君となら

(ひざのうえにおいていたぶんこぼんが)

膝の上に置いていた文庫本が

(ばさりともくめのゆかにおちた)

バサリと木目の床に落ちた

(しゅじんこうのいもうとがびょうしつで)

主人公の妹が病室で

(まどのそとをながめているぺーじ)

窓の外を眺めているページ

(ぼくはそのつづきをよむきになれない)

僕はその続きを読む気になれない

(なんだかすこしさびしいから)

なんだか少し寂しいから

(いますぐにこのばしょをかけだして)

今すぐにこの場所を駆け出して

(きみにあいにゆきたい)

君に会いにゆきたい

(よろこびよりもかなしみのほうが)

喜びよりも悲しみの方が

(うつくしいみたいにとうといかのように)

美しいみたいに　尊いかのように

(きこえてくるせかいで)

聞こえてくる世界で

(みみをふさいでいたんだけど)

耳を塞いでいたんだけど

(きみとならさまよってもいい)

君とならさまよってもいい

(このめいろのようなかなしいせかいも)

この迷路のような悲しい世界も

(きみとならはっきりとわらい)

君とならはっきりと笑い

(しっかりとなみだをながせるようなきがする)

しっかりと涙を流せるような気がする

(きおくのなかのぺーじやおとなになっておぼえた)

記憶の中のページや大人になって覚えた

(こどくがしめつけたよるにまたないた)

孤独が締め付けた夜にまた泣いた

(かがみにうつしたよわっちぃ～わたしに)

鏡に映した弱っちぃ～私に

(いやけがさしてあんたなんかだいきらいといった)

嫌気がさしてあんたなんか大嫌いと言った

(せっかちなこのせかいでひとはどれだけの)

せっかちなこの世界で人はどれだけの

(あいをしってよわさみせてないてわらうの？)

愛を知って弱さ見せて泣いて笑うの？

(ぽけっとのなかにはｄｒｅａｍあなたがくれたすまいる)

ポケットの中にはDream　あなたがくれたスマイル

(もうすこしあるけるあなたとなら)

もう少し歩ける　あなたとなら

(いつのまにかてをつないでる)

いつの間にか手を繋いでる

(やくそくでもきめごとでもないけど)

約束でも決めごとでもないけど

(いつのまにかてをつないでわらってる)

いつの間にか手を繋いで笑ってる

(そんなふたりになれるきがする)

そんな二人になれる気がする

(おそるおそるあのつづきをよんでみる)

恐る恐るあの続きを読んでみる

(やみのなかひかりをたぐりよせるように)

闇の中　光をたぐり寄せるように

(しゅじんこうのいもうとはきょうしつで)

主人公の妹は教室で

(だいすきなこくごのきょうかしょをひらく)

大好きな国語の教科書を開く

(げんきでいてげんきでいよう)

元気でいて　元気でいよう

(なんのへんてつもないひびだよ)

何の変哲もない日々だよ

(でもきょうはいちどきりだよ)

でも今日は一度きりだよ

(もしいいことがないときは)

もしいいことがない時は

(ひとのいいとこさがすのさ)

人のいいとこ探すのさ

(そしたらせかいはこんなにもうつくしいんだ)

そしたら世界は　こんなにも美しいんだ

(にじんでもうるんでもかすんでもたちすくんでも)

滲んでも　潤んでも　霞んでも　立ちすくんでも

(きみとならさまよってもいい)

君とならさまよってもいい

(このめいろのようなかなしいせかいも)

この迷路のような悲しい世界も

(きみとならはっきりとわらい)

君とならはっきりと笑い

(しっかりとなみだをながせるようなきがする)

しっかりと涙を流せるような気がする

(きみがおもいうかべるひとつひとつを)

君が思い浮かべる　ひとつひとつを

(そのけしきをこのめでみれたらいいのにな)

その景色を　この目で見れたらいいのにな

(ただひたすらにあいをめがけて)

ただひたすらに　愛をめがけて

(いさぎよくいきてゆけたらいいな)

いさぎよく生きてゆけたらいいな

(きみとならあいまいにすぎるひびのなか)

君となら　曖昧に過ぎる日々の中

(きみとならいきてくいみがなぞめいても)

君となら　生きてく意味が謎めいても

(きみとならはっきりとわらい)

君となら　はっきりと笑い

(しっかりとなみだをながせるようなきがする)

しっかりと涙を流せるような気がする