恋しくて、今も

(こいしくていまも)

恋しくて、今も

(とけてはきえてゆくこなゆきのようにふたりはにどともうもどれはしない)

溶けては消えてゆく粉雪のように二人は二度ともう戻れはしない

(つもるほどつよくぼくにだけのこるさむさがほらあぁせつないよ)

積もる程強く僕にだけ残る寒さがほらあぁせつないよ

(あいのためにぼくはただいきてきたようなものだから)

愛のために僕はただ生きてきたようなものだから

(くもるがらすにきみのあとうかぶたびむねをしめつける)

曇るガラスに君の跡浮かぶたび胸を締めつける

(こいしくていまもことばにするだけでもうきっとわがままかもしれない)

恋しくて今も言葉にするだけでもうきっとワガママかもしれない

(かなうならもういちどあきれるくらいきみをだきしめていたいよ)

叶うならもう一度あきれるくらい君を抱きしめていたいよ

(しろいいきてでかくしてきみをまつじかんやいらだちすごしたきょねんのきねんび)

白い息手で隠して君を待つ時間や苛立ち過ごした去年の記念日

(つのるこうかいととりもどせないぼくのしあわせあぁむなしいよ)

募る後悔と取り戻せない僕の幸せあぁ虚しいよ

(きせつはもがいてもすぎてはなでいろどられるまちでも)

季節はもがいても過ぎて花で彩られる街でも

(ぼくのせかいはものくろでふりつもるあいにこごえそうなまま)

僕の世界はモノクロで降り積もる愛に凍えそうなまま

(こいしくていまもきおくがびかしてしまうきみをこえることができない)

恋しくて今も記憶が美化してしまう君を超えることができない

(ひとつだけこわいんだおもいでさえもいつかきえさってしまうのが)

一つだけ怖いんだ思い出さえもいつか消え去ってしまうのが

(わすれたくないのにわすれてゆく たいせつなこともきみのえがおもじかんがうばう)

忘れたくないのに忘れてゆく 大切なことも君の笑顔も時間が奪う

(こいしくていまもことばにさせてほしいさいごのわがままかもしれない)

恋しくて今も言葉にさせてほしい最後のワガママかもしれない

(いつのひかときがきみをうばいさるまでつもるこなゆきにこごえたい こいしくていまも)

いつの日か時が君を奪い去るまで積もる粉雪に凍えたい 恋しくて今も