サンドウィッチマン【葬儀社 2007】その1
名前の部分はタイピング不要です。
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問題文
(うぃーん)
伊達:ウィーン
(あ、いらっしゃいませ。)
富澤:あ、いらっしゃいませ。
(あの、ここそうぎしゃだよね。)
伊達:あの、ここ葬儀社だよね。
(はい。ぱらだいすそうぎしゃです。)
富澤:はい。パラダイス葬儀社です。
(ぱらだいすっていうんだ。おもいきったな。)
伊達:パラダイスっていうんだ。思い切ったな。
(はい。)
富澤:はい。
(ふーん。)
伊達:ふーん。
(あ、あのかんおけのさいずなおしのうじいえさん。)
富澤:あ、あの棺桶のサイズ直しの氏家さん。
(ちがうわ、おまえ。なんだその、さいずなおしって。)
伊達:ちがうわ、お前。なんだその、サイズ直しって。
(いや、ちがうんだよ。ちょっとおやじのけんでさ。)
伊達:いや、違うんだよ。ちょっと親父の件でさ。
(くみちょうさん。)
富澤:組長さん。
(くみちょうじゃねぇよ。)
伊達:組長じゃねぇよ。
(かたぎだよ。かんぜんかたぎ。おれぱんこうじょうではたらいてんだよ。)
伊達:カタギだよ。完全カタギ。俺パン工場で働いてんだよ。
(ちょっと、なにいってるかわからない。)
富澤:ちょっと、何言ってるかわからない。
(なんでなにいってるかわかんねぇんだよ。)
伊達:なんで何言ってるかわかんねぇんだよ。
(だから、べるとこんべああんだろ。)
伊達:だから、ベルトコンベアあんだろ。
(で、むこうからあんぱんがながれてくんだよ。)
伊達:で、向こうからアンパンが流れてくんだよ。
(それにずっとごまのせてんだよ。)
伊達:それにずっとゴマ乗せてんだよ。
(いいんだよ、おれのしごとのはなし。)
伊達:いいんだよ、俺の仕事の話。
(いや、うちのおやじがさ、いまちょっとにゅういんしてるんだよ。)
伊達:いや、うちの親父がさ、今ちょっと入院してるんだよ。
(はい。)
富澤:はい。
(で、このに、さんにちがどうやらやまらしいんだよね。)
伊達:で、この二、三日がどうやらヤマらしいんだよね。
(おとうさんがやまあらしだ。)
富澤:お父さんがヤマアラシだ。
(いってねぇよ。)
伊達:言ってねぇよ。
(なんでうちのおやじやまあらしなんだよ。)
伊達:なんでうちの親父ヤマアラシなんだよ。
(やま。)
伊達:ヤマ。
(かわ。)
富澤:かわ。
(なんのとびらがあくんだよ。)
伊達:なんの扉が開くんだよ。
(やま、きとく。)
伊達:ヤマ、危篤。
(あ、きとく。それはそれは。)
富澤。あ、危篤。それはそれは。
(なにわらってんだよ。)
伊達:何笑ってんだよ。
(なぁ、おまえうれしいかもしれないけど、おれつらいんだよ。)
伊達:なぁ、お前嬉しいかもしれないけど、俺辛いんだよ。
(あ、はい。)
富澤:あ、はい。
(んで、いまのうちに。)
伊達:んで、今のうちに。
(きゅうになくなっちゃったりしたらさばたばたすんじゃん。)
伊達:急に亡くなっちゃったりしたらさバタバタすんじゃん。
(したいが?)
富澤:死体が?
(したいじゃねぇよ。なんでなくなったしたいがばたばたすんだよ。)
伊達:死体じゃねぇよ。なんで亡くなった死体がバタバタすんだよ。
(ばたりあんじゃねぇか。ねぇ。ちがうよね。)
伊達:バタリアンじゃねぇか。ねぇ。違うよね。
(だから、いまのうちに)
伊達:だから、今のうちに
(そうしきをあげてしまおう)
富澤:葬式をあげてしまおう
(そんなわけねぇだろ。きとくだっつってんだろ、いま。)
伊達:そんな訳ねぇだろ。危篤だっつってんだろ、今。
(え?)
富澤:え?
(いきてんだよ。だから、ちょっとひようとかわかんねぇんだよ。)
伊達:生きてんだよ。だから、ちょっと費用とかわかんねぇんだよ。
(あー、はいはい。)
富澤:あー、はいはい。
(だからちょっとききにきたんだよ。)
伊達:だからちょっと聞きに来たんだよ。
(じゃあ、よやくですか?)
富澤:じゃあ、予約ですか?
(よやく、え、そんなのできんの?)
伊達:予約、え、そんなのできんの?
