サーチライト／秋山黄色

(なにかをふりはらいたくて)

何かを振り払いたくて

(かけぬけた)

駆け抜けた

(めにみえないものはぜんぶ)

目に見えないものは全部

(やさしさだとおもいこんでさ)

優しさだと思い込んでさ

(なにがただしいのかがわからないままでも)

何が正しいのかがわからないままでも

(とけいのはりはこころを)

時計の針は心を

(ようしゃなくきざむから)

容赦なく刻むから

(ぼくらはよわさもまよいもすてなくていい)

僕らは弱さも迷いも捨てなくていい

(かかえたすべてをつよさとさけぶから)

抱えた全てを強さと叫ぶから

(ひかりはいつもひとをてらす)

光はいつも人を照らす

(よふけにそっとまぶたをはらす)

夜更けにそっと瞼を腫らす

(まもるのもすてるのも)

守るのも捨てるのも

(どうせおなじくらいくるしいんだよ)

どうせ同じくらい苦しいんだよ

(ひざしのなかでりそうをうたい)

日差しの中で理想を歌い

(ゆうぐれになみだをうつしてわすれないで)

夕暮れに涙を映して忘れないで

(ゆずれなかったあのひが)

譲れなかったあの日が

(きょうをわらえるそのひまで)

今日を笑えるその日まで

(もがけぼくらのあし)

もがけ僕らの足

(おもいどおりにいきれない)

思い通りに生きれない

(ふがいない)

不甲斐ない

(ひどくなやみたくなくて)

ひどく悩みたくなくて

(いそがしさでごまかしてた)

忙しさで誤魔化してた

(じぶんでじぶんをわらうこともできず)

自分で自分を笑うこともできず

(だれかにわらわれることもできないんだ)

誰かに笑われることもできないんだ

(いきてるかぎりいたみはつづく)

生きてる限り痛みは続く

(ひとであるかぎりわかってしまう)

人である限り分かってしまう

(みんなおなじなんだと)

みんな同じなんだと

(だからなんだようるさいよ)

だから何だようるさいよ

(うそでかためてわらってみろよ)

嘘で固めて笑ってみろよ

(きしむこころなぐられるよりいたいだろ)

軋む心殴られるより痛いだろ

(いきるのがうまいってのは)

生きるのが上手いってのは

(きずつけるのもうまいんだよ)

傷つけるのも上手いんだよ

(じぶんのことすら)

自分のことすら

(じんせいはきっとこうかいのかたまりだ)

人生はきっと後悔の塊だ

(しあわせもきっと)

幸せもきっと

(そんなにべんりなものじゃない)

そんなに便利なものじゃない

(やさしさだけじゃだめだ)

優しさだけじゃだめだ

(わかってるわかってるけど)

分かってる　分かってるけど

(こごえてもはなびみたいにいきる)

凍えても花火みたいに生きる

(おまえがいいんだごめんな)

お前がいいんだごめんな

(すずがなったきがした)

鈴が鳴った気がした

(なつみたいだな)

夏みたいだな

(なんでだろうもっとききたいよ)

なんでだろうもっと聞きたいよ

(ひかりはいつもひとをてらす)

光はいつも人を照らす

(こころにだってかげはできる)

心にだって影はできる

(あなたにもわたしにも)

貴方にも私にも

(あのこみたいなこどもにも)

あの子みたいな子供にも

(よわさといきることはらくじゃない)

弱さと生きることは楽じゃない

(つよさもきっと)

強さもきっと

(ろくなもんじゃないよ)

ロクなもんじゃないよ

(だからなやみつづけようそんなもんだろう)

だから悩み続けようそんなもんだろう

(もがけぼくらのあし)

もがけ僕等の足