起・承・転・結・序・破・急

(とけいのはり)

とけいの針

(ふたりがうででおいかけっこ)

ふたりが腕で追いかけっこ

(そばにいるのによりそえない)

そばにいるのに　寄り添えない

(あなたはたんしんで)

あなたは短針で

(わたしはちょうしん？)

わたしは……長針？

(すこしのふれあいびょうしんがじゃまする)

少しのふれあい秒針が邪魔する

(なみだがほほにおちたそのはもん)

涙が頬に落ちた　その波紋

(わたしをめざめさせた)

わたしを目覚めさせた

(かきはじめなくっちゃ)

書きはじめなくっちゃ

(はつこいのししょうせつ)

初恋の私小説

(きしょうてんけつじょはきゅう)

起・承・転・結・序・破・急

(このこいをつむぐせおりー)

この恋を紡ぐセオリー

(つぶやくようににっきのように)

呟くように　日記のように

(ことばが、あふれて)

言葉が、溢れて

(きしょうてんけつじょはきゅう)

起・承・転・結・序・破・急

(はじめてつづるじゅヴないる)

はじめて綴るジュヴナイル

(いまのわたしのゆめよ)

今の　わたしの夢よ

(ゆいいつのどくしゃは、あなた)

唯一の読者は、あなた

(たなにささるさくしゃのおもいはうちゅうだね)

棚に差さる作者の想いは宇宙だね

(ふたりうかんでおよぎたい)

ふたり浮かんで泳ぎたい

(らいげつも、いちねんごも、そのずっとさきも)

来月も、一年後も、そのずっと先も

(あのよるのあめがうみをめぐるように)

あの夜の雨が海をめぐるように

(かつじがおどりだしたひろがった)

活字が踊りだした　ひろがった

(けしきはたいむましん)

景色はタイムマシン

(どこまでもいける)

どこまでもいける

(はつこいのししょうせつ)

初恋の私小説

(きしょうてんけつじょはきゅう)

起・承・転・結・序・破・急

(でーとはしょーとしょーと)

デートはショートショート

(みずのようなくうきのような)

水のような　空気のような

(そのこえ、きかせて)

その声、効かせて

(きしょうてんけつじょはきゅう)

起・承・転・結・序・破・急

(うそつきじょうずなふぁんたじー)

嘘つき上手なファンタジー

(おねがいわらわないで)

おねがい笑わないで

(ゆいいつのどくしゃは、あなた)

唯一の読者は、あなた

(とじこめたときめき)

閉じ込めたときめき

(あのひのゆうやけみたい)

あの日の夕焼けみたい

(よみかえすたびにこころのなか)

読み返すたびに心の中……

(いまのじぶんにしかかけないつづれないしゅんかん)

今の自分にしか書けない綴れない瞬間

(ひそかにすなおに)

密かに　素直に

(あなたへのｄｅｄｉｃａｔｉｏｎ)

あなたへのdedication

(きしょうてんけつじょはきゅう)

起・承・転・結・序・破・急

(このこいをつむぐせおりー)

この恋を紡ぐセオリー

(つぶやくようににっきのように)

呟くように　日記のように

(ことばが、あふれて)

言葉が、溢れて

(きしょうてんけつじょはきゅう)

起・承・転・結・序・破・急

(はじめてつづるじゅヴないる)

はじめて綴るジュヴナイル

(いまのわたしのゆめよ)

今の　わたしの夢よ

(ゆいいつのどくしゃは、あなた)

唯一の読者は、あなた