(まぁ、あんまりするかたいないですけども。)
富澤:まぁ、あんまりする方いないですけども。
(だろうな。)
伊達:だろうな。
(うちとしてはじゅんびしておけるんでそのほうがありがたいです。)
富澤:うちとしては準備しておけるんでその方がありがたいです。
(あ、そうなの。)
伊達:あ、そうなの。
(はい。)
富澤:はい。
(じゃあ、ちょっとおしえてよ、いろいろ。)
伊達:じゃあ、ちょっと教えてよ、色々。
(あ、ほんとうですか?じゃあ、そちらにどうぞ。)
富澤:あ、本当ですか?じゃあ、そちらにどうぞ。
(あー、はいはいはい。)
伊達:あー、はいはいはい。
(いちおうあの、よやくですと、きゃんせるだけないようにおねがいします。)
富澤:一応あの、予約ですと、キャンセルだけ無いようにお願いします。
(まぁ、おやじぶじだったらおまえのそうしきにしてやるよ。かんたんなはなしだ。)
伊達:まぁ、親父無事だったらお前の葬式にしてやるよ。簡単な話だ。
(えー、ではおなまえよろしいですか。)
富澤:えー、ではお名前よろしいですか。
(えー、なまえだて。)
伊達:えー、名前伊達。
(えー、だてさんですね。)
富澤:えー、伊達さんですね。
(そう。)
伊達:そう。
(あ、すいません。いまのですはしぬとかそういういみでは。)
富澤:あ、すいません。今のですは死ぬとかそういう意味では。
(わかってるよ、そんなこと。わかってるよ。)
伊達:わかってるよ、そんなこと。わかってるよ。
(いや、なんかきをわるくされたのかと。)
富澤:いや、なんか気を悪くされたのかと。
(おまえがそっちのほうこうにもってってるんだろ。)
伊達:お前がそっちの方向に持ってってるんだろ。
(やめてくれよ、おまえ。)
伊達:やめてくれよ、お前。
(ではそうぎのほうなんですけれど。むっしゅはどなたが。)
富澤:では葬儀の方なんですけれど。ムッシュはどなたが。
(もしゅね。)
伊達:喪主ね。
(もしゅ。)
富澤:喪主。
(むっしゅって、なんでおまえりょうりちょうがひつようなんだよ。もしゅ。)
伊達:ムッシュって、なんでお前料理長が必要なんだよ。喪主。
(もしゅ。)
富澤:喪主。
(もしゅはおれかな、ちょうなんだから。)
伊達:喪主は俺かな、長男だから。
(おきゃくさんで。)
富澤:お客さんで。
(うん。)
伊達:うん。
(じゃあ、あのいちおうおとうさんのしゃしんだけよういしてもらってよろしいですか。)
富澤:じゃあ、あの一応お父さんの写真だけ用意してもらってよろしいですか。
(しゃしんね。あ、いえいね。)
伊達:写真ね。あ、遺影ね。
(いや、いぇーいじゃなくて、いえい。)
富澤:いや、イェーイじゃなくて、遺影。
(わかってるっつの。こんなしゃしんつかうか、おまえ。)
伊達:わかってるっつの。こんな写真使うか、お前。
(いえいでしょ。それはうん、じゅんびするよ。)
伊達:遺影でしょ。それはうん、準備するよ。
(じゃあ、ひようのほうなんですけど、)
富澤:じゃあ、費用の方なんですけど、
(うちはあの、ぐれーどでうえからみっつのこーすにわかれています。)
富澤:うちはあの、グレードで上から三つのコースに分かれています。
(あ、こーすがみっつあるの。)
伊達:あ、コースが三つあるの。
(はい。まずだいいちのこーす!)
富澤:はい。まず第一のコース!
(まてまておまえ。まってくれ。)
伊達:待て待てお前。待ってくれ。
(はい。)
富澤:はい。
(ふつうにいえねぇかな、こーすって。せかいすいえいみたいになってっから。)
伊達:普通に言えねぇかな、コースって。世界水泳みたいになってっから。
(さんずのかわおよいじゃえ)
富澤:三途の川泳いじゃえ
(やかましいよ。)
伊達:やかましいよ。
(じゃあ、まずひゃくまんえんのこーす。)
富澤:じゃあ、まず百万円のコース。
(ひゃくまんえんのこーす。)
伊達:百万円のコース。
(はい。こちらいちばんにんきのおーそどっくすなたいぷのそうぎになりますね。)
富澤:はい。こちら一番人気のオーソドックスなタイプの葬儀になりますね。
(あ、じゃあふつうのたいぷってかんじ。)
伊達:あ、じゃあ普通のタイプって感じ。
(そうですね。とくにおもしろみもない。)
富澤:そうですね。特に面白みもない。
(いいよ、おもしろくなくて。なんでおもしろくしようとしてるの。)
伊達:いいよ、面白くなくて。なんで面白くしようとしてるの。
(はい。)
富澤:はい。
(いいよふつうで。)
伊達:いいよ普通で。
(じゃあ、つづいていっせんまんえんのこーす。)
富澤:じゃあ、続いて一千万円のコース。
(いっせんまん?たけぇね?)
伊達:一千万?高ぇね。
(これはもうさいだんがじゅんきんだったり、すべてがごうかなんです。)
富澤:これはもう祭壇が純金だったり、全てが豪華なんです。
(ああ、そうなんだ。)
伊達:ああ、そうなんだ。