つきうさぎ

(つきかげのゆらめく)

月影の揺らめく

(あきぞらのおくに)

秋空の奥に

(あおいせんりつをえがく)

蒼い旋律を描く

(あなたをみつけた)

あなたを見つけた

(うんめいというように)

運命と言うように

(みちびかれるまま)

導かれるまま

(とうめいなくちづけをかわし)

透明な口づけを交わし

(えいえんをちかった)

永遠を誓った

(くもりぞらひろがるよるさえ)

曇り空広がる夜さえ

(くものきれまにあなたをさがす)

雲の切れ間にあなたを探す

(そのすがたみえないときでさえも)

その姿見えない時でさえも

(こころにあなたえがいた)

心にあなた描いた

(どうしてますか)

どうしてますか

(あのひから)

あの日から

(かわらぬあいをかなでても)

変わらぬ愛を奏でても

(こんなえーてるのかぜのなかじゃ)

こんなエーテルの風の中じゃ

(あなたにはきこえませんか)

あなたには聞こえませんか

(ゆうやみのざわめく)

夕闇のざわめく

(こいけのほとり)

古池のほとり

(あかくほほをそめうつむく)

紅く頬を染め俯く

(あなたをみつけた)

あなたを見つけた

(そっといきをひそめ)

そっと息を潜め

(ちぎりのあかしにと)

契りの証にと

(ゆびさきをくぐるほしのわが)

指先をくぐる星の環が

(いやにまぶしくみえる)

いやに眩しく見える

(ゆうづきがかげるみずかがみ)

夕月が陰る水鏡

(あなたのといきでちぎれとぶ)

あなたの吐息で千切れ飛ぶ

(かなしみにしんだゆめはまるで)

悲しみに滲んだ夢はまるで

(さようならをいうように)

さようならを言うように

(はるかにつづくこのそらも)

遥かに続くこの宇宙（そら）も

(からっぽになったこのむねも)

空っぽになったこの胸も

(なみだでみたせたならあなたに)

涙で満たせたならあなたに

(およぎつけるのでしょうか)

泳ぎ着けるのでしょうか

(くれないにそまったこのひとみは)

紅に染まったこの瞳は

(なきつづけていたわけじゃない)

泣き続けていた訳じゃない

(とおくからでもみつかるように)

遠くからでも見つかるように

(ちしおをながしたの)

血潮を流したの

(あらいやみにうかぶはこにわで)

暗闇に浮かぶ箱庭で

(ひとりふるえるつきうさぎ)

一人震えるつきうさぎ

(あなたのあいからはぐれたまま)

あなたの愛からはぐれたまま

(さまよいつづけるまいご)

彷徨い続ける迷子

(どうしてますか)

どうしてますか

(あのひから)

あの日から

(かわらぬあいをさけんでも)

変わらぬ愛を叫んでも

(いっしょうとどかなくてもかわらず)

一生届かなくても変わらず

(あいしていてもいいですか)

愛していてもいいですか

(ああ)

嗚呼……