家出少年と迷子少女

(わすれたいことがあるんだ)

忘れたいコトがあるんだ……

(ここであったことここでみたこと)

ここであったこと　ここで見たこと

(きみはどこへいったのかを)

キミはどこへ行ったのかを

(けしさりたいものがあるんだ)

消し去りたいモノがあるんだ……

(くらやみにひとりぼっちでとりのこされた)

暗闇にひとりぼっちで取り残された

(わたしを)

ワ　タ　シ　を

(あるあさきみはとつぜんすがたけした)

ある朝　キミは突然姿消した

(すこしかわりもののきみの)

少し変わり者のキミの

(びょーきはたまにりかいしがたい)

奇行（ビョーキ）は　たまに理解し難い

(ああまたなにかやらかしたのかともれる)

ああ、また何かやらかしたのかと漏れる

(まわりのふかいなこえに)

周りの不快な声に

(こらえきれずそととびだした)

堪えきれず外飛び出した

(きらいになっちゃうぞってちょっとすねてみた)

嫌いになっちゃうぞって　ちょっと拗ねてみた

(かってにいなくなるなんてそんなのゆるさない)

勝手にいなくなるなんて　そんなの許さない

(きみをさがしてあるくこうかきょうのした)

キミを探して歩く高架橋の下

(らくがきちつじょはさいあく)

落書き秩序は最悪

(みつけたらほおをたたいて)

見つけたら頬を叩いて

(しんぱいしたんだからねばかとか)

「心配したんだからねバカ」とか

(ちょっとなみだぐむかもしれない)

ちょっと涙ぐむかもしれない

(ぺたぺたあるくきみをさがしにしらないまちのなかを)

ぺたぺた歩く　キミを探しに知らない街の中を

(まるでまいごのこどものように)

まるで迷子の子供のように

(なきそうなかおかっこわるいなぁ)

泣きそうな顔　かっこ悪いなぁ

(ぽろぽろおもいはりつめてたかんじょうのいとをきらす)

ぽろぽろ想い　張りつめてた感情の糸を切らす

(きみがてをひいてくれないとこまるんだから)

キミが手を引いてくれないと　困るんだから

(はやくきみにあいたい)

早くキミに会いたい

(いちにちのおわりかげがのびるわたしのだけ)

一日の終わり　影が伸びる　ワタシのだけ

(きみがいないひなんて)

キミがいない日なんて

(わすれたいわすれました)

忘れたい　忘れました

(きおくはねつぞうきみはいえでしたんだよね)

記憶は捏造?キミは家出したんだよね?

(とてもたいせつなことだけど)

とても大切なことだけど

(おもいだしちゃいけないきがするんだ)

思い出しちゃいけない気がするんだ

(まちはかほごなくらい)

街は過保護なくらい

(かのじょのねがいにちゅうじつだった)

彼女の願いに忠実だった

(それがしあわせをもたらすかは)

それが幸せをもたらすかは

(わからなかったけれど)

分からなかったけれど

(ばらばらはがれおちた)

ばらばら剥がれ落ちた

(きおくのかけらをひろいあつめ)

記憶の欠片を拾い集め

(いちどめをそむけたしんじつ)

一度目を背けた真実

(おもいだしたいとねがう)

思い出したいと願う

(くるくるまわるきみをさがすびるのすきままいごたび)

くるくる廻る　キミを探すビルの隙間迷子旅

(さんぽのしゅうてんみえてきた)

散歩の終点見えてきた

(ほんとはもうきみは)

ホントはもうキミは………

(きみをさがしてあるく)

キミを探して歩く

(ふみきりできみのすべてをおもいだす)

踏切でキミのすべてを思い出す

(のぼるきみのけむりにからのてぶりみおくった)

昇るキミの煙に　カラの手振り見送った

(そのひからもういない)

その日からもういない

(きみをさがしまいごになった)

キミを探し迷子になった

(きみのもとへいきたい)

「キミのもとへいきたい」

(かたかたきみをさいごにみたばしょにもういちどたった)

かたかたキミを最後に見た場所にもう一度立った

(もうもどれないのだけれども)

もう戻れないのだけれども

(これでいいときめたんだ)

これでいいと決めたんだ

(ふらふらきみをさがしまいごになってかっこわるくて)

ふらふらキミを探し迷子になってかっこ悪くて

(ふたつのてんめつてらされたなみだはきっとあんどから)

二つの点滅　照らされた　涙はきっと安堵から

(きみのいないせかいのほうが)

「キミのいない世界のほうが」

(まちがいだから)

「間違いだから」

(やっとここにかえってこれた)

やっとここに帰ってこれた

(きみもきっとみつかるし)

キミも　きっと　見つかるし

(はっぴーえん)

ハッピーエンドだよね