卑屈の脳内

(いきているごみなのにいきている)

生きている　ごみなのに生きている

(いやなやついやいやいかしてもらってる)

嫌な奴　嫌々生かしてもらってる

(きっともっとだいじなことがあるのに)

きっともっと大事なことがあるのに

(こんなきょくをきいてる)

こんな曲を聴いてる

(むいなよんふんをくりかえして)

無為な4分を繰り返して

(あさひがのぼってやっとこうかいする)

朝日が昇ってやっと後悔する

(ああただばくぜんときえたい)

ああ　ただ漠然と消えたい

(きょうもおはようをききかえされる)

今日も「おはよう」を聞き返される

(いいなおしたこえがさらにちいさい)

言い直した声が更に小さい

(へんにおもわれてないかなあって)

変に思われてないかなあって

(ぼくがきにかけているように)

僕が気にかけているように

(あのこもきをつかってくれている)

あの子も気をつかってくれている

(ちゃんとわかんなきゃ)

ちゃんと分かんなきゃ

(とかなにいいこちゃんぶってんの)

とか何良い子ちゃんぶってんの

(とかおもってるじてんでいいこじゃない)

とか思ってる時点で良い子じゃない

(とかいかしょうりゃく)

とか（以下省略）

(こせいとおんりーわんしんこう)

個性とオンリーワン信仰

(すきなことでいきよう)

好きなことで生きよう

(しんしんきえいのくりえいたー)

新進気鋭のクリエイター

(ひっしのばーたー)

必死のバーター

(きせいひんのあいでんてぃてぃ)

既製品のアイデンティティ

(なんだよねんでおわりわらいとふきんしん)

なんだ4年で終わり？ 笑いと不謹慎

(それがおとなとこどものぶんきてん)

それが大人と子どもの分岐点

(いきているごみなのにいきている)

生きている　ごみなのに生きている

(いやなやついやいやいかしてもらってる)

嫌な奴　嫌々生かしてもらってる

(やさしいからすてないでくれてる)

優しいから捨てないでくれてる

(せっかくうまれたかんじょうが)

せっかく生まれた感情が

(なんでこんなんなんだろうって)

なんでこんなんなんだろうって

(いつかこんなぼくをわらえたら)

いつかこんな僕を笑えたら

(ああなんでこんなんなんだろう)

ああ　なんでこんなんなんだろう

(かわいいですねかっこいいですね)

「かわいいですね」「かっこいいですね」

(すごいですねうまいですね)

「すごいですね」「上手いですね」

(ぎむですかよくめですか)

義務ですか？　欲目ですか？

(っておもうのはさすがにやりすぎですよね)

って思うのはさすがにやりすぎですよね？

(そんなことないですよより)

「そんなことないですよ」より

(ありがとうがぜったいかわいいから)

「ありがとう」が絶対可愛いから

(そうはいうけどおもってないから)

そうは言うけど思ってないから

(そのくせざいあくかんだけはあるから)

そのくせ罪悪感だけはあるから

(まいなーないけんむししてなんぼのそんげん)

マイナーな意見　無視してなんぼの尊厳

(しゃかいのはぐるまそれでもしこうはとめるな)

社会の歯車　それでも思考は止めるな

(ぼくのなかにすむかいぶつあらわれるうつ)

僕の中に住む怪物　現れる鬱

(はねつけたあいほんとはすこしだけやすみたい)

撥ねつけた愛 ほんとは少しだけ休みたい

(いきているごみなのにいきている)

生きている　ごみなのに生きている

(いやなやついやいやいかしてもらってる)

嫌な奴　嫌々生かしてもらってる

(きっともっとだいじなことがあるのに)

きっともっと大事なことがあるのに

(なんでこんなきょくきいてんの)

なんでこんな曲聴いてんの？

(なにひとのじかんむだにしてんの)

なに人の時間無駄にしてんの

(ごみはごみばこへくさいものにはふたを)

ごみはごみ箱へ くさいものには蓋を

(どうせごみならいっそ)

どうせごみならいっそ

(しゃかいのごみばこになって)

社会のごみ箱になって

(きたないのぜんぶぼくにすててくれよ)

汚いの全部　僕に捨ててくれよ

(はんざいもおしょくもせんそうもふりんもれっとうかんも)

犯罪も汚職も戦争も不倫も劣等感も

(きたないのぜんぶ)

汚いの全部

(しょうきゃくろにとびこんじゃったりして)

焼却炉に飛び込んじゃったりして

(ちきゅうがいっそうきれいになって)

地球が一層綺麗になって

(ごみはごみでもいいごみだったねって)

ごみはごみでも良いごみだったねって

(べつにすきじゃなくたっていいから)

別に好きじゃなくたっていいから

(ただきらわれたくない)

ただ嫌われたくない