ワンダー

(ちゃけたてがみおとしまえのもじ)

茶けた手紙　落とし前の文字

(かすみゆくきおくあたりまえにおもっていよう)

霞みゆく記憶　当たり前に思っていよう

(ごねんまえのくれぼくらはいた)

五年前の暮れ　僕らはいた

(あんたんとふりつむあめなぜかむねをなでおろすくらいに)

暗澹と降りつむ雨　なぜか胸を撫で下ろすくらいに

(にんげんをささげてたんだ)

人間を捧げてたんだ

(あのひみたりんかくをわすれてた)

あの日見た輪郭を忘れてた

(みえてなくてもいいのにさ)

見えてなくてもいいのにさ

(はてのないゆめのせいで)

果てのない夢のせいで

(わんだーきみはあわいゆうれい)

ワンダー　君は淡い幽霊

(さんざんなおとなになって)

散々な大人になって

(うしろめたいからうしないたい)

後ろめたいから失いたい

(りゆうばかりさがしていきていくんだ)

理由ばかり探して生きていくんだ

(あいたいしていえないような)

相対して言えないような

(あいたいだけためこんでいた)

会いたいだけため込んでいた

(なにもしないからなにもしない)

何もしないから何もしない

(とまりぎだけみつけていきていくんだ)

止まり木だけ見つけて生きていくんだ

(からだからだからだなんか)

身体　身体　身体なんか

(かざりかざりかざりなんだ)

飾り　飾り　飾りなんだ

(からだからだからだなんか)

身体　身体　身体なんか

(かざりかざりかざりなのか)

飾り　飾り　飾りなのか

(からだからだからだなんか)

身体　身体　身体なんか

(かざりかざりかざりなんだ)

飾り　飾り　飾りなんだ

(からだからだからだなんか)

身体　身体　身体なんか

(かざりかざりかざりなのだ)

飾り　飾り　飾りなのだ

(さんさんとかがやくものあのひみたくうはくをわすれてた)

燦燦と輝くもの　あの日見た空白を忘れてた

(かたらなくてもいいのにさ)

騙らなくてもいいのにさ

(はてのないゆめのせいで)

果てのない夢のせいで

(わんだーきみはあわいゆうれい)

ワンダー　君は淡い幽霊

(さんざんなおとなになって)

散々な大人になって

(うしろめたいからうしないたい)

後ろめたいから失いたい

(りゆうばかりさがしていきていくんだ)

理由ばかり探して生きていくんだ

(あいたいしていえないような)

相対して言えないような

(あいたいだけためこんでいた)

会いたいだけため込んでいた

(なんでもないからなんでもない)

何でもないから何でもない

(ことばばかりきになりいやになるんだ)

言葉ばかり気になり嫌になるんだ

(からだからだからだなんか)

身体　身体　身体なんか

(かざりかざりかざりなんだ)

飾り　飾り　飾りなんだ

(からだからだからだなんか)

身体　身体　身体なんか

(かざりかざりかざりなのか)

飾り　飾り　飾りなのか

(からだからだからだなんか)

身体　身体　身体なんか

(かざりかざりかざりなんだ)

飾り　飾り　飾りなんだ

(からだからだからだなんか)

身体　身体　身体なんか

(かざりかざりかざりなのだ)

飾り　飾り　飾りなのだ

(わんだー)

ワンダー

(こんくりーとのました)

コンクリートの真下

(うえだけかためただいちで)

上だけ固めた大地で

(ぼくらはうまれた)

僕らは生まれた

(かさもないなか)

傘もない中

(およぐよのなか)

泳ぐ世の中

(あのひみえたすがただけがぼくのこきょうだ)

あの日見えた姿だけが僕の故郷だ

(あさいねむりがときをもどす)

浅い眠りが時を戻す

(じつぞんのありかをねすごす)

実存のありかを寝過ごす

(しゅうでんはもうないが)

終電はもうないが

(もどるばしょもとっくにないのさ)

戻る場所もとっくにないのさ

(わんだーきみのいないふうけい)

ワンダー　君のいない風景

(かんたんなことばになって)

簡単な言葉になって

(うしろめたいからうしないたい)

後ろめたいから失いたい

(りゆうだけをさがしていきていくんだ)

理由だけを探して生きていくんだ

(あいたいしていえないような)

相対して言えないような

(あいたいだけためこんでいた)

会いたいだけため込んでいた

(なにもしないからなにもしない)

何もしないから何もしない

(とまりぎだけみつけていきていくんだ)

止まり木だけ見つけて生きていくんだ

(しみついたいろをぬき)

染みついた　色を抜き

(とうめいにもどれたら)

透明に戻れたら

(あめがまたふるころに)

雨がまた　降るころに