ゆきしろとばらべに 2
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問題文
(あさになると、ふたりはくまをそとにだしてやりました。)
朝になると、二人はくまを外に出してやりました。
(くまは、ゆきのうえをはしって、もりのなかにはいっていきました。)
くまは、雪の上を走って、森の中に入って行きました。
(そのひから、くまはまいばん、きまったじかんにやってきて)
その日から、くまは毎晩、決まった時間にやってきて
(ろのそばによこになりました。)
炉のそばに横になりました。
(ふたりはおもいっきり、くまとあそびました。)
二人はおもいっきり、くまと遊びました。
(くまは、ふたりにいたずらされては、 うーうーとよろこんでうなりました。)
くまは、二人にいたずらされては、 うーうーと喜んでうなりました。
(「くまさんがくるまでは、とをあけておかない?」)
「くまさんが来るまでは、戸を開けておかない?」
(「そうね、もうくるころだわね」)
「そうね、もう来るころだわね」
(ふたりは、このおおきいおともだちがだいすきになりました。)
二人は、この大きいお友達が大好きになりました。
(いつも、くるのをまっていました。)
いつも、来るのを待っていました。
(みんながねると、くまもろのそばにじっとよこになってめをつぶります。)
みんなが寝ると、くまも炉のそばにじっと横になって目をつぶります。
(あさまで、ぎょうぎよくねむっています。)
朝まで、行儀よく眠っています。
(あさがくると、ゆきしろがいいます。 「おはよう、くまさん」)
朝がくると、ゆきしろが言います。 「おはよう、くまさん」
(ばらべにもいいます。 「おはよう、わたしのだいじなおともだち」)
ばらべにも言います。 「おはよう、私のだいじなお友達」
(やがてはるがきました。もりはうつくしいみどりになりました。)
やがて春が来ました。森は美しい緑になりました。
(あるあさ、くまはゆきしろにいいました。)
ある朝、くまはゆきしろに言いました。
(「おせわになりました。 もうわたしは、さよならをしなくちゃなりません」)
「お世話になりました。 もう私は、さよならをしなくちゃなりません」
(「まあ、さよならですって?くまさん、いったいどこへいくの?」)
「まあ、さよならですって?くまさん、いったいどこへ行くの?」
(ゆきしろは、おどろいてききました。)
ゆきしろは、驚いて聞きました。
(「もりへかえるのです。わたしのたからものを、わるいこびとからまもるためにね」)
「森へ帰るのです。私の宝物を、悪いこびとから守るためにね」
(「え?それはどういうわけ?」)
「え?それはどういうわけ?」
(「あたたかくなるとね、こおりついたじめんがとけて、)
「暖かくなるとね、こおりついた地面がとけて、
(ちのそこにいるこびとがでてきてぬすむんです。)
地の底にいるこびとが出てきて盗むんです。
(すると、にどとたからものはでてこなくなるのです」)
すると、二度と宝物は出てこなくなるのです」
(「くまさんが、いってしまうなんて・・・」)
「くまさんが、行ってしまうなんて・・・」
(ゆきしろは、とてもかなしくおもいました。)
ゆきしろは、とても悲しく思いました。
(が、とのかんぬきをはずしました。)
が、戸のかんぬきをはずしました。
(くまがでようとしたときでした。)
くまが出ようとした時でした。
(くまのかわが、かぎにひっかかってすこしちぎれました。)
くまの皮が、かぎに引っかかって少しちぎれました。
(ゆきしろには、かわのしたにきんがきらきらひかったようにみえました。)
ゆきしろには、皮の下に金がきらきら光ったように見えました。
(あるひのこと。おかあさんがいいました。)
ある日のこと。お母さんが言いました。
(「ゆきしろや、ばらべにや、)
「ゆきしろや、ばらべにや、
(もりへいって、きのえだをあつめておいで。 たきぎがいるからね」)
森へ行って、木の枝を集めておいで。 たきぎがいるからね」
(ふたりがもりへいくと、おおきなきがじめんにたおれています。)
二人が森へ行くと、大きな木が地面に倒れています。
(すると、そのきのそばでくさのあいだを)
すると、その木のそばで草の間を
(みょうなものが、ぴょんぴょんはねています。)
みょうなものが、ぴょんぴょん跳ねています。
