アリスの憂鬱

(こよいもまちをあるく)

今宵も街を歩く

(ねおんにいろどられたおしろのむれ)

ネオンに彩られたお城の群れ

(うさぎさんどうぞこちらへ)

ウサギさんどうぞこちらへ

(ひみつのおちゃかいへしょうたい)

秘密のお茶会へ招待

(はじめてだかれたよる)

初めて抱かれた夜

(あいされかたをきざまれたわたし)

愛され方を刻まれた私

(１２のよるのぜつぼう)

12の夜の絶望

(すべてがかがみのあいじょう)

すべてが鏡の愛情

(こわれてからあなたにきづいた)

壊れてからあなたに気づいた

(わたしによくにたかおでわらうひと)

私によく似た顔で笑う人

(いつのまにやらいたみもわすれて)

いつの間にやら痛みも忘れて

(くるうゆめをみてた)

狂う　夢を見てた

(かなしみもよろこびも)

悲しみも喜びも

(とじこめたからのおくで)

閉じ込めた殻の奥で

(かがみうつしのこのよるに)

鏡映しのこの夜に

(いまほら)

今ほら

(えんじてみせて)

演じてみせて

(けなげなしょうじょのふり)

健気な少女の振り

(おきゃくさまのおのぞみのとおりに)

お客様のお望みの通りに

(こわれかたをしりました)

壊れ方を知りました

(わたしをけせばいいのね)

私を消せばいいのね

(かがみのうらあのひとがあえぐ)

鏡の裏　あの人があえぐ

(しかいをとざされてきょうもみつめる)

視界を閉ざされて今日も見つめる

(じぶんじしんにいみをもたなければ)

自分自身に意味を持たなければ

(なんてすてきなよる)

なんて　素敵な夜

(おりのなかのとりならば)

檻の中の鳥ならば

(きずつくことさえなくて)

傷つくことさえなくて

(じゆうにいきていけるのね)

自由に生きていけるのね

(あのひと)

“あの人”

(ぎせいにして)

犠牲にして

(きっとわかってたあのひとはわたし)

きっと分かってた　“あの人”は私

(きずぐちをなでてじぶんたしかめた)

傷口を撫でて自分確かめた

(おちていくならいっそそのままで)

落ちていくならいっそそのままで

(どうかゆめみさせて)

どうか　夢見させて

(あいじょうをうけとめて)

愛情を受け止めて

(じぶんじしんころしてく)

自分自身殺してく

(かがみうつしのきれいなありす)

鏡映しの綺麗なアリス

(さぁさぁ)

サァサァ

(よるがとける)

夜が溶ける