KABUKI

(ああなんてうらめしいの)

鳴呼 何て恨めしいの

(わたしのあてどないはいになったこうふく)

私の当て所ない灰になった幸福

(たいそうみすぼらしくいまは)

大層 見窄らしく 今は

(ひとにみせるのもいやなんだけどさ)

人に見せるのも嫌なんだけどさ

(ここでわらえそうなふできなこばなしひとついかがですか)

此処で笑えそうな 不出来な小噺一つ いかがですか

(こんなくだらねぇいきざまさけのさかなにしちまってくれよ)

こんなくだらねぇ生き様 酒の肴にしちまってくれよ

(どうやらここはこころのろうごくさいれんはあなたのたましい)

どうやらここは心の牢獄 警報は貴方の魂

(さいていなわたしのでぃすとぴあ)

最低な私の地獄郷

(どんなににがいことばものみほしてわらおうぜ)

どんなに苦い言葉も 飲み干して笑おうぜ

(いまはとりあえずまだしなねぇからさ)

今は取敢えず まだ死なねぇからさ

(そしてこのしんぞうがやかれるおとをききながらねむろうぜ)

そしてこの心臓が焼かれる音を 聴きながら眠ろうぜ

(それがらぶそんぐならうれしいよな)

それが愛歌なら嬉しいよな

(もういちどいうらぶそんぐならうれしいよな)

もう一度云う、愛歌なら嬉しいよな

(いうてこのみなんて)

いうて この身なんて

(ふけばなんしゃくもとんでくおちばのよう)

吹けば何尺も飛んでく落ち葉の様

(かねおとしなさんな)

金 落としなさんな

(ちせつよりごのみすらできねぇでそうろう)

稚拙 選り好みすら出来無ぇで候

(ようやくあなたつかんだせいこうわたしをみないでおくんなまし)

ようやく貴方 掴んだ成功 私を見ないでおくんなまし

(うしろなどふりむかずおゆきなさい)

後ろ等、振り向かず お逝きなさい

(だれかのいやしいゆめもそしゃくしてはきだして)

誰かの卑しい夢も 咀嚼して吐き出して

(やさしいおまえだからだいじなのさなにもいらないわ)

優しいお前だから大事なのさ 何もいらないわ

(いまのこのしゅんかんをいきることにしようぜ)

今の この瞬間を 生きる事にしようぜ

(それがらぶそんぐならうれしいよな)

それが愛歌なら嬉しいよな

(なんかいもいうらぶそんぐならうれしいよな)

何回も云う 愛歌なら嬉しいよな

(こんなににがいことばものみほしてわらおうぜ)

こんなに苦い言葉も 飲み干して笑おうぜ

(いまはとりあえずまだしなねえからさ)

今は取敢えず まだ死なねえからさ

(そしてこのしんぞうがやかれるおとをききながらねむろうぜ)

そしてこの心臓が焼かれる音を 聴きながら眠ろうぜ

(それがらぶそんぐならうれしいよな)

それが愛歌なら嬉しいよな

(もういちどいうらぶそんぐならうれしいよな)

もう一度云う、愛歌なら嬉しいよな