凍雪に埋もれても愛を

(ひげきがこのみのあなたにおにあいなないふをあげる)

悲劇が好みのあなたに　お似合いなナイフをあげる

(いつまででもまってるわふたりだけのさいはてまで)

いつまででも待ってるわ　ふたりだけの最果てまで

(わたしのかなしみなんていいのただあなたがただしければ)

私の悲しみなんていいの　ただあなたが正しければ

(ずっとずっとこのままあしおとふたつひびく)

ずっとずっとこのまま　足音ふたつ響く

(どうしてかなしいかおするのなにもかもわからないから)

どうして悲しい顔するの？　なにもかもわからないから

(こわいえほんでもよんでおべんきょうしてみるから)

恐い絵本でも読んで　お勉強してみるから

(あしたはどこであえるのかきっとみつけてあげるわ)

明日はどこで会えるのか　きっと見つけてあげるわ

(このまっしろなゆきにうもれてしまわぬよう)

このまっしろな雪に　埋もれてしまわぬよう

(おいかけてるつもりでこのせかいのふちのあいにつまずく)

追いかけてるつもりで　この世界の淵の愛に躓く

(あなたはどこにもいなくてああいつだってこんなことばかり)

あなたはどこにもいなくて　ああいつだってこんなことばかり

(ほらでもだいじょうぶねえきいてうまれかわってもここにくるわ)

ほらでも大丈夫ねえ聞いて！生まれ変わってもここに来るわ

(しんでゆくいくさびしさもまたあったらきっとわすれて)

死んでゆく行く寂しさも　またあったらきっと忘れて

(ねえねえだいすきよゆきのなかもうゆびさきはうごかないけど)

ねえねえ大好きよ雪の中　もう指先は動かないけど

(あなたにさわりたくて)

あなたに触りたくて

(でもせかいはそのままとけた)

でも世界はそのまま解けた

(たしかにかのじょはしあわせだったでもかみはゆるさなかった)

確かに彼女は幸せだった　でも神は許さなかった

(かのじょがあのさいはてをもうおもいだすことはもうない)

彼女があの最果てを　もう思い出すことはもうない

(ほんとうにかのじょはしあわせだったかただあいすることだけしんじ)

本当に彼女は幸せだったか?　ただ愛することだけ信じ

(つめたくなるゆきのなかほんとうにえがおだったか)

冷たくなる雪の中　本当に笑顔だったか？

(ひげきがこのみなぼくだったいまではもううんざりだけど)

悲劇が好みな僕だった　今ではもううんざりだけど

(あのころにはみたこともないたのしそうなかのじょのえがお)

あの頃には見たこともない　楽しそうな彼女の笑顔

(なんどしんでもぼくはおなじずっときみをおぼえている)

何度死んでも僕は同じ　ずっと君を憶えている

(ずっとずっといつまでもきみをまっているんだ)

ずっとずっといつまでも　君を待っているんだ

(あいされてるつもりででももしこれがあいじゃないなら)

愛されてるつもりで　でももしこれが愛じゃないなら

(もうきみをわすれてにどとめがさめぬようにねがおう)

もう君を忘れて　二度と目が覚めぬように願おう

(さよならだいすきなきみはもうずっとずっとむかしにしんで)

さよなら大好きな君はもう　ずっとずっと昔に死んで

(ぼくはこっけいなもうそうをのうみそにひろげてるだけ)

僕は滑稽な妄想を　脳みそに広げてるだけ

(ああでもいやなんださよならじゃぼくはずっとさびしすぎて)

ああでも嫌なんださよならじゃ　僕はずっと寂しすぎて

(きみのてにふれたくてでもせかいはそのままとけた)

君の手に触れたくて　でも世界はそのまま溶けた

(さびしさがかさなってばらばらにとけあって)

寂しさが重なって　バラバラに溶け合って

(きみもぼくもわたしもあなたも)

君も僕も　私もあなたも

(ぜんぶぐちゃぐちゃにきえていって)

全部　ぐちゃぐちゃに消えていって

(ほらでもだいじょうぶねえきいてうまれかわってもここにいるわ)

ほらでも大丈夫ねえ聞いて!生まれ変わってもここにいるわ

(しんでゆくさびしさもやっとなぐさめあえるのね)

死んでゆく寂しさも　やっと慰めあえるのね

(ねえねえだいすきだゆきのなかずっといっしょにおやすみだね)

ねえねえ大好きだ雪の中　ずっと一緒におやすみだね

(にぎりしめたてのひら)

握りしめた掌

(ふたりはそのままとけてきえた)

二人はそのまま溶けて消えた