[暗唱シリーズ]更級日記

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プレイ回数195難易度(4.4) 678打 長文
タグ古典

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(あづまじのみちのはてよりも、なほおくつかたにおひいでたるひと、)

あづま路の道のはてよりも、なほ奥つ方に生ひ出たる人、

(いかばかりかはあやしかりけむを、いかにおもひはじめけることにか、)

いかばかりかはあやしかりけむを、いかに思ひはじめけることにか、

(よのなかにものがたりといふもののあんなるを、いかでみばやとおもひつつ、)

世の中に物語といふもののあんなるを、いかで見ばやと思ひつつ、

(つれづれなるひるま、よひいなどに、あね、ままははなどやうのひとびとの、)

つれづれなるひるま、宵居などに、姉、継母などやうの人々の、

(そのものがたり、かのものがたり、ひかるげんじのあるやうなど、)

その物語、かの物語、光源氏のあるやうなど、

(ところどころかたるをきくに、いとどゆかしさまされど、)

ところどころ語るを聞くに、いとどゆかしさまされど、

(わがおもふままに、そらにいかでかおぼえかたらむ。)

わが思ふままに、そらにいかでかおぼえ語らむ。

(いみじくこころもとなきままに、とうしんにやくしぶつをつくりて、)

いみじく心もとなきままに、等身に薬師仏を造りて、

(てあらひなどして、ひとまにみそかにいりつつ、)

手洗ひなどして、人まにみそかに入りつつ、

(「きょうにとくあげたまひて、ものがたりのおおくさぶらふなる、)

「京にとく上げたまひて、物語の多くさぶらふなる、

(あるかぎりみせたまへ」と、みをすててぬかをつきいのりもうすほどに、)

あるかぎり見せたまへ」と、身を捨てて額をつき祈り申すほどに、

(じゅうさんになるとし、のぼらむとて、)

十三になる年、上らむとて、

(ながつきみっかかどでして、いまたちといふところにうつる。)

九月三日門出して、いまたちといふ所にうつる。

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