色彩電気

(からだはなくていろをまとうよ)

身体はなくて　色を纏うよ

(かすかにはなつでんきをたよりにして)

微かに放つ電気を頼りにして

(かわらやがらすかんでのみこむ)

瓦やガラス　噛んで飲み込む

(このみのいろがほしくてさまよってる)

好みの色が欲しくて彷徨ってる

(こはくのつぶをみつけたよ)

琥珀の粒を　見つけたよ

(くびにもようをとうえいして)

首に模様を投影して

(いっぱいほしいなぼくのいろ)

いっぱい欲しいな　僕の色

(しきさいでんきもっともっと)

色彩電気　もっともっと

(しりたいなしりたいな)

知りたいな　知りたいな

(いろんないろをしりたいな)

いろんな色を知りたいな

(かがやいてふあんなきもちとばいばいしたいの)

輝いて不安な気持ちとバイバイしたいの

(みつけてはたべましょう)

見つけては　食べましょう

(いろでからだをうつしましょう)

色で体を映しましょう

(みんなみてこんなにたのしくってうつくしいの)

みんな見て　こんなに楽しくって美しいの

(にじのといきのすかーふが)

虹の吐息の　スカーフが

(かぜになびいてぼくをなでる)

風に靡いて僕を撫でる

(からだができたうれしくなるよ)

身体ができた　嬉しくなるよ

(このほしにあるすべてのいろがほしい)

この星にある全ての色が欲しい

(れもんのいろにであえないまま)

レモンの色に　出会えないまま

(くたびれてあるけなくなったときにさ)

草臥れて歩けなくなった時にさ

(あらわれたんだそのこども)

現れたんだ　その子供

(きいろのあまぐをはおってる)

黄色の雨具を羽織ってる

(うれしくなってたかなるよ)

嬉しくなって　高鳴るよ

(ぼくはそのこをのみこんだ)

僕はその子を飲み込んだ

(なりたいななりたいな)

なりたいな　なりたいな

(いろんないろになりたいな)

いろんな色になりたいな

(おだやかでやさしいきいろにぼくはなりたいな)

穏やかで　優しい黄色に僕はなりたいな

(みつけてはたべましょう)

見つけては　食べましょう

(いろでからだをうつしましょう)

色で体を映しましょう

(いのちさえあとかたもなくしょうかしてしまいましょう)

命さえ跡形もなく消化してしまいましょう

(あまぐのいろをてあしまで)

雨具の色を手足まで

(しみろやしみろいろをまとえ)

染みろや染みろ　色を纏え

(おかしいなおかしいな)

おかしいな　おかしいな

(からだがあかくそまってく)

体が赤く染まってく

(きいろのこどもたべたのに)

黄色の子供　食べたのに

(あかくそまってきえないよ)

赤く染まって　消えないよ

(なりたいななりたいな)

なりたいな　なりたいな

(もとのすがたになりたいな)

元の姿に　なりたいな

(じゅんすいですきとおるでんきに)

純粋で　透き通る電気に

(ぼくはなりたいな)

僕はなりたいな

(のみほすよいつまでも)

飲み干すよ　いつまでも

(しぬまでみずをのんでるよ)

死ぬまで水を飲んでるよ

(あかいろがきえなくてぐるりとめはうえをむいた)

赤色が消えなくて　ぐるりと目は上を向いた

(いろどるほしにうまれたのに)

彩る星に　生まれたのに

(いのちはこうもつよくあかく)

命はこうも強く赤く