするじゃないか。)
開校100年に合わせこんでくるとは、校長も粋な真似をするじゃないか。
(あめりかのことをなぜべいというのかはしらんが、)
アメリカの事を何故米というのかは知らんが、
(これは、きゅうしょくにおけるくろふねらいこうだ。)
これは、給食における黒船来航だ。
(きょう、はじめてごはんがでるんだよ。)
今日、初めてご飯が出るんだよ。
(かみのくんは、きゅうしょくがごはんになるのまってたんだね。)
神野君は、給食がご飯になるの待ってたんだね。
(うん。)
うん。
(じゃあ、もう、ほんとにぱんはいらないんだね。)
じゃあ、もう、ほんとにパンはいらないんだね。
(まったく、あのこのきゅうしょくずきにはあきれます。)
全く、あの子の給食好きには呆れます。
(わたし、やるからにはとことんとおもってて、)
私、やるからにはとことんと思ってて、
(じぶんのいろというかつめあとをのこしたいっていうか。)
自分の色というか爪痕を残したいっていうか。
(わたしみしまゆきおすきなんですよ。)
私三島由紀夫好きなんですよ。
(せんせいどうおもいますか?・・・・・・せんせい?)
先生どう思いますか?・・・・・・先生?
(だせばいいじゃないですか、みしま。)
出せばいいじゃないですか、三島。
(きこえてるじゃないですか。)
聞こえてるじゃないですか。
(いちがやでかっぷくしたひとでしょ。)
市ヶ谷で割腹した人でしょ。
(そこはいいでしょ。)
そこはいいでしょ。
(はい。せんもんがいです。おすきなように。)
はい。専門外です。お好きなように。
(きょうはぎんしゃりです。しかも、かれーですよ。)
今日は銀シャリです。しかも、カレーですよ。
(かんしんそこなんですね。)
関心そこなんですね。
(そんなのゆるせません!とかいって)
そんなの許せません!とか言って
(こめをとりかえすんだ!とかいって。)
米を取り返すんだ!とか言って。
(そう!もうそんなのはあきらめなさいっていったんだけど。)
そう!もうそんなのは諦めなさいって言ったんだけど。
(それはまずいな。)
それはマズいな。
(んん。ごはんのひなんてまたあるんだからぁ。)
んん。ご飯の日なんてまたあるんだからぁ。
(きたちゅうにめいわくをかけるわけにはいきません。)
北中に迷惑をかける訳にはいきません。
(え?)
え?
(しつれいっ。)
失礼っ。
(えっちょっとーちょっせんせい!?)
えっちょっとーちょっ先生!?
(なぐりこみにへるめっともないか。)
殴り込みにヘルメットもないか。
(なぐりこみです。)
殴り込みです。
(は?ああ、じゃせんせい、これ!)
は?ああ、じゃ先生、これ!
(けっこうです。)
結構です。
(いやいやいやなぐりこみなんて・・・)
いやいやいや殴り込みなんて・・・
(けっこうです!)
結構です!
(とこぶしちゅうがっこうのいちねんいちくみのかみのです。)
常節中学校の一年一組の神野です。
(とこちゅうのせいとがこんなじかんこんなばしょでなにやってんだぁ?)
常中の生徒がこんな時間こんな場所で何やってんだぁ?⤴
(きょう、うちにくるよていのごはんが、まちがえてここにはいそうされたとききました。)
今日、うちに来る予定のご飯が、間違えてここに配送されたと聞きました。
(ぇ、ぇ、ぇ、そうなの?)
ぇ、ぇ、ぇ、そうなの?
(それで、ごはんをもどしていただきたいとおもいまして。)
それで、ご飯を戻していただきたいと思いまして。
(それに、そんなりゆうで、がっこうぬけだしちゃだめだろ。)
それに(笑)、そんな理由で、学校抜け出しちゃダメだろ(笑)。
(そんなりゆうとはなんですか!)
そんな理由とは何ですか!
(ばかなまねとはなんだ。)
馬鹿な真似とは何だ。
(あ?)
あ?
(ばかなまねとはなんだときいている。)
馬鹿な真似とは何だと聞いている。
(かみのは、まちがいをただしにきただけだ。)
神野は、間違いを正しに来ただけだ。
(ばかなまねなどしていない。)
馬鹿な真似などしていない。
(どんなほうほうであれ、こどものしんけんなすがたにふれたとき、)
どんな方法であれ、子供の真剣な姿に触れた時、
(おとなは、たとえあいてがこどもであってもまけをみとめなければならない。)
大人は、たとえ相手が子供であっても負けを認めなければならない。
(まけですか。)
負けですか。
(かえるぞ、かみの。)
帰るぞ、神野。
(ないたらまけだ。)
泣いたら負けだ。
(おまえはかった。)
お前は勝った。
(こめはまたでる。)
米はまた出る。
(きゅうしょく、おわってしまいましたね。)
給食、終わってしまいましたね。
(ありがとう・・・)
ありがとう・・・
(ありがとうございます!)
ありがとうございます!
(しかし、きゅうしょくにごはんがでるようになったんですね。)
しかし、給食にご飯が出るようになったんですね。
(これからたのしみだな。)
これから楽しみだな。
(はい。)
はい。
(きょうはのーぷらんでした。)
今日はノープランでした。
(そうなのか。)
そうなのか。
(かれーはかれーですよ。)
カレーはカレーですよ。
(そうだなぁ、かれーはかれーだな。)
そうだなぁ、カレーはカレーだな。
(わたしにとってきゅうしょくは、ひとりひそかにかみしめるものだった。)
私にとって給食は、一人秘かに噛みしめるものだった。
(しかし、わたしは、いま、おもう。)
しかし、私は、今、思う。
(ふたりでたべるきゅうしょくもわるくない、と。)
二人で食べる給食も悪くない、と。
(なにをこうふんしてるかね、このこは。)
何を興奮してるかね、この子は。
(しょうめんに「しょくいくけんこう」のもじがめにとびこんできます。)
正面に「食育健康」の文字が目に飛び込んできます。
(「けんこうなからだにはけんぜんなせいしんがやどる」というおしえです。)
「健康な体には健全な精神が宿る」という教えです。
(ではけんこうなからだにひつようなのはなにか?)
では健康な体に必要なのは何か?
(しょくじです。)
食事です。
(だからわがこうではきゅうしょくはあるしゅのじゅぎょう!)
だから我が校では給食はある種の授業!
(ゆるせないことがある。めいわくはかけないから。)
許せないことがある。迷惑はかけないから。