吉田松陰 寸言集〈現代語訳〉1

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松下村塾で学びましょう。
長州藩、維新の志士達の心の師であった吉田松陰。
松蔭の寸言を勝手に現代語に翻訳しました。
詳しくは大家の翻訳をご覧ください。
「誠」のみで生きた松蔭の心震える言葉で、人生を考え直してみましょう。

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問題文

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(よのひとがげんろんをきくに、あさいものはげんじつのそのせいかやけっかをみる。)

世の人が言論を聞くに、浅い者は現実のその成果や結果をみる。

世人の、事を論ずる、浅き者は事の成敗を視、

(ふかいものはそのひとのまごころやよこしまなこころのゆくえをみる。このようなものだ。)

深い者はその人の真心や邪な心の行方をみる。このようなものだ。

深き者は人の忠奸を視る。かくの如きのみ。

(しどうというものは、ぎのこころよりだいじなものはない。)

士道というものは、義の心より大事なものはない。

士の道は義より大なるは無し。

(そしてぎのこころは、ゆうしんによってじつげんされるものだ。)

そして義の心は、勇心によって実現されるものだ。

義には勇に因りて行はれ、

(また、そのゆうしんはぎのこころによってさらにせいちょうするものなのである。)

また、その勇心は義の心によって更に成長するものなのである。

勇は義に因りて長ず。

(めいくんとあんくんあるいは、けんしょうとぐしょうといったものをわかつのは、)

名君と暗君あるいは、賢将と愚将といったものを分かつのは、

名君賢将、暗君愚将とは、

(そのひとのふだんのせいかつそこう、いきかたにおいてきまるものなのだ。)

その人の普段の生活素行、生き方において決まるものなのだ。

平生に定まることなれば、

(つまり、つねひごろのことばづかいやおこないはいわば、)

つまり、常日頃の言葉遣いや行いは言わば、

平生の言行各々

(そのひとのゆいごんや、りんじゅうのさいのいめいとおなじことなのである。)

その人の遺言や、臨終の際の遺命と同じことなのである。

其の遺命なり。

(びんぼうやちいのひくいことで、そのひとをみくだしさげすむようなにんげんは、)

貧乏や地位の低いことで、その人を見下し蔑むような人間は、

貧賎を以て是を軽蔑する者は、

(かならずかねもちやちいのたかいにんげんにいやしくこびへつらうものだ。)

必ず金持ちや地位の高い人間に卑しく媚びへつらうものだ。

必ず富貴を以て是に諂屈す。

(だんしがいったんたてたこころざし、)

男子が一旦立てた志、

(いっかげつでできなければ、にかげつかけてでもこれをなしとげる。)

一ヶ月で出来なければ、二ヶ月かけてでもこれを成し遂げる。

一月にして能くせずんば、則ち両月にして之を為さん。

(にかげつでもできなければ、ひゃくにちかけてでもこれをなしとげる。)

二ヶ月でも出来なければ、百日かけてでもこれを成し遂げる。

両月にして能くせずんば、則ち百日にして之を為さん。

(これほどやってなしとげられなくとも、なしとげるまではぜったいにやめない。)

これほどやって成し遂げられなくとも、成し遂げるまでは絶対にやめない。

之を為して成らずんば輟めざるなり。

(くんしは、どれほどこんきゅうしてもあやまったおこないはしない。)

君子は、どれほど困窮しても過った行いはしない。

君子は渇すとも盗泉を飲まず、

(ししは、どんなきゅうちにおいこまれてもせいどうをまっとうし、たたみでしぬことなどかんがえず、)

志士は、どんな窮地に追い込まれても正道を全うし、畳で死ぬことなど考えず、

志士は窮すとも

(いつでもそっこうでうちすてられるくらいのかくごをわすれてはならない。)

いつでも側溝で打ち捨てられるくらいの覚悟を忘れてはならない。

溝壑を忘れず。

(りえきをたがいあらそえば、よのちつじょのみだれをじょちょうすることになる。)

利益を互い争えば、世の秩序の乱れを助長することになる。

利を争へば乱を長ずること、

(これはおのずとおこるいきおいなのである。)

これは自ずと起こる勢いなのである。

自然の勢いなり。

など

(おのれのじょうしきのみをもってたにんをせめたりしない。)

己の常識のみをもって他人を責めたりしない。

己を以て人を責むることなく

(ひとつのしっぱいだけで、そのひとのすべてをひていしてはいけない。)

一つの失敗だけで、その人の全てを否定してはいけない。

一を以て百を廃することなく、

(そのひとのちょうしょをよくとりあげ、たんしょはみないようにする。)

その人の長所を良く取り上げ、短所は見ないようにする。

長を取りて短を捨て、

(ひとにたいしてはそのこころをじゅうしし、せいかなどはにのつぎにする。)

人に対してはその心を重視し、成果などは二の次にする。

心を察して跡を略らば、

(このようであれば、よのなかどこへいこうともひとがあつまってくるだろう。)

このようであれば、世の中どこへ行こうとも人が集まってくるだろう。

則ち天下いづくにか往くとして隣なからん。

(こらい、たいぎょうをなしたひとというのは、)

古来、大業を成した人というのは、

古より大業を成すの人、

(おだやかでめいよやりえきをあらそわず、そしてゆったりとしていてものしずかである。)

穏やかで名誉や利益を争わず、そしてゆったりとしていて物静かである。

恬退緩静ならざるはなし。

(たにんのけってんやかしつをきびしくしてきするひとは、)

他人の欠点や過失を厳しく指摘する人は、

人を諫むる者、

(まずじぶんのけってんやかしつをいましめなくてよいだろうか。そんなことはないはずだ。)

まず自分の欠点や過失を戒めなくて良いだろうか。そんなことはないはずだ。

安んぞ自ら戒めざるべけんや。

(こころざしあるしは、ぜんしんぜんれいをもって、まさにいまここでぜんりょくをつくさねばならない。)

志ある士は、全身全霊をもって、まさに今ここで全力を尽くさねばならない。

有志の士、力を致し心を竭し、当にここに処することあるべし。

(ただむやみにじぶんからひかんしいしゅくし、なげだすことになってはならない。)

ただむやみに自分から悲観し萎縮し、投げ出すことになってはならない。

徒に自ら非蹙して已むべからず。

(したるもの、せいどうをつらぬきまことにみをなげすてるものである。)

士たるもの、正道を貫き誠に身を投げ捨てるものである。

士、苟も正を得て斃る、

(どうしてかしこくたちまわってまでのほしんにいみなどがあろうか。)

どうして賢く立ち回ってまでの保身に意味などがあろうか。

何ぞ必ずしも明哲、身を保たん。

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