(「いたい!いたい!ちくしょう、ひげが・・・」)
「痛い!痛い!ちくしょう、ひげが・・・」
(と、うなっているのもきこえてきました。)
と、うなっているのも聞こえてきました。
(ちかよってみると、しわだらけのとしよりのこびとでした。)
近寄ってみると、しわだらけの年寄りのこびとでした。
(はやしている、ながいながいひげのはしが)
生やしている、長い長いひげのはしが
(きのさけめにはさまって、こまっているのです。)
木のさけ目にはさまって、困っているのです。
(あっちこっちとはねまわるのですが どうしても、ひげがぬけません。)
あっちこっちと跳ね回るのですが どうしても、ひげが抜けません。
(こびとは、ふたりをみると じろりとにらみつけて、わめきました。)
こびとは、二人を見ると じろりとにらみつけて、わめきました。
(「なんだって、ぼうのようにつったってるんだ。)
「なんだって、棒のように突っ立ってるんだ。
(さっさとおれをたすけてくれたらいいじゃないか。 ばかものめが」)
さっさと俺を助けてくれたらいいじゃないか。 ばかものめが」
(ばらべにがききました。 「どうしたの、あんた?」)
ばらべにが聞きました。 「どうしたの、あんた?」
(「ばかめ、みればわかるじゃないか。)
「ばかめ、見ればわかるじゃないか。
(おれは、ほそいたきぎをつくるつもりで、 このきをわろうとしたんだ。)
俺は、細いたきぎを作るつもりで、 この木を割ろうとしたんだ。
(おれたちのたべものは、ほんのちょっぴりだからな。)
俺たちの食べ物は、ほんのちょっぴりだからな。
(ふといたきぎじゃ、すぐにこげついてしまうんじゃ。)
太いたきぎじゃ、すぐに焦げ付いてしまうんじゃ。
(おまえらのような、おおぐらいじゃないからな。)
お前らのような、大ぐらいじゃないからな。
(くさびをうまくうちこんで、もうすこしというところで)
くさびをうまく打ち込んで、もう少しというところで
(くさびが、つるっとぬけちまったんだ。)
くさびが、つるっと抜けちまったんだ。
(とたんに、きのあいだにおれのりっぱなひげがはさまっちまってよ、 このありさまだ。)
とたんに、木の間に俺の立派なひげが挟まっちまってよ、 このありさまだ。
(それをおまえらは、げらげらわらってやがる。 それ、ぬいてくれ」)
それをお前らは、げらげら笑ってやがる。 それ、抜いてくれ」
(ふたりは、うんうんひっぱりましたが)
二人は、うんうん引っぱりましたが
(ひげは、しっかりはさまってぬけません。)
ひげは、しっかり挟まって抜けません。
(「いそいで、だれかつれてくるわ」と、ばらべにがいいました。)
「急いで、誰か連れてくるわ」と、ばらべにが言いました。
(すると、こびとはまたおこってわめきました。)
すると、こびとはまた怒ってわめきました。
(「とんちきめ。ひとをよんだってどうなる?)
「とんちきめ。人を呼んだってどうなる?
(おまえたちふたりでも、おおすぎるのに。)
お前たち二人でも、多すぎるのに。
(もっと、きのきいたことをかんがえろ」)
もっと、気の利いたことを考えろ」
(「まあ、まってらっしゃい。いいことがあるわ」)
「まあ、待ってらっしゃい。いいことがあるわ」
(と、ゆきしろがいいました。)
と、ゆきしろが言いました。
(じぶんのぽけっとから、ちいさいはさみをだして)
自分のポケットから、小さいはさみを出して
(ちょきんと、ひげのはしっぽをきりとりました。)
ちょきんと、ひげのはしっぽを切り取りました。
(とたんに、こびとのからだはらくにうごきだしました。)
とたんに、こびとの体は楽に動き出しました。
(するとさっそく、こびとは、 きのねにはさまっていたふくろをつかみました。)
するとさっそく、こびとは、 木の根に挟まっていた袋をつかみました。
(なかには、きんがいっぱいつまっていました。)
中には、金がいっぱい詰まっていました。
(「ふん、おれのだいじなひげをきりとりやがったな。 おぼえてろ」)
「ふん、俺の大事なひげを切り取りやがったな。 おぼえてろ」
(とわるくちをいいながら、ふくろをかつぎあげました。)
と悪口をいいながら、袋を担ぎ上げました。
(そして、ふたりのほうをふりむきもせず、)
そして、二人の方を振り向きもせず、
(どこかへいってしまいました。)
どこかへ行ってしまいました。