なんという王妃～ケーキをお食べ！

(ぼんそわーる)

ボンソワール！

(すばらしいうつくしすぎる われらのまりーあんとわねっと)

素晴らしい　美しすぎる 我らのマリー・アントワネット

(こどもをうんだあとでも かわらぬびぼうとわにかがやく)

子供を産んだ後でも 変わらぬ美貌　永遠に輝く

(なぜこんやヴぇるさいゆから ぱりにもどったのか)

なぜ今夜ヴェルサイユから パリに戻ったのか

(さあごらんこんやのかのじょ)

さあご覧　今夜の彼女

(だれとおどるかめがはなせない)

誰と踊るか目が離せない

(わたしのしょうたいをうけていただき きょうえつしごくにぞんじますわがおうひ)

私の招待を受けて頂き 恐悦至極に存じます　我が王妃

(ぱりはふたたびひかりをとりもどしました)

パリは再び光を取り戻しました

(ぶらヴぉー)

ブラヴォー！

(ひさしぶりのぱりできゃんどるのうず)

久しぶりのパリでキャンドルの渦

(なつかしいわ)

懐かしいわ

(いまやははとなりこのわたしもかわりました)

今や母となりこの私も変わりました

(ふらんすにじんせいとこうたいしをささげた)

フランスに人生と皇太子を捧げた

(いまでもじぶんにといかける)

今でも自分に問いかける

(どうすればみなさんに こころからうけいれてもらえるかと)

どうすればみなさんに 心から受け入れてもらえるかと

(のぞまれるおうひめざし あいされるようつとめましょう)

望まれる王妃目指し 愛されるよう務めましょう

(わかいひのまちがいをかてにして)

若い日の間違いを糧にして

(おうひのかがみとなってみせましょう)

王妃の鑑となってみせましょう

(でもいまはおどりを)

でも今は踊りを

(さあたのしんでください)

さあ　楽しんでください！

(みごとだたいしたものだ われらのまりーあんとわねっと)

見事だ　大したものだ 我らのマリー・アントワネット

(だがけっしてみのがすものか だれとおどるかめがはなせない)

だが決して見逃すものか 誰と踊るか目が離せない

(こころのじゅんびはいかがですかまだむ)

心の準備はいかがですか？　マダム

(いつでもできておりましてよ)

いつでもできておりましてよ

(ではまだむにとって わすれられないおかたをおよびしましょう)

ではマダムにとって 忘れられないお方をお呼びしましょう

(ふらんすぐんとともに あめりかどくりつせんそうをたたかった)

フランス軍とともに アメリカ独立戦争を戦った

(あくせるふぉんふぇるせんはくしゃくです)

アクセル・フォン・フェルセン伯爵です

(あくせる)

アクセル！

(ぼんそわーるおうひさま)

ボンソワール　王妃様

(まずしいあめりかじんを いぎりすこくおうからかいほうしたえいゆうだな)

貧しいアメリカ人を イギリス国王から解放した英雄だな

(かれらはじぶんたちのてで じゆうをてにしたのです)

彼らは自分たちの手で 自由を手にしたのです

(わたしにでばんはありませんでした)

私に出番はありませんでした

(まあいいだろう きみのおどりはすばらしかったおぼえがある)

まあいいだろう 君の踊りは素晴らしかった覚えがある

(こんやおうひはきみにこうふくすることだろう)

今夜　王妃は君に降伏することだろう

(こんかいだけはあなたにさんせいするわおるれあん)

今回だけは貴方に賛成するわ　オルレアン

(さあごらんなんてうれしそう わがまりーあんとわねっと)

さあご覧　なんて嬉しそう 我がマリー・アントワネット

(むちゅうだあのはくしゃくに むじゃきなえがおなんてはじしらず)

夢中だ　あの伯爵に 無邪気な笑顔　なんて恥知らず

(よろしいでしょうかまだむ)

よろしいでしょうかマダム

(ぱりでいちばんのまかろんでございます)

パリで一番のマカロンでございます

(ぼんそわーるだいしきょうさま)

ボンソワール　大司教様

(おはなしにならないで)

お話にならないで！

(おうひさまのために とくべつにあしらえさせたものであります)

王妃様のために 特別にあしらえさせたものであります

(まだむろあんだいしきょうはおうにつぐたちばのおかたです)

マダム　ロアン大司教は王に次ぐ立場のお方です

(そしてなによりわたしのしょうたいきゃくの)

そして何より私の招待客の...

