泣き出した女と虚無感　シド

(つめたいひとみそのさきに)

冷たい瞳　その先に

(なきだしたおんなときょむかん)

泣き出した女と　虚無感

(あわててぬぐうかのように)

慌てて　拭うかの様に

(といきはにびょうでふさいで)

吐息は二秒で　塞いで

(ばすたぶのみなもゆれる)

バスタブの水面　揺れる

(おとにかくれておゆうぎ)

音に隠れて　お遊戯

(なれたゆびさきでなぞる)

慣れた指先でなぞる

(しらないぶいなどないけど)

知らない部位など　ないけど

(こえにだしておれをもとめれば？)

声にだして　俺を求めれば？

(ぎじあげる)

擬似　あげる

(あぶがつくのーまるなへや)

アブが点く　ノーマルな部屋

(けさないでよくはさらして)

消さないで　欲はさらして

(ひとりくらやみでおどる)

一人　暗闇で踊る

(かわいいあかりはあたえない)

可愛い　明りは与えない

(じしょうをくつがえすべくにゅうねんにてっしたほうちが)

自称を覆すべく　入念に徹した　放置が

(はなひらくころごぜんよじ)

花　開く頃　午前四時

(すいまとのまざりちょうどいい)

睡魔との混ざり　丁度良い

(ぜんぶすてておれをもとめれば？)

全部捨てて　俺を求めれば？

(もうつれていってあげる)

もう連れて　いって　あげる

(はげしくだきよせた)

激しく抱き寄せた

(おまえもふらちなかこも)

おまえも　不埒な過去も

(まとめてあいそうおれのなかでもがくように)

まとめて愛そう　俺の中で　もがく様に

(なんどでもないて)

何度でも泣いて

(はてたよるにからみあうゆびに)

果てた夜に　絡み合う指に

(とけてねむればいい)

溶けて眠ればいい

(かなしくながれこむ)

悲しく流れ込む

(ことばもしめったかこも)

言葉も　湿った過去も

(うけとめこわそう)

受け止め　壊そう

(まとうものはもうなにもない)

纏うものは　もう何もない

(はげしくだきよせたおまえも)

激しく抱き寄せた　おまえも

(ふらちなかこも)

不埒な過去も

(まとめてあいそうおうおれのなかでもがくように)

まとめて愛相応　俺の中で　もがく様に

(なんどでもないてなんどでもないて)

何度でも泣いて　何度でも泣いて