なるべく君を思い出さないように／落合渉

(つくえにやまづみのおもいでと)

机に山積みの思い出と

(もうつかうことないきみのはぶらし)

もう使うことない君の歯ブラシ

(てをつなぐとあたたかいよって)

「手を繋ぐと暖かいよ」って

(みぎからみてたきみがすてれない)

右から見てた君が捨てれない

(さいごだけどうして？)

最後だけどうして？

(ごめんねばっかり)

「ごめんね」ばっかり

(すんなりかたどってはぼくはむねがいたいよ)

すんなり型取っては僕は胸が痛いよ

(なるべくきみをおもいださないように)

なるべく君を思い出さないように

(あのみちもあのえきもにどととおらないから)

あの道もあの駅も二度と通らないから

(すこしでもきみがわらってられるように)

少しでも君が笑ってられるように

(もうでんわはかけないように)

もう電話はかけないように

(あいにいってしまわないように)

会いに行ってしまわないように

(ぜんぶぜんぶきょうですてるから)

全部全部今日で捨てるから

(きみのにおいだけのこったしーつと)

君の匂いだけ残ったシーツと

(もういえないおやすみ)

もう言えない「おやすみ」

(だいすきさみしいいかないでって)

「大好き」「寂しい」「行かないで」って

(ひびくこえがまだあらえない)

響く声がまだ洗えない

(なんだっていいからりゆうをつけて)

何だっていいから理由をつけて

(いますぐきみにあいたいぼくはたえられないよ)

今すぐ君に会いたい僕は耐えられないよ

(なるべくきみにおもいだしてもらえるように)

なるべく君に思い出してもらえるように

(あのみちをあのえきをとおりすぎるたびに)

あの道をあの駅を通り過ぎる度に

(すこしでもぼくをわすれられぬように)

少しでも僕を忘れられぬように

(このこえがききたくなるように)

この声が聞きたくなるように

(あのよるがほしくなるように)

あの夜が欲しくなるように

(ぜんぶそれもきょうでやめるから)

全部それも今日でやめるから

(ほんとうはどうしてもきみにあいたいの)

本当はどうしても君に会いたいの

(ごめんねとおやすみを)

「ごめんね」と「おやすみ」を

(ずっとくりかえすように)

ずっと繰り返すように

(それでもきみににどとあえないのは)

それでも君に二度と会えないのは

(だれよりもわかってるから)

誰よりも分かってるから

(だれよりもあいしてるから)

誰よりも愛してるから

(なるべくきみをおもいださないように)

なるべく君を思い出さないように

(あのみちもあのえきもにどととおらないから)

あの道もあの駅も二度と通らないから

(すこしでもきみがわらってられるように)

少しでも君が笑ってられるように

(もうでんわはかけないように)

もう電話はかけないように

(あいにいってしまわないように)

会いに行ってしまわないように

(ぜんぶぜんぶきょうですてるから)

全部全部今日で捨てるから