こうのとり 2
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問題文
(おかあさんははなしをつづけました。)
お母さんは話を続けました。
(「それから、あきにはくにじゅうのこうのとりがあつまって)
「それから、秋には国中のこうのとりが集まって
(あきのだいうんどうかいをはじめるの。)
秋の大運動会を始めるの。
(そのとき、うまくとべないと、たいちょうさんがくちばしでつきさしてしまうわ」)
その時、うまく飛べないと、隊長さんがくちばしで突き刺してしまうわ」
(「じゃあ、やっぱり、くしざしにされるんだ」)
「じゃあ、やっぱり、くし刺しにされるんだ」
(「うたをきにしちゃだめ。)
「歌を気にしちゃだめ。
(おまえたちは、けいこがはじまったらいっしょうけんめいおぼえることよ。)
おまえたちは、稽古が始まったら一生懸命覚えることよ。
(だいうんどうかいがすむと、みんなでいよいよ、やまをこえもりをこえ)
大運動会が済むと、みんなでいよいよ、山を越え森を越え
(うみをわたって、とおくへいくの!)
海を渡って、遠くへ行くの!
(そう、とおいあついくに、えじぷとへとんでいくのよ。)
そう、遠い暑い国、エジプトへ飛んでいくのよ。
(そこではいちにちじゅう、たべてねていればいいの。)
そこでは一日中、食べて寝ていればいいの。
(のんびりしていて、たのしそうでしょう!)
のんびりしていて、楽しそうでしょう!
(どうしてえじぷとにいくかっていうとね、)
どうしてエジプトに行くかって言うとね、
(ここはふゆになると、なにもかもこおりつくほどさむくなるの。)
ここは冬になると、何もかも凍りつくほど寒くなるの。
(そらのくももこおって、しろいちいさなはねのようになって)
空の雲も凍って、白い小さな羽のようになって
(まいにち、ちらちらふりつづけるのよ」)
毎日、ちらちら降り続けるのよ」
(おかあさんはひなたちに、ゆきのことをはなそうとしたのですが)
お母さんはひな達に、雪のことを話そうとしたのですが
(うまくいえなかったのです。)
うまく言えなかったのです。
(「あのこたちも、こおってしまうの?」)
「あの子たちも、凍ってしまうの?」
(「あのこたちは、こおらないわ。)
「あの子たちは、凍らないわ。
(でも、さむいからいえのなかで、ちぢかんでいなきゃならないのよ。)
でも、寒いから家の中で、ちぢかんでいなきゃならないのよ。
(それにくらべてごらん。)
それに比べてごらん。
(おまえたちは、あたたかいおひさまがてって、うつくしいはなでいっぱいの)
お前たちは、温かいお日様が照って、美しい花でいっぱいの
(すてきなくにでとびまわっていられるんだから」)
素敵な国で飛び回っていられるんだから」
(やがて、ちいさかったひなたちは)
やがて、小さかったひな達は
(すのなかからとおくをみわたせるほど、おおきくなりました。)
巣の中から遠くを見渡せるほど、大きくなりました。
(おとうさんは、まいにちせっせと)
お父さんは、毎日せっせと
(ごちそうのかえるやとかげをはこんで、たべさせつづけました。)
ごちそうの蛙やとかげを運んで、食べさせ続けました。
(あるひ、おかあさんがいいました。)
ある日、お母さんが言いました。
(「さあ、みんな、とぶおけいこですよ」)
「さあ、みんな、飛ぶお稽古ですよ」
(よんわのひなは、やねへおいあげられました。)
四羽のひなは、屋根へ追い上げられました。
(「うわあ、こわいよう」)
「うわあ、こわいよう」
(「よくみて!あたまをしゃんとあげるの。)
「よく見て!頭をしゃんと上げるの。
(あしをこう、ふんばって、)
足をこう、踏ん張って、
(いち、に!いち、に!そして、ほら!」)
いち、に!いち、に!そして、ほら!」
(おかあさんは、さっととんでみせました。)
お母さんは、さっと飛んで見せました。
(ひなたちは、おっかなびっくり、じゃんぷをしてみましたが)
ひな達は、おっかなびっくり、ジャンプをしてみましたが
(そのままじめんについらく。みんなそろってしっぱいです。)
そのまま地面に墜落。みんな揃って失敗です。
(からだがおもすぎるのです。)
体が重すぎるのです。
(「もういやだ、とびたくないよう」)
「もう嫌だ、飛びたくないよう」
(「あついくにになんか、いかなくってもいいよう」)
「暑い国になんか、行かなくってもいいよう」
(ひなたちは、すにもどりながらわめきました。)
ひな達は、巣に戻りながらわめきました。
(「わかったわ。おまえたちはふゆになったら)
「わかったわ。お前たちは冬になったら
(ここでこごえじにしたいんだね?)