(おうひさまはごしょうちです)

王妃様は御承知です

(ああ)

ああ...

(もらるがけつじょしたいまわしいおとこです)

モラルが欠如した忌まわしい男です

(きゅうでんにきたばかりのころ わたくしのことをちゅうしょうしたのよ)

宮殿に来たばかりの頃 私の事を中傷したのよ

(ごかいでございますおうひさま)

誤解でございます王妃様

(おねがいですどうかわかいを)

お願いです　どうか和解を！

(はちねんかんわたくしはかれに ひとこともくちをきいていないのです)

八年間　私は彼に 一言も口をきいていないのです

(それはこんごもかわりありません)

それは今後も変わりありません

(まさかだいしきょうむしした われらのまりーあんとわねっと)

まさか大司教無視した 我らのマリー・アントワネット

(むかしのうらみわすれない ぷらいどたかくごうじょうなおんな)

昔の恨み忘れない プライド高く　強情な女

(もうしわけありませんまだむ)

申し訳ありませんマダム

(みぶんのひくいめしつかいが わたしのやしきにまよいこんだようです)

身分の低い召使が 私の屋敷に迷い込んだようです

(いったいだれなの)

一体誰なの？

(さあ)

さあ？

(なにがしたいのかしら)

何がしたいのかしら？

(あたしはまるぐりっとあるのー)

あたしはマルグリット・アルノー

(うえていますろじょうでせいかつしています)

飢えています　路上で生活しています

(あたしたちにはたべるぱんがありません)

あたし達には食べるパンがありません！

(だれにむかってはなしてるのかわかってるのかしら)

誰に向かって話してるのか分かってるのかしら？

(あんたはまりーあんとわねっとでしょ)

あんたはマリー・アントワネットでしょ

(おーすとりあのじょていまりあてれじあのむすめで るいじゅうろくせいのつまそして)

オーストリアの女帝マリア・テレジアの娘で ルイ１６世の妻そして

(ふらんすおうひ)

フランス王妃

(なかなかかしこいのね)

なかなか賢いのね

(うえてはいるけどばかじゃない)

飢えてはいるけど馬鹿じゃない！

(よみかきだってできるし よのなかがまちがってることだってしってる)

読み書きだってできるし 世の中が間違ってることだって知ってる！

(そうなの)

そうなの？

(あんたたちはぜいたくざんまいでくらしてる)

あんたたちは贅沢三昧で暮らしてる

(あたしたちにはたべるぱんがひとつもない)

あたし達には食べるパンが一つもない！

(まるぐりっとしゃんぱんはいかが)

マルグリット　シャンパンはいかが？

(このおんなにはとうぜんのむくいをうけさせろ)

この女には当然の報いを受けさせろ！

(おおめにみてあげて わたくしはかのじょをゆるします)

大目に見てあげて 私は彼女を許します

(あたしはゆるさない)

あたしは許さない！

(ゆるすもんかこのくそったれ)

許すもんかこのクソったれ！

(あたしたちにはたべるぱんがひとつもないの)

あたし達には食べるパンが一つも無いの！

(ぱんがなければ)

パンがなければ

(けーきをたべればいいじゃない)

ケーキを食べればいいじゃない！

(たしかに)

確かに

(そのとおり)

その通り！

(ぱんがなけりゃ)

パンが無けりゃ

(ぱんがなけりゃ)

パンが無けりゃ

(たべればけーき)

食べればケーキ

(たべればけーき)

食べればケーキ

(たべればいいさけーき)

食べればいいさケーキ

(けーきけーき)

ケーキ　ケーキ

(ぱんがなけりゃ)

パンが無けりゃ

(けーきけーきけーき)

ケーキ！　ケーキ！　ケーキ！

(まかろんきにいってくれたかしらね)

マカロン気に入ってくれたかしらね？

(あまりにおいしくて おどりだしちゃうんじゃなあい)

あまりにおいしくて 踊りだしちゃうんじゃなあい？

(あらすてき)

あらステキ！

(ちょっとまっておいてかないで)

ちょっと待って！　置いてかないで！

(やだみなさん)

やだ！　みなさん！