1LDK

(しんぶんのいちめんにぼくのなまえみだしで)

新聞の一面に　僕の名前見出しで

(あんたのきをひきたい)

あんたの気を惹きたい

(きょうじゃないとぜったいだめなんだよ)

今日じゃないと　絶対だめなんだよ

(きいろいせんのうえぎりぎりのすてっぷでおどってる)

黄色い線の上　ギリギリのステップで踊ってる

(うまいことそまれないよかりもんのこせいてきじゃげんてん)

うまいこと染まれないよ　借りもんの個性的じゃ減点

(めんどうごとにのっくだうんひとりぐらしはまあきついです)

面倒事にノックダウン　一人暮らしはまあキツいです

(おもてさんどうからしょうとうぼくはだんさーいんざだーく)

表参道から松濤　僕はダンサーインザダーク

(やすげっきゅうでざんぱいまだこうじおわんないし)

安月給で惨敗　まだ工事終わんないし

(すききらいだいとかい)

好き嫌い　大都会

(いやふぉんのむこうでうたうこえにこがれている)

イヤフォンの向こうで　歌う声に焦がれている

(れっとうかんえんせいてきなきぶんであさをまって)

劣等感、厭世的な気分で朝を待って

(こんなおもいをしってもこまくのうえであなたが)

こんな思いを知っても　鼓膜の上であなたが

(くそみたいなげんじつをいっしゅんひからせるからちょうえつした)

クソみたいな現実を一瞬光らせるから、超越した

(ねぇおもてはあぶないよ)

ねぇ、表は危ないよ

(せんせーしょんなんざくそくらえだろ)

センセーションなんざくそ喰らえだろ

(あんたのたくえつはわかさやおかねじゃはかれないのに)

あんたの卓越は若さやお金じゃはかれないのに

(めいせいをねだってないものみえはってる)

名声を強請って　無いもの見栄張ってる

(きかざるばかりとかい)

着飾るばかり　都会

(いやふぉんのむこうでさけぶこえにただされている)

イヤフォンの向こうで　叫ぶ声に正されている

(けんおかんこうていできないぼくがいやになって)

嫌悪感、肯定できない僕が嫌になって

(こんなおもいになってなおなんとかをたもてるのは)

こんな思いになって尚“なんとか”を保てるのは

(うそみたいなりそうのどこかあなたがいるからちょうえつしてよ)

嘘みたいな理想の何処かあなたがいるから、超越してよ

(ごせんふのうえのさばるほんねおれそうなぼくはかみだのみだ)

五線譜の上のさばる本音　折れそうな僕は神頼みだ

(ほんとうはなんもねがっていないうつったくせがなおらない)

本当は何も願っていない　うつった癖が直らない

(あーとなんておんがくなんてうたをうたったからなんだって)

芸術なんて音楽なんて歌をうたったからなんだって

(えをかいたってたしにならないからやめちまえば)

絵を描いたって足しにならないから辞めちまえば

(あーとなんておんがくなんておんがくなんて)

芸術なんて音楽なんて音楽なんて

(おんがくなんておんがくなんておんがくなんてもうくたばれ)

音楽なんて音楽なんて音楽なんて　もうくたばれ

(あーとなんておんがくなんてなんもなくっていなくなって)

芸術なんて音楽なんて何もなくっていなくなって

(かちをつけてえらばれなくて)

価値をつけて選ばれなくて

(あこがれだけ)

憧れだけ

(いやふぉんのむこうでうたうこえにこがれている)

イヤフォンの向こうで　歌う声に焦がれている

(れっとうかんえんせいてきなきぶんであさをまって)

劣等感、厭世的な気分で朝を待って

(こんなおもいをしってもこまくのうえであなたが)

こんな思いを知っても　鼓膜の上であなたが

(くそみたいなげんじつだとしてもひからせた)

クソみたいな現実だとしても光らせた

(いやふぉんのむこうへさんふんとすこしのあいだだけ)

イヤフォンの向こうへ　三分と少しの間だけ

(ぜんのうかんかくめいてきなきぶんでいさせて)

全能感、革命的な気分でいさせて

(そういつだってゆびさきひとつでさいせい)

そういつだって指先ひとつで“再生”

(ありふれたせいかつなぐりこんであなたは)

ありふれた生活　殴り込んであなたは

(くそみたいなげんじつをたったいっしょうせつでかえて)

クソみたいな現実を　たった一小節で変えて

(ちょうえつしたの１ｌｄｋで)

超越したの、1LDKで