二千五百万分の一

(せわしないおうろゆうにないだかぜもどき)

忙しない往路 夕に凪いだ風擬き

(わすれわすれられそうになってはながすみ)

忘れ 忘れられそうになって花霞

(ふわりまどごしのはるにきづいたのはありあまるほどのきせき)

ふわり 窓越しの春に気づいたのは 有り余るほどの軌跡

(あのひあしをとめてみたからあめがやんでいたから)

あの日 足を止めてみたから 雨が止んでいたから

(ああきまぐれがよりみちをうながしてきみにであえたのだ)

ああ 気まぐれが寄り道を促して 君に出会えたのだ

(それくらいのこともあたりまえにおもえないや)

それくらいのことも 当たり前に思えないや

(たとえばぐうぜんをうんめいとよべたらあすはまえをむけるのか)

例えば偶然を運命と呼べたら 明日は前を向けるのか

(そうやってなんべんもねがってみせるがじんせいなんだ)

そうやって 何遍も願ってみせるが人生なんだ

(きみもそうでしょ)

君もそうでしょ？

(それはにせんごひゃくまんぶんのいちをたどりあるくゆめのみちかけ)

それは二千五百万分の一を 辿り歩く夢の満ち欠け

(きみのあしたなくしてはいきられないようなぼくをみちびいておくれ)

君の明日無くしては 生きられないような ボクを導いておくれ

(きえかけたきょうをえらんだのはありあまるほどのきせき)

消えかけた今日を選んだのは 有り余るほどの奇跡

(あしたはなにをしようかどこへいこうか)

明日は何をしようか 何処へ行こうか

(なんてはなしはいついらいだろう)

なんて話はいつ以来だろう

(どなるしはつのべるかりたてるおとななのさ)

怒鳴る始発のベル 駆り立てる 大人なのさ

(ぼくらはものがたりのしゅやくにはなれないってわかっているけど)

ボクらは 物語の主役にはなれないって わかっているけど

(こんななにげないまいにちがいとしくてたまらない)

こんな何気ない毎日が 愛しくてたまらない

(ほんとうはじんせいをいつかはとりかえせたらいいなって)

本当は人生を いつかは取り返せたらいいなって

(そうやってなんべんもないてみせるのがじんせいなんだ)

そうやって 何遍も泣いてみせるのが人生なんだ

(ぼくはそうだよ)

ボクはそうだよ

(あおいえのぐだけからっぽみたいなあすのぶんまですみわたるなつ)

青い絵の具だけ空っぽみたいな 明日の分まで澄み渡る夏

(びるのすきまをきりとってしまうようなまぼろしをみせておくれ)

ビルの隙間を 切り取ってしまうような幻を見せておくれ

(ぐうぜんをうんめいをうけいれたらあしたはくるのさ)

偶然を 運命を受け入れたら明日は来るのさ

(そうやってぼくたちはそうしたらぼくはおとなになったよ)

そうやってボクたちは そうしたらボクは 大人になったよ

(なみだかくすためほしをみるんだきみのぶんまですみわたるなつ)

涙隠すため星を見るんだ 君の分まで澄み渡る夏

(びるのすきまをきりとってしまうようなまぼろしをみせておくれ)

ビルの隙間を切り取ってしまうような 幻を見せておくれ

(それはにせんごひゃくまんぶんのいちをたどりあるくゆめのみちかけ)

それは二千五百万分の一を 辿り歩く夢の満ち欠け

(きみのあすなくしてはいきられないようなぼくをみちびいておくれ)

君の明日無くしては 生きられないような ボクを導いておくれ

(きえかけたきょうをえらんだのはありあまるほどのきせき)

消えかけた今日を選んだのは 有り余るほどの奇跡