それはあまりに人間的な
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歌詞(問題文)
(すげないかぜがしゅくしゅくとはずえにすがるあめつゆをさらう)
素気ない風が粛々と 葉末にすがる雨露をさらう
(まちのあかりがたたずんだよるのくらがりをしずかにつんでゆく)
街の明かりが彳んだ 夜の暗がりを静かに摘んでゆく
(はくぼにかすむうしろかげこうじんおりなすがいろのたんさい)
薄暮に霞む後影 行人織りなす街路の淡彩
(ふるいしもんにきえてゆくあなたのそびらをめでおった)
古い市門に消えてゆく あなたの背を目で追った
(おどるににたるそのあゆみりゅうときまってはなはだかれんで)
踊るに似たるその歩み 隆と決まって甚だ可憐で
(よいにせかされかけだしたさざめくはるからにげるように)
宵に急かされ駈け出した さざめく春から逃げるように
(このせかいにかちはないとばかにしてなげいたこえですら)
この世界に価値はないと 馬鹿にして嘆いた声ですら
(いとしごをあやすようにせかいがわらってゆるすのだ)
愛し子をあやすように 世界が笑って恕すのだ
(そんなことにきづかぬままじぎにもひとしいしをかいた)
そんなことに気づかぬ儘、児戯にも等しい詩を書いた
(ちかづくことをあきらめてそばにきてほしいとよぶように)
近づくことを諦めて、側に来て欲しいと呼ぶように
(あああなたのようにいきたなら)
嗚呼、あなたのように生きたなら、
(ぼくはこんなばけものなんかにならずにいられたのでしょうか)
僕はこんな化物なんかにならずにいられたのでしょうか
(ひるいをたたえぬそのめは)
悲涙を湛えぬその目は
(このせかいをどれほどにうつくしくうつしてるのでしょうか)
この世界をどれほどに美しく映してるのでしょうか
(もとめたときはもうおそいといつもしるんだ)
求めたときはもう遅いといつも知るんだ
(じんせいがにどあるならこんなしなんてかかないさ)
人生が二度あるならこんな詩なんて書かないさ
(あいすべきいとうひびにほんのささやかなるふくしゅうを)
愛すべき厭う日々に、ほんのささやかなる復讐を
(あのひあのときすすめたしょうせつをあなたはよんだのかい)
あの日、あの時、勧めた小説をあなたは読んだのかい?
(このいたみがわかちあえたらなんておもってしまったんだ)
この痛みが分かち合えたら…なんて思ってしまったんだ
(あああなたのようになれたなら)
嗚呼、あなたのようになれたなら、
(これほどにもこんなものがたりでなくことはないだろうな)
これほどにもこんな物語で泣くことはないだろうな
(くらくてただただふかいでつまらないといえてしまうあなたのいきかたがしたくて)
暗くて只々、不快でつまらないと言えてしまうあなたの生き方がしたくて
(そんなちんぷなかんじょうこそにこがれてたんだ)
そんな陳腐な感情こそに焦がれてたんだ
(しくしくうちけむるあめこみちかなしみがしたたりてなおうつろ)
頻々うち煙る雨小径、悲しみが滴りてなお空ろ
(ばけものにせめてのまくらばなはるけしせいそうのあと)
化物にせめての枕花 遥けし星霜の後
(あああなたのようにいきたなら)
嗚呼、あなたのように生きたなら、
(ぼくはこんなばけものなんかにならずにいられたのでしょうか)
僕はこんな化物なんかにならずにいられたのでしょうか
(ひるいをたたえぬそのめは)
悲涙を湛えぬその目は
(このせかいをどれほどにうつくしくうつしてるのでしょうか)
この世界をどれほどに美しく映してるのでしょうか
(ずっとせかいをきらってた)
ずっと世界を嫌ってた
(このかんじょうのしょうたいがあこがれだといまさらきがついて)
この感情の正体が憧れだと今更、気がついて
(なぐさめなんかじゃなかった)
慰めなんかじゃなかった
(このすばらしきせかいをこんなにもあいしてるとしったから)
この素晴らしき世界をこんなにも愛してると知ったから
(きずつきみくだしながらでもあるいてゆくんだ)
傷つき見下しながらでも歩いてゆくんだ