ここで凍え死にしたいんだね?
(あのわんぱくたちがきて、おまえたちのくびをしばって)
あのわんぱくたちが来て、お前たちの首をしばって
(くしざしにして、やいてもいいんだね。)
くし刺しにして、焼いてもいいんだね。
(じゃあ、すぐあのこらをよぶわ」)
じゃあ、すぐあの子らを呼ぶわ」
(「いやだ、いやだあ」)
「いやだ、いやだあ」
(ひなたちはまた、やねのうえにでて、じゃんぷをはじめました。)
ひな達はまた、屋根の上に出て、ジャンプを始めました。
(みっかめになると、みんなどうにかとべるようになりました。)
三日目になると、みんなどうにか飛べるようになりました。
(おとこのこたちがしたのみちへやってきて)
男の子たちが下の道へやってきて
(またいつものうたを、うたいだしました。)
またいつもの歌を、うたいだしました。
(ひなたちは、くやしくてたまりません。)
ひな達は、くやしくてたまりません。
(「とんでいって、あいつらのめをつついてやろうか」)
「飛んで行って、あいつらの目をつついてやろうか」
(「だめだめ、ほおっておきなさい。)
「だめだめ、放っておきなさい。
(それより、とぶおけいこよ。)
それより、飛ぶお稽古よ。
(そのほうがずっとだいじなんだから」とおかあさんがいいました。)
そのほうがずっと大事なんだから」とお母さんが言いました。
(「さあ、いち、に、さん!ひだりへとんで!いち、に、さん!)
「さあ、いち、に、さん!左へ飛んで!いち、に、さん!
(こんどは、えんとつのまわりをとんでごらん。)
今度は、煙突の周りを飛んでごらん。
(ほうら、ほら、とてもよくできたわ。)
ほうら、ほら、とてもよくできたわ。
(みんなこんなにうまくとべるようになったから)
みんなこんなにうまく飛べるようになったから
(あしたは、おかあさんといっしょにぬまへいってみましょう」)
明日は、お母さんと一緒に沼へ行ってみましょう」
(「そのまえに、あのこらにしかえしするんだ」)
「その前に、あの子らに仕返しするんだ」
(ひなたちは、じっとこどもたちをみていました。)
ひな達は、じっと子供たちを見ていました。
(こどもたちのなかで、いちばんのわんぱくは)
子供たちの中で、一番のわんぱくは
(いつもまっさきにうたいだす、むっつくらいのおとこのこでした。)
いつも真っ先に歌いだす、六つくらいの男の子でした。
(ひなたちは、そのこがひゃくさいくらいだろうとおもいました。)
ひな達は、その子が百歳くらいだろうと思いました。
(こうのとりの、おとうさんやおかあさんより)
こうのとりの、お父さんやお母さんより
(ずっとずっとおおきかったからです。)
ずっとずっと大きかったからです。
(ひなたちには、にんげんのとしなんてどうしてもわかりませんでした。)
ひな達には、人間の年なんてどうしてもわかりませんでした。