見て見ぬふりをするのはなぜ??傍観者効果
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問題文
(1964ねん、あるじゅうたくがいで、しんやにじょせいがじたくあぱーとまえでぼうかんにおそわれ、)
1964年、ある住宅街で、深夜に女性が自宅アパート前で暴漢に襲われ、
(しさつされるじけんがおこりました。)
刺殺される事件が起こりました。
(このとき、はんこうは30ふんいじょうにおよび、あぱーとのじゅうにん38めいがこのそうどうにきづき、)
この時、犯行は30分以上に及び、アパートの住人38名がこの騒動に気づき、
(なかにはまどからじけんをもくげきしたひともいました。)
中には窓から事件を目撃した人もいました。
(しかしながら、おおぜいのひとがいたにもかかわらず、)
しかしながら、大勢の人がいたにもかかわらず、
(だれひとりかのじょをたすけようとしなかったばかりか、)
誰一人彼女を助けようとしなかったばかりか、
(けいさつにつうほうしたものですらひとりもいなかったのです。)
警察に通報したものですら一人もいなかったのです。
(ますこみは、「だいとしとくゆうのれいたんさやたにんへのむかんしんさがはいけいにある」)
マスコミは、「大都市特有の冷淡さや他人への無関心さが背景にある」
(とろんじました。)
と論じました。
(しかし、しんりがくしゃたちは、げんいんはそれだけではなく)
しかし、心理学者たちは、原因はそれだけではなく
(おおくのもくげきしゃがいたことが、かえってひとびとのえんじょこうどうをよくせいしたのではないか)
多くの目撃者がいたことが、かえって人々の援助行動を抑制したのではないか
(とかんがえています。)
と考えています。
(このせつをたしかめるためにおこなわれたのが「ぼうかんしゃじっけん」です。)
この説を確かめるために行われたのが「傍観者実験」です。
(このじっけんは、はじめにひけんしゃであるがくせいにしゅうだんとうろんかいへのさんかをいらいし、)
この実験は、初めに被験者である学生に集団討論会への参加を依頼し、
(かくじこしつにあんないされ、いんたーふぉんでたのさんかしゃとともにぎだいについてのいけん)
各自個室に案内され、インターフォンで他の参加者とともに議題についての意見
(をのべるようにしじされます。すると、とつぜん、)
を述べるように指示されます。すると、突然、
(べつのへやにいるさんかしゃのひとりがほっさをおこし、たすけをもとめてきます。)
別の部屋にいる参加者の一人が発作をおこし、助けを求めてきます。
(このじっけんは、さんかしゃがふたり、さんにん、ろくにんのぱたーんでおこなわれました。)
この実験は、参加者が二人、三人、六人のパターンで行われました。
(そのけっか、さんかしゃがふたりだと3ふんいないにぜんいんがそとにいるけんきゅうしゃにじたいをほうこくした)
その結果、参加者が二人だと3分以内に全員が外にいる研究者に事態を報告した
(のにたいし、ろくにんでは4ふんけいかしても60%のひとしかほうこくしなかったのです。)
のに対し、六人では4分経過しても60%の人しか報告しなかったのです。
(つまり、おおくのたしゃがいるときほど、ひとはえんじょこうどうをおこしにくいという)
つまり、多くの他者がいる時ほど、人は援助行動を起こしにくいという
(ぼうかんしゃこうかがしょうめいされたわけです。)
傍観者効果が証明されたわけです。