夢椿／WHiSANT

(かぜがそらとだいちをゆらし)

風が空と大地を揺らし

(えがくらせんとかさなる)

描く螺旋と重なる

(いまこのばしょでしじまにさきほこれ)

いまこの場所で静寂に咲き誇れ

(つばきのように)

椿のように

(あわくにおいたつゆうげんのよは)

淡く匂い立つ幽玄の世は

(ためされてちるうたげよ)

試されて散る宴よ

(ただあわれとうまれし)

ただ憐れと生まれし

(ときをなげいていた)

時代を嘆いていた

(あたえられずからめたいとにりゆうもとめ)

与えられず絡めた糸に理由求め

(いふうどうどうかけぬけるさま)

威風堂々駆け抜ける様

(そのみそのめやきつけて)

その身その眼焼き付けて

(たとえそらとだいちさこうとも)

たとえ空と大地裂こうとも

(あいしたえにしをささぐ)

愛した縁を捧ぐ

(ああいざよいにうかぶたそがれをせに)

あゝ十六夜に浮かぶ黄昏を背に

(いさましくもはかなきいみを)

勇ましくも儚き意味を

(おいもとめせつないきる)

追い求め刹那生きる

(いましんしんときずなをむねにきざみ)

いま深々と絆を胸に刻み

(ゆめつばきをさきほころうか)

夢椿を咲き誇ろうか

(しるすみちのりはけわしくとも)

記す道程は険しくとも

(たえずそくせきをかえりみよう)

絶えず足跡を顧みよう

(きづくたまゆらのこうふくなひと)

気付く玉響の幸福な日と

(おもはゆきおもいでたち)

面映き想い出たち

(おぼろにきえつむいだはずのことばはきえ)

朧に消え紡いだはずの言葉は消え

(よぞらかくすくものようなおもとどかぬこえ)

夜空隠す雲のよう尚も届かぬ声

(ほのみゆこころつかめるのなら)

仄見ゆ心掴めるのなら

(このみこのめさしだして)

この身この瞳差し出して

(まちこがれたせんりのちにも)

待ち焦がれた千里の地にも

(みはてぬいくえのなみだ)

見果てぬ幾重の涙

(ああなきぬれたかこもつれてむきあう)

あゝ泣き濡れた過去も連れて向き合う

(あさましくもせつなるいのり)

浅ましくも切なる祈り

(まばゆきしるべをめざし)

眩き標を目指し

(まだみぬはてに)

未だ見ぬ果てに

(みあつむどれほどのあいにこがれて)

見集むどれ程の愛に焦がれて

(はなひらくだろう)

花開くだろう

(だれよりなによりこいしかるべきひび)

誰より何より恋しかるべき日々

(さだめをしりむすべぬざんこくにうれいた)

運命を知り結べぬ残酷に憂いた

(いくもかえるもわかれであいも)

行くも帰るも別れ出逢いも

(ここにかけようこのいのち)

此処に賭けようこの命

(そうたとえ)

そうたとえ

(そらとだいちわろうとも)

空と大地割ろうとも

(えがくらせんをたどろう)

描く螺旋を辿ろう

(ああぜつぼうもかなしみもうちはらい)

あゝ絶望も悲しみも打ち払い

(いさましくもはかなきいみを)

勇ましくも儚き意味を

(おいもとめせつないきる)

追い求め刹那生きる

(いまこのばしょでしじまにさきほこれ)

いまこの場所で静寂に咲き誇れ

(つばきのように)

椿のように

(とわをゆめみて)

永遠を夢見て

(よはゆらぎたえず)

世は揺らぎ絶えず

(かたちをかえながらえる)

形を変え長らえる

(いついつまでも)

いついつまでも

(まちつづけようあなたを)

待ち続けよう貴方を