スカーレット

(むかしからなにかをしようとすると)

昔から何かをしようとすると

(きまっていつでもみずをさされる)

決まっていつでも水を差される

(なにげないふうけいにまぎれてひとり)

何気ない風景に紛れて一人

(あめがふるえきでたびだちをまっていた)

雨が降る駅で旅立ちを待っていた

(わらっているひといそいでいるひと)

笑っている人急いでいる人

(よりそうかっぷる)

寄り添うカップル

(むじゃきにはしゃぐこどもたち)

無邪気にはしゃぐ子供たち

(それぞれにもつをかかえ)

それぞれ荷物を抱え

(めざしているばしょへとむかっていく)

目指している場所へと向かっていく

(きょうもまた)

今日もまた

(すかーれっとのでんしゃはほーむにつき)

スカーレットの電車はホームに着き

(いくつものじんせいをのせてはこぶ)

いくつもの人生を乗せて運ぶ

(かばんにつめたきぼうときたい)

カバンに詰めた希望と期待

(それにふあんをすこしかくしもって)

それに不安を少し隠し持って

(しばらくかえらないってちかったんだ)

しばらく帰らないって誓ったんだ

(まどをつたうむすうのしずくがえだわかれして)

窓を伝う無数の雫が枝分かれして

(かこへながれていく)

過去へ流れていく

(これからぼくがすすもうとしているみちは)

これから僕が進もうとしている道は

(どれほどながくてどこにたどりつくんだろう)

どれほど長くてどこに辿り着くんだろう

(ひとはげんそうをかたり)

人は幻想を語り

(かなわぬゆめとおきざりにするけど)

叶わぬ夢と置き去りにするけど

(ぼくはだきしめていこう)

僕は抱きしめていこう

(ばかげたしょうどうがみらいをてらすとしんじながら)

馬鹿げた衝動が未来を照らすと信じながら

(ちいさなころくれよんでえがいていた)

小さな頃クレヨンで描いていた

(はてしなくくうそうなせかいも)

果てしなく空想な世界も

(いまのぼくをつくりあげている)

今の僕を形成（つく）り上げている

(だいじなひとかけらだって)

大事な一欠片だって

(そうじしんをもっていえるよ)

そう自信を持って言えるよ

(かのうせいっていうものは)

可能性っていうものは

(ずっとむげんだとはおもわない)

ずっと無限だとは思わない

(かけだすそのすぴーどにひろがるいめーじを)

駆け出すそのスピードに広がるイメージを

(そしてまたすぴーどを)

そしてまたスピードを

(あげていく)

上げていく

(すかーれっとのでんしゃはぼくをはこぶ)

スカーレットの電車は僕を運ぶ

(ためらわずまだしらないばしょへと)

ためらわずまだ知らない場所へと

(あめのやんだまちにそっとさよならつぶやいて)

雨の止んだ街にそっとさよならつぶやいて

(しだいにとおざかってみえなくなった)

次第に遠ざかって見えなくなった

(とうきょうはいまごろあおぞらがひろがっているだろう)

東京は今頃青空が広がっているだろう