Drifter / キリンジ

(かわしたはずのないやくそくにしばられ)

交わしたはずのない　約束に縛られ

(やぶりすてようとすればうしろめたくなるのはなぜだ)

破り棄てようとすれば　後ろめたくなるのはなぜだ

(てまきのうでどけいでえいえんははかれない)

手巻きの腕時計で　永遠は計れない

(むなしさをかんじてもてばなせないわけがこのむねにある)

虚しさを感じても　手放せないわけがこの胸にある

(たとえうつがよふけにめざめてけだもののようにおそいかかろうとも)

たとえ鬱が夜更けに目覚めて　獣のように襲いかかろうとも

(いのりをからすがひきさいてながれだまのあめがふりそそごうとも)

祈りをカラスが引き裂いて　流れ弾の雨が降り注ごうとも

(このまちのそらのもとあなたがいるかぎりぼくはにげない)

この街の空の下あなたがいるかぎり　僕は逃げない

(にんぎょうのいえにはにんげんはすめないりゅうひょうのようなまちでおいかけてたのはにげみず)

人形の家には人間は棲めない　流氷のような街で追いかけてたのは逃げ水

(いろんなひとがいて、いろんなことをいうよ)

いろんな人がいて、いろんなことを言うよ

(「おかねがすべてだぜ」といいきれたならきっとまよいもうせる)

「お金がすべてだぜ」と言い切れたなら　きっと迷いも失せる

(みんなあいのうたにせつかれてあたえるよりおおくうばってしまうんだ)

みんな愛の歌に背突かれて　与えるより多く奪ってしまうんだ

(かわいたかぜがふきあれてでんえんのふうけいをさばくにしたなら)

乾いた風が吹き荒れて　田園の風景を砂漠にしたなら

(てりつけるそらのもとあなたはこのぼくのそばにいるだろうか？)

照りつける空の下　あなたはこの僕の傍にいるだろうか？

(たとえうつがよふけにめざめてけだもののようにおそいかかろうとも)

たとえ鬱が夜更けに目覚めて　獣のように襲いかかろうとも

(いのりをからすがひきさいてながれだまのあめがふりそそごうとも)

祈りをカラスが引き裂いて　流れ弾の雨が降り注ごうとも

(このまちのそらのもとあなたがいるかぎり)

この街の空の下あなたがいるかぎり

(ぼくはきっとしらふなやつでいたいんだ)

僕はきっとシラフな奴でいたいんだ

(こどものなくこえがおどりばにひびくよる)

子供の泣く声が踊り場に響く夜

(れいぞうこのどあをひらいてぼとるのみずのんでちかいをたてるよ)

冷蔵庫のドアを開いて　ボトルの水飲んで誓いを立てるよ

(よくぼうがうずをまくうなばらさえｍｏｏｎｒｉｖｅｒをわたるようなすてっぷで)

欲望が渦を巻く海原さえ　Moon riverを渡るようなステップで

(ふみこえてゆこうあなたとこのぼくのそばにいるだろう？)

踏み越えてゆこうあなたと　この僕の傍にいるだろう？