犯行前夜

(きみとあいとなにかをまぜて)

「君」と「愛」と「何か」を混ぜて

(できあがったのがぼくだったり)

出来上がったのが僕だったり？

(ごふんかんでなんどいけるかはんこうぜんやに)

五分間で何度イケるか、犯行前夜に

(いぇい)

ＹＥＡＨ！！

(きみがいったんだわからないんだって)

君が言ったんだ 「分からないんだ」って

(よるがないた)

夜が鳴いた

(きのうのことさみみをふさいでもきこえた)

「昨日の事さ、耳を塞いでも聞こえた

(ひびくきょうせいきしむふゆうかんにみたされていた)

響く矯正、軋む浮遊感に満たされていた」

(それをきいていたぼくはきみがないていたいみをりかいして)

それを聞いていた僕は、君が泣いていた意味を理解して

(ああしにたくなる)

嗚呼、死にたくなる

(できることならいますぐ)

できる事なら今すぐ！！

(あいのかたちをおしえてくれめにみえるものならばぼくにちょうだい)

愛の形を教えてくれ、目に見えるものならば僕に頂戴

(おれたないふのようかいとけいかくてきとうそうげきで)

折れたナイフの容喙と計画的逃走劇で

(ひゃっぺんどおりのてぐちでいまひゃっぺんどおりにきすして)

100遍通りの手口で、今100遍通りにキスして

(きみをつれさってしまうのさこよいはんこうぜんやに)

君を連れ去ってしまうのさ、今宵犯行前夜に

(よくとあいをにせてつくっちゃったかみさまになかゆびたてて)

「欲」と「愛」を似せて作っちゃった神様に中指立てて

(あいかよくかわからないままはんこうぞっこうちゅう)

愛か欲か、分からないまま犯行続行中

(きみのなかにひこうちゅう)

君の中に非行中

(しにたくなっちゃってそれはきらいになれなくて)

「死にたくなっちゃって、それは嫌いになれなくて」

(きみはうなずいて)

君は頷いて

(ああとけあおうかできることならいますぐ)

「嗚呼、溶け合おうか、できる事なら今すぐ」

(のこりがのごとくですきみのあいしてるのことばは)

残り香の如くです、君の「愛してる」の言葉は

(ゆめをみていたんだそれはああ)

夢を見ていたんだ、それは、嗚呼…

(いずれさめてしまうならばさめちゃうまえにもういちど)

何れ醒めてしまうならば、醒めちゃう前にもう一度

(ぼくとぼくがあいしたきみふたりはんこうぜんやに)

僕と、僕が、愛した君、二人、犯行前夜に

(あいのかたちをおしえてくれきれいなものがあればぼくにちょうだい)

愛の形を教えてくれ、綺麗なものがあれば僕に頂戴

(ゆうがたごじのきょうかいせんもうしわけていどにしたをだす)

夕方五時の境界線、申し訳程度に舌を出す

(ころしたいほどにあいしてきみをあいをしんじさせて)

殺したい程に愛して！君を！愛を！信じさせて！

(ゆりかごからはかばまできみとあなをうめてしろくそめよう)

「揺籠から墓場まで」君と、穴を埋めて白く染めよう

(ひゃっぺんどおりのことばでいまひゃっぺんどおりにあいして)

100遍通りの言葉で、今100遍通りに愛して

(ぼくをころしてくれないかきみのさつじんてきなからだで)

僕を殺してくれないか、君の殺人的な躰で

(いぇい)

ＹＥＡＨ！！

(ななななななな)

「×××××××」

(きみのひとみからだすべてふたりはんこうぜんやにおちる)

君の瞳、躰、全て、二人、犯行前夜に墜ちる