ノスタルジーノイズ

(ぼくがずぶぬれでかえってきたの)

僕がずぶぬれで帰ってきたの

(みられてさなんかはずかしいなって)

見られてさなんか恥ずかしいなって

(ふしぎとすきなおとならべてみたけど)

不思議と好きな音並べてみたけど

(ぼくのこころにはとどかずつめたくて)

僕の心には届かず冷たくて

(ほけんしつのせんせいがかわっておちつけなく)

保健室の先生が変わって落ち着けなく

(あたまのなかぐるぐるめぐってひだりてがまっかにそまっちゃって)

頭の中ぐるぐるめぐって左手が真っ赤に染まっちゃって

(つたないてがみこころのなかで)

つたない手紙心の中で

(とけてゆく)

溶けてゆく

(どろどろに)

どろどろに

(もしもこのほしのあめがかぜがひとがはなびのように)

もしもこの星の雨が風が人が花火のように

(みんなみんなみんなきえるゆめをみたんだ)

みんなみんなみんな消える夢を見たんだ

(いまおとがひだりからわれて)

今音が左から割れて

(なつかしいみみなりがひびくんだ)

懐かしい耳鳴りが響くんだ

(でんぱおんれんぞく。)

電波音連続。

(ながれぼしがふるんです)

流れ星が降ゑんです

(たたみのにおいがはなれない。)

畳のにおいが離れない。

(はぐるまぐるぐるそうでんきばたばた)

歯車ぐるぐる送電気バタバタ

(しほうはっぽうにててつのかたまりが)

四方八方にて鉄の塊が

(でんきゅうゆらゆらめもとにうつりこむ)

電球ゆらゆら目元に映り込む

(ここらのおとはすこしにがてなんだ)

ここらの音は少し苦手なんだ

(まいびょう７だいせんしゃがすすんでく)

毎秒7台戦車が進んでく

(かんせんのうちがわがぎゃくりゅうしていく)

汗腺の内側が逆流していく

(ほわほわえきいきのしはつにのりこみ)

ホワホワ駅行の始発に乗り込み

(じんせいすこしはいーなって)

人生少しはいーなって

(ちのあじがするほどはしったな)

血の味がするほど走ったな

(ばかみたい)

バカみたい

(けさとかじゅんかんきなんてぼろぼろになってそのまんまで)

今朝とか循環器なんてボロボロになってそのまんまで

(うるさいでんわ５がつごろにて)

五月蠅い電話五月頃にて

(しぼんでくきりのよう)

しぼんでく霧のよう

(もしもこのぎんがのほしがゆめがうつがじゅみょうのように)

もしもこの銀河の星が夢が鬱が寿命のように

(みんなみんなみんなもどるゆめをみたんだ)

みんなみんなみんな戻る夢を見たんだ

(いまいろがみぎめからしずみ)

今色が右目から沈み

(なつかしいめくらみがおきるんだ)

懐かしい目暗みが起きゑんだ

(せいげんはれんぞく。)

正弦波連続。

(じんこうえいせいがおかしいな)

人工衛星がおかしいな

(たたみのにおいがはなれない。)

畳のにおいが離れない。

(あるなつのひのじめったいひに)

ある夏の日のじめったい日に

(つーんとかおるえんそのにおいが)

ツーンと香る塩素の匂いが

(しろしろくろてんてんとひかって)

白・白・黒点々と光って

(うずをまいてちつじょどおりとけ)

渦を巻いて秩序通り溶け

(ゆかのみずたまりぽつぽつおちてて)

床の水たまりポツポツ落ちてて

(３ぷんとかにはぜんぶがつながり)

3分とかには全部がつながり

(りょうあしちからがぜんぜんはいらず)

両足力が全然入らず

(じぶんのものじゃないみたいだ)

自分のものじゃないみたいだ

(ゆめとか。はるとか。)

夢とか。春